また一週間ぶりの更新です。殆ど週間日記状態!
先週末は少しばかり信州は
野沢温泉方面に出向いてましたが、またその話題はいずれという事で…
ちょっと溜め込んだネタを少しづつ書き上げていこうと思います、まずはこのクルマの試乗から。
もうかなり以前のことですが、日産が6年振りにモデルチェンジしたフェアレディZ!のステアリングに触れてきました。
コードネームZ34のこのモデル、ぱっと見では先代とどう変わったのか分かりにくいくらいキープコンセプト(実は当方もあまり違わないように見えました)。
特徴はディメンションの変更で、全幅は1845mmと広がったものの、ホイルベースは先代より反対に短縮され2550mm。より一層ワイド&ショートボディ化されたようです。
試乗車はレイズ製アルミ鍛造19インチホイルを履き、ナビ等も装備した最上車種たる”ヴァージョンST”。
これの6MT仕様がたまたまご近所に用意されていたので伺った次第です。
これがドアを開けた室内。
三連メータなどそれらしいつくりではありますが、何か黒一色でダークな印象は否めません(シート生地は4色から選べるようです)。
とりあえず最近のクルマらしく受け取ったキーをカップホルダーに放り込み、そのままスタートボタンでエンジン始動。アイドリングはやはり今日のクルマらしく始動直後こそやや重いサウンドを轟かすものの、数秒もすれば落ちついた音に。
レッドゾーンは7500から、水温や燃料計、平均燃費等はデジタル表示。
走り始めて最初に感じたのは、これは今日のクルマとしては珍しくクラッチが重いこと。山やサーキットだけならこの方が好ましいかも知れませんが、普段から通勤で使うとなれば若干疲れるかも?またこういうスタイルですから仕方ないですが、左リア視界はそれなり。それ以外の視認性は特に問題はないようです。
タイヤはF245/40、R275/35といういかにもなポテンザを履きますが、乗り心地は外見で想像するほど硬くはありません。少なくともシビックタイプRよりは日常的です。
ただロードノイズはタイヤの性格からそれなりにありますが。
試乗コースは市街の4車線区間。水温がある程度上がったところを見て2速~3速でフルスロットル!(当方、渋滞でない限り試乗は必ず1、2回はフルスロットルくれてやることにしています…これっておかしいですか?)するとZは1500kgと決して軽いとはいえない車体をスムースにここで書きにくい速度まで走らせます。
レスポンスも良好なほうで、ボトムエンドから、あるいは平坦巡航からであってもむずからず加速する性能はやはり大排気量のNAならでは。 可変バルタイもあることから燃費もそうそう悪いことは無いでしょう。
ただし…ですが、エンジンの音、回転フィーリングはどうも印象に刺さるところがありません。
2速全開で6000まで引っ張ってみても、勿論問題なく走るのですが、どこか機械的なシャープ感に欠け、ちょっと苦しげな印象を持ってしまうのです。
ここらあたりは、性能の絶対値では遥かに遅れをとるはずの前述したタイプR系のVTEC、あるいはBMWのZ4あたりのほうが回す価値あると感じてしまいました。
さて往路ではこのクルマの目玉?である「シンクロレブコントロール」をONに。
簡単に言ってしまえば2ペダル車のシフトチェンジの際のブリッピングを普通のMTにつけたという話なのですが、これは流石の完成度。
右足をアクセルペダルに乗せずとも、シフトを任意に入れるだけで即座!の一発で回転を合わせます。これはDSGやPDKとほぼ同じといったところ。
4車線ゆえ、前後確認のあとレーンチェンジも左右で試したのですが、これはZのスポーツカーとしての最大の実点か。
上記、ワイド&ショートホイルベース化したお陰でか切り始めが素早いだけでなく車体が遅れることなく向きを変えますし、断続的な方向転換でもその収斂は非常に早く穏やか。
またトラクションに破綻をきたすようなことは当方レベルの試乗では無理で、若干荒れ気味で湿っていたにも関わらずスキル音を出すそぶりも見せません。
日産のセールさんが「僕もR32のGTR乗ってましたが、雨の日だったら簡単にここで後ろ向きました…トラクション性能はあの時代と全く比べるべくもありません」と話してくれましたが、これは全くその通り、あのCMで”日産のトップガン”加藤博義さんが定常円旋回をしてましたが、プロドライバーでそれなりの場所だから可能であって、街中では相当クイックでありながら安定ということを見事に実現しています。
簡単ながら独断によったまとめ↓
○(良かった点)…
縦横の比がスポーティカーとして理想なこと。
それによる回頭性、ハンドリング。
FRで大トルクながら圧倒的なトラクション。直進安定性高し。
シンクロレブコントロールの出来。
意外といい乗り心地。
速く、かつ日常使用回転域で使いやすいエンジン特性。
▽(気になった点)…
クラッチ始め操作系が少し重いこと。
インテリアのセンスやスイッチの配置が少々?
非日常的な高回転域でそれらしく歌い上げないエンジン…
これを考えている時期、日産の9年振りの赤字が報道されました。トヨタでさえ赤字転落、ホンダもF1撤退&S2000生産中止、スバルもスズキもWRC…とモータースポーツとクルマを取り巻く環境は悪化しています。
そんな中発進する新Zの先行きは全く不透明、厳しいと言わざるをえません…よもや出したばかりのGT-RやZをすぐラインから外す、などということもないかと思いますが、少なくともメーカーを満足させるような売れ行きは相当難しいと思います。
しかし、日本のスポーティなクルマ全滅に近い今だからこそ、何とか踏ん張って日産の、いや日本のイメージリーダーであって欲しいと思います。
当方には無理かもしれませんが、ここご覧の方でGT-RあるいはZの購入を検討される方、多いに支持したいところです。
Posted at 2009/02/11 23:28:26 | |
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