昨日は嫁さんが、千葉から富士の麓へ
遊びに来ていたので、
二人で足慣らしのつもりで、近くの愛鷹山に登ってきました。
愛鷹山(アシタカヤマ)は、近くですが、
嫁さんも私も初めて登ります。
写真は、愛鷹山のコース図です。
私は同じ道を行って帰ってくるのは、面白くないので、
私が選んだコースは、ぐるりと一周コース。
愛鷹山神社~富士見峠~黒岳(1087m)~戻って富士見峠
~富士見台~越前岳(1504m)~呼子岳(1313m)
~割石峠~大杉~愛鷹山神社のコースです。
このコースは、ハイキングコースとしては紹介されていませんでした。
それでも地図上では回れるコースです。
愛鷹山神社(9:30)出発して、
富士見峠に10:10着。
そのまま黒岳に向かい、着いたのが10:50でした。
ここで栗拾いしながら朝食。
天気がよく富士山が綺麗に見えていました。
ここで見る富士山は、宝永火口が真ん中に見えます。
一休憩してから、越前岳へ向かいました。
ここは、結構急です。
この道をもう一度、戻るコースで、
帰りたくないwという思いで登りました。
越前岳着が13:50
お弁当を食べて出発したのが、14:10
ここでは、多くの人が、反対の十里木から登ってきていました。
その人たちは、登ってきた道を帰るので、
私たちが行こうとしている呼子岳には、誰も行きません。
それでも事前に調べた時間だと、3時間位で出発地に戻れる予定でした。
しかし、写真の図の表記にもあるように、
ヤセ尾根のアップダウン。
人が一人歩くのがやっとという尾根で、滑りやすく
私は1度、嫁さんは2度足とられて転倒しました。
ここから割石峠までは、ずっと左も右も切り立っていて、
足を滑らせたら、落ちるだけみたいなところでした。
嫁さんにここで、
「誰かを突き落としたら、身元行方不明の変死体になる~な」と。
「誰かを始末したいならもってこいの場所だ」と。
旦那とうまく行っていない人は、どうぞここを使うと(爆)
このあたりからもう太ももが、
ペキペキ状態。
すでに限界を超えて悲鳴あげてます。
下りなので余計に足に負担がきます。
天候はだんだん曇ってきました。
それでもこの尾根を下ったら
後は楽に違いないと、嫁さんに伝えて、
たどり着いたのが割石峠。
そこを16:00に出発。
嫁さん、「ぐずぐずしていると日が落ちるから急ごう」と
しかし、最大の難所はここからでした。
そうここから、神社に戻る1/3分の道は、
道ではありません。
そう「源頭部」
私のは、この言葉の意味は知りませんでした。
今ブログを、書きながらその意味を調べました。
源頭岩とは…。ガレ石の高低差のある川原です。
山間の大きな沢には、大きなガレ石があり、そこを下ってくるコースでした。
道なんてありません。
この岩を下ってくるのには、悲鳴上げていた足はピークを超えて
「歩くな!」といってきます。
しかし、このガレ場は、下っても下っても続きます。
それでも嫁さん、「泣き言」言わずについてきます。
なぜなら、夕暮れが近いからです。
少なくとも17:00に、出発地点に着かなければ、真っ暗な中を歩くことに…。
その思いが、足の痛みをこらえさせ前に進ませます。
しかし、このガレ場は、目印は標識が確認しにくく、何度がルートからそれました。
笹の中、道でない道を歩ったり、標識の無い川原をずっと下ったり。
なので、途中の大杉というところは、私たちは通っていないのです。
とうとう17:15時を回ったとき、もう闇。
その時は、川沿いを歩いていました。
川沿いは、森とは違って、まだ明るかったからです。
懐中電灯は、自分の鍵につけている小さいソーラータイプが1つだけ。
どこまでそのライトが持つかもわかりません。
緊張感はピーク。
携帯のGPSで居場所を確認するも後、3/5の距離があります。
川原沿いを進みながら、何とか標識を探しながら、進みました。
それでも、嫁さんと進む道の意見が、分かれることが、2度、3度とありました。
どちらとも取れる目印や標識のせいです。
途中まで行って引き返して、嫁さんの意見に従ったところもあり、
また嫁さんの意見でなく、私の意見で進んだ所もありました。
まさに手さぐりの下山。
しかし、森の中に入ると目印も標識ももう見えません。
懐中電灯は、最後に残しておきたかったので、
二人で真っ暗な中進むしかありません。
不思議と目がなれると、真っ暗な森の中でも
地面の凹凸がなんとなくわかります。
嫁さんも途中で、そう思ったそうです…。
「ここで救助を求めても、助けてもらえるのだろうか?」と。
「だいたい人が、来てくれるだろうか?」
お互いに答えは、あきらかに「NOだろう」と。
最終的に、道に迷い疲労困憊して動けなくなったとしたら、
一晩この山の中で二人は過ごせるだろうか?
その問いも「お互いにNO!」
「絶対に無理だ!」と。
また自分たちはタバコ吸わないから火はないし…。
こんな山中で過ごせる場所も度胸もありませんw
それじゃ答えは1つ
「どんな状態でも歩くしかない」
やっと下がコンクリートの林道にでました。
ストックのコンクリートを突く音が、里に近づいた安心感をもたらしてくれました。
どんなことを、二人で話しながら歩いて来たのかは…。
今日、思い出そうとしてもよく覚えていないんです。
きっと意識が恐怖と戦っていて、
それを紛らわす目的だけの会話だったからでしょう。
その林道も道が、途中からの支流で寸断されていたり…。
とても車が入れる道でないので
ゴールは、まだまだのようでした。
携帯は予備のバッテリーがあるので、使うことに。
携帯のGPSを入れて目的地(愛鷹神社)をセットして、
自分より目の悪い嫁さんの足元を、
携帯の明かりで照らしながら、
お互いに、励ましながら歩いてきました。
最後に長かった森の中から
一旦大きな川原に出ると、
頭上には、綺麗な月が出ていました。
嫁さん「今日はこんなにも月が綺麗だったんだ」と。
GPSで見ると、この川原を渡るともう少しと
伝えたからホッとして、そんな言葉がでたんでしょう。
川原を渡ると、そこからまた森の中へ
道幅の上しか空が見えない森の中に、
今度は月の光が差し込んでいます。
その光が、自分たちを守ってくれている気がしました。
「もう少し」とはお互いに言うものの、
なかなかゴールが見えない中。
森の向こうに開けた感じの空間がなんとなく見えました。
そこは朝止めた駐車場の空間が、月の光に照らされて、
ボーっとながらも、遠くから明るく見えたのです。
すでに車は、うちの嫁さんのカペラワゴンだけ。
車を開け、そのルームライトの光が点いたとき、
お互いの緊張が解けて、「ホッ」としました。
時間を見ると、丁度18:00でした。
割石峠から2時間。
ペースとしては、かなりのハイペース。
しかし、自分たちが感じだ時間は、その倍以上!
二人とも後ろ髪がビッショリ。
変な汗かいてましたw
これは、きっと「冷や汗だ!」と笑い合い車へ。
偉いと思ったのは、嫁さん
愚痴も泣き言も言わずに、付いてきてくれたことです。
きっと心細かったはずです。
足の疲れももう限界だったはずです。
昔だったら、パニクって自分に、八つ当たりしたはずです。
でもそれがなかったから、無事下山できたと思えました(^^)
車に乗って嫁さんにまず
「偉かったね!ありがたかったよ!」
「途中で、あれこれ言われたら、こっちが折れてたと…」私
<これからも色々なことがあるだろうけど、うちの嫁さんは、
きっとこうしてついてきてくれるだろう>というものを感じた青い月です(照)
「嫁さんも随分変わった」と!
もう二人とも愛鷹山は、こりごりですw
帰りに裾野で、塩風呂に漬かって
体の疲れと、心のこわばりを落としてから帰ってきました。
塩風呂の駐車場で車に乗り込むと
嫁さんいわく
「あの神社の駐車場を出てからまだ1時間だよ」と。
『あの山の中は、非現実の時間だったものが、
「今のここで大勢の人たちと塩風呂に入って出た」という
現実の時間が、ほんの数時間で交差している』
と感じたからでしょう。
人間の幸不幸も本当は、こんな所にあるのかも…。
単身先のアパートで、
「帰ってこれてよかった」と、二人でビール飲んでぐっすりと寝ました。
今日は、二人とも超筋肉痛(爆)
階段の上り下りは、笑いがでました。
でも私は、お陰で2キロ痩せ!
嫁さんは、今日昼に千葉の自宅に帰りましたが、
私は今も仕事中。
怖かった思いをブログにしました。
長い文章を最後まで、読んでいただき、ありがとうございます(^^)