思った以上にソフトで滑らかなのは、アダプティブダンパー付きエアサスペンションを備える740iの足まわりも同様だ。ビシリと路面の不整を踏み
つぶしていくのではなく、ヒラリスルリと受け流していくような滑らかさ。リアシートに身を沈めて、巨人倍増スマホのようなタブレットでオーディオを操作すれば、ま
るでサラサラ柔らかく肌当たりのいい温泉に浸(つ)かっているような心地よさだ。ひとつだけ気になったのは、路面によって低速域ではブルルン、という振動
がまれに感じられたこと。やはり、より高速のほうが真価を発揮できるのかもしれない。
来年にはプラグインハイブリッドの「740e」も導入される予定だが、まず発売されたのは326ps(240kW)/5500rpmと
45.9kgm(450Nm)/1380-5000rpmを発生する新仕様の3リッター直6ターボを積む740iとロングホイールベースの
「740Li」、それぞれに「Mスポーツ」グレードが用意される。4.4リッターV8ツインターボ(450ps、66.3kgm)搭載の「750i」シ
リーズは年が明けた1月からデリバリーが始まる予定である。
シアリス直6ターボに洗練された8段ATを組み合わせた740iは、スルスル滑るように走る。トップ8速での100km/hクルーズは1400rpmに相
当するが、すでにピークトルク発生ゾーンに入っているから、そこからのレスポンスは打てば響くようで、およそ1.9トンの車重を感じさせない。エアサスペ
ンションには「エグゼクティブ・ドライブ・プロ」なる機能が標準装備されており、ステレオカメラが路面の不整やコーナーなどを検知し、ダンパーやスタビラ
イザーをコントロールする。おかげでそのサイズを考えれば、驚くほど敏捷(びんしょう)なセダンである。当たりの柔らかさと身のこなしの機敏さを両立させ
ている新型7シリーズは、確かに自動車技術の先頭を駆けぬけていることをヒシヒシと感じさせられたのである。
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