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2016年08月17日

保存版 “変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第7弾!!

保存版 “変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る…第7弾!!
ダハハ、2年ぶりのこの企画、突然思い出したのでやってみたいと(^^;

夏休み終了に伴い復活企画ですな、もうこんな長文上げる時間もなくなる?しで(泣)


題して“変態と呼ばないで!”納得のマイナー・モデルを振り返る 第7弾になりますね、これはかなりの変態度、若い世代は当然の事、このクルマのリアル世代でもよほどの三菱ファン、ギャランファンでないと知る方も少ないかもしれません、正に菱ヲタギャランヲタを自認して止まないワタクシだからこそのネタですねw

そんな訳で今回のお題はこちら⇒『A112A型ギャランGT』

ん?ギャランGT?ギャランGTOでねぇーの…!?

そうなんですよ、この頃のギャランは二つのスペシャリティモデルを有するのが大きな売り!
一つは『ギャランGTO』、そしてもう一つ『ギャランクーペFTO』…

この二つは現代、旧車に多少興味ある方なら誰でも知っているメジャーモデル、尤も現役時代はセリカやスカイライン、27レビントレノの後塵を仰ぐどちらかと言えばマイナーモデルでしたが既にGTOもFTOも発売45年を経過、今ではプレミアのビックリ価格が付く三菱の名車としてその名前は響いています。

さて、そんな“メジャー”なGTOとFTOに次いで新たに当時三菱が「もう一つのスペシャリティ」と銘打って発売したのがギャランGTです!

↓昭和50年に新登場のギャランGT


発売は1975年(昭和50年)6月、自動車業界は予期せぬOILショック、そしてこの昭和50年いっぱいをもち従来型車=昭和50年度排ガス規制に適合しない所謂「未対策車」が販売できなくなる、しかも当時世界一厳しいと言われた50年規制はトヨタや日産などはまだ充分にそのシステムが完成していないというモデルが多ければ多い分規制クリアには難題が大きく巨大メーカーは危機的状況という最中、三菱の場合はこの規制内容が明らかになった昭和48年頃からこれの研究を重ねクリアには自信満々でしたので大メーカーがクリアに青色吐息でとてもNEWモデルの発売なんて余裕がない時期にデビューしています。

しかしこのギャランGT、蓋を開けてみれば「もう一つのスペシャリティ」が笑ってしまう内容で単に従来型2代目ギャラン(通称ニューギャラン)のマスクを輸出用のプリマスの顔を付けバンパーにオーバーライダーとボディにGTO並みの派手なストライプを巻くというマヤカシモデル、ギャランGTOとギャランGT、Oが付くと付かないでは大差違いも著しい、当時これはスポ車ファン、ギャランファンを冒涜するモデルだ!と私もまだ小僧ながら怒り心頭になった記憶がございます(笑)

↓“O”の文字が付くと付かないじゃ大違い!!(画像はOの字が付くギャランGTO50年型)


GTO好きでしたからね、当時ウチでも73年のGTO200GSを乗っていましたし。

ギャランGT発表前に父と訪れていた三菱ディーラーの懇意の営業から「今度GTOの弟分出ますよ!」的な情報を得ておりオヤジと楽しみにしていた結果がこれかい!!とうなだれた記憶もございますw

何せベースのニューギャランというクルマは当時大、大、大不人気車、その不人気ぶりはトヨタの2代目マークⅡ(X10/20)や日産ブルーバードU(610型)と並び毎回カー雑誌では人気ない、下取りは期待できないと書かれる始末、それでもマークⅡやブルUは街でもかなり見かけましたがニューギャランは見ませんでしたしマジカッコ悪かった、今見ればそうでもないんですが人気の高かった初代A50系ギャランを2Lクラスに格上げと同時にボディを大型化、デザインも豪華さを表すよう曲線美という贅肉をタップリ備えたスタイルは73年のFMC後から酷評されていましたしね、何故に今更2年も経ってニューギャランそのものを「もう一つのスペシャリティ」とか言っちゃう訳?と嘆き哀しんだモノです(-_-;)

まっ、このGT追加には事情もあり71年デビューのFTOが極端に売り上げ減に75年当時なっていた点が大きい、73年のOILショック以降、三菱に限らずスポーティモデルには苦境の時期、それでもGTOは当時ショーファーを除けば三菱の最上級でしたしイメージリーダー的立場でもあったので苦境の中でも商品寿命を維持する目に見える、見えない改良も施していましたがFTOはこれに較べマイナーでメーカー自身売る気あるの?みたいな扱い、昭和50年時点ではほぼ放置状態となりギャランGTはFTOの代替え車種の立ち位置にした目論見だった訳ですね。

FTOの後続は75/2にデビューしているランサーセレステが立派に勤めていたのですがGTO/FTOの2大スペシャリティが売りであったギャランシリーズ、この体制の存続を掛けたものながら結果的にギャランGT、何がしたかったの?的変態車に間違いない(笑)

さて、そんな経緯から登場したギャランGT、その内容をご紹介!

GT専用のカタログまでこさえる気合の入れ方、そこには当時提携していたBIG3の一つである米クライスラー社と共通する“国際感覚に溢れる”なんて宣伝文句が書かれています。

↓ギャランGT専用カタログの表紙と背表紙


しかしこれはあくまで個人的感想ですが当時のこのクラス(1600〜2000)は4灯式ヘッドライトが普通、2灯式なんて軽や大衆車のクオリティであり当時一般には最上級である2Lを有するモデルに下級ランサーみたいな2灯式なんて有り得ない、車格ってもんが分かってない!と感じましたし市場の反応も同様、オリジナルのニューギャランより安っぽく見えるだけですし元々酷評のスタイルです、いくらストライプ巻こうが内装にデニム生地あしらう(一部限定モデル=スプリングシリーズ200台限定)ともちっともスポーティじゃない(-"-)

↓ベースとなったニューギャラン、4灯式ライトで取りあえず車格は維持してました。


カタログではそのスポーティアピールの強調がマンガに見える程痛い、値段的にも普通のギャラン(の同グレード)より安いならともかく高い設定ですから誰が買うの?って感じで結果はGure少年の思った通りでした。

↓カタログを開けばこれでもか!のスポーティアピールもお笑いでしかなかったw


このギャランGTというモデルはこれが正式名称、そこにSL-5とDXというバリェーションがあるという誠に解りにくい設定です。

ギャランGTバリェーション

・ギャランGT HT1600SL-5
・ギャランGTセダン1600SL-5
・ギャランGTセダン1600DX

ね、解りにくいでしょ(笑)

大体GTなのにDXというグレードがあるのが不思議、素のギャランのDXに装備は準じますが顔付がプリマスってだけの廉価版ですからねー、SL-5にしても同様ですがまだこのモデルで訴求したかった意図に合っているしいや、ホント、ギャランGT DX、謎のクルマで買った人いたんだろうか…

因みに本流ギャランのバリェーションは

(1600)
DX/カスタム/GL/SL/GS
(1850)
GL/SL-5
(2000)
GL-Ⅱ/GS-Ⅱ
※73/6〜74/11までの未対策モデル

この事から解るようにGTで唯一オリジナルと異なるのは同じ1600SLにGTのみに5速MTが与えられた位ですかね、GTの特権は(笑)

ギャランGTの諸元を記載しておきますと

(サイズ)
全長4325全幅1615全高1395ホイールベース2420(以上mm)
(車重)
965kg =セダンSL-5
(エンジン)
75/6〜75/10:サターン4G32型 水冷 直4OHCシングルキャブ 100ps
75/10〜76/12:サターン4G32型 水冷 直4OHCシングルキャブ 92ps MCA51年規制適合
(駆動)
FR
(ミッション)
4速MT(DX):5速MT(SL)
(脚回り)
Fr:ストラット/Rr:リーフリジット
(ボディ)
セダン/HT

そもそもOILショックや排ガス規制による影響からスポーティモデルが否定されていた時期でのギャランGTの投入に疑問、まぁ、名前と意匠のみのスポーティであり中身はギャランそのものですので目くじら立てるモノでもないんですがよりスポーティなFTOと入れ替える程のモデルでもなし、上には立派にGTOが控える訳ですし当時「時代遅れ」と揶揄されたスポ車ファンにはGTOで充分対応できた訳ですしね、まぁGTOと較べると旧FTO同様最上級のGTO2000GSRとは30万円程の開きもありましたのでリーズナブルなスポーティ雰囲気を求める層へのアピールと無理矢理考えるしかないんですが。

↓ギャランGTのインパネ、ギャランGS-ⅡやGTOと同様の3本スポーク革巻きステアや油圧、電流計がスポーティさを演出


↓インテリア、この時代特有のビニールレザーは廉価版と同一でスポーティさはなし


ギャランGTのドライブ経験は残念ながらありませんがニューギャランはデイーラー勤務時代に時々下取りで入ってきていたので何度が転がしました。

未対策時代のサターンエンジン(4G32)は名機と言われた三菱の名作エンジン、初代ギャランやA73型ランサーの海外ラリーでの活躍からしてその名声は高い。

非常に鋭い吹け上がりはシングルキャブであってもストレスを感じさない仕上がりでした。
ややガサツで荒々しいのもありトヨタや日産のテンロクエンジン(2T/L16)には静粛性では劣りファミリーカー目線で見るとこの部分はライバルには敵わなかったながらパンチとパワフルさは明らかに上回りこれにツインキャブ装着ですとDOHCのトヨタ2T-Gと互角に勝負できる、そんなエンジンでした!

その荒々しい排気音=ギアチェンジの際に聞こえる吹き抜ける音が独特でこれがファンの間では“ギャラン・ノート”と言われ有難たがれたものです、これが聴こえるよう意識したアクセルワーク、私もやっていましたね、ついでに述べればこの時代の菱車のシフトフィーリングとハンドリングは当時の水準を超えるシャープさが三菱ファンには定評、ギャランGTでもこれは味わえました。

ただ、残念なのはGTにはツインキャブは未対策時代も載せられていなかったのでこの点もGTを謳うのは看板に偽りアリ!って気がしましたね、先代ギャラン、ランサーやFTO、セレステではGS/GSRとして搭載された名機も不要な?車格UPの弊害でニューギャランそのものに4G32ツインキャブはラインナップされていませんでした。

↓名機の評価高い4G32型エンジン(画像はMCA51年対策エンジン)


75/10月以降は4G32型はMCAシステムによる排ガス対策エンジンの搭載となり出力で8psダウンを余儀なくされます。

三菱の場合、50年規制を飛び越えた51年規制に対応、サーマルリアクター方式による排ガス後処理方式を採用しました。
トヨタの一部タやホンダ、マツダが希薄燃焼、トヨタの多数と日産が触媒方式を採用する中、三菱は独自でした。

この排ガス適合による補器類にパワーを喰われ8psダウンとなった訳ですが当然規制モデルのドライバビリティの低下は顕著、解り易く言えば排気量が200cc位下がったような印象でしたがそれでもライバルテンロクであるトヨタの2T-U/12T-Uや日産のL16 NAPSは燦々たる内容で排気量500ccは下がったんじゃね?的な非力感でしたのでそれらに較べれば我慢できる範疇でした。

そしてギャランGT、上述の51年規制適合時の車種編成整理であの解りにくいバリェーションを廃止し旧SL-5に統一、『ギャランGT』モノグレード化されています。

↓MCA51年規制適合後のギャランGT(セダン)


ギャランGT、本筋ニューギャランに輪をかけた不人気、販売不振はどうにもならずニューギャラン自体が既にモデル末期、車種編成以後は放置され76/5、ニューギャランのFMCで新生ギャランΣがデビュー、この時ニューギャランセダン(GT含む)はΣに移行生廃、HTは同年12月のギャランΛデビューまで持ち越されるもこれにて廃止、Σ/ΛにはギャランGT的モデルは用意されず僅か1年少々で幕を閉じる事となりました…。

ベースでの定例変態ミーティング、ここまで“変態車”として取り上げてきたスカイラインHBやオースターなんていつも話題に上りますがさすがこのモデルは出た試しがない程の変態の中の変態車だと確信します、このクルマを知っているヒトと世を徹して語りたい(徹夜する程内容ないですがwww)そんなギャランGTのご紹介でした(^^)v


“変態と呼ばないで”納得のマイナー・モデルを振り返る・⇒『A112A型ギャランGT』……終
ブログ一覧 | 変態車 | クルマ
Posted at 2017/12/10 16:10:45

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