梅雨が明けたと思ったら、尋常ではない熱波が列島を襲っていますね。
皆さんも熱中症などは大丈夫でしょうか。
レーサーの度重なるイベント催促猛プッシュに圧されていた僕は、
この辺で一発!キツイ登山でおとなしくさせとこうと思い、八ヶ岳を計画していたんだけど、ワンゲル部レギュラーメンバーが軒並み来られずで、レーサーとタンデムで行くことになりました。
来られなかった連中には悪いけど、来月あたりでも行く予定なので、そこでみんなで登れればいいかな。
自分も随分行ってないので、身体もなまっちゃってる感じ。
リハビリがてら、ガチなの逝っとこうという訳です。
梅雨明け初日であった事もあって、山側はまだちょっと不安定が残る。
出がけには曇り(場所によって小雨)、
昼前には晴れ間が見えるが、また午後はちょっと怪しくなる予報だった。
行きの高速ではちょっと降られたが、登山口では曇ってるものの降りそうな雰囲気はない。
これは登ってる最中に晴れてくるパターンかな。
という訳で決行です。
それはいいけど、初っ端から行程に誤算が・・・
予定の登山口(美濃戸山荘)までは、車道があるという話だったのだが、ノーマル車高の乗用車がやっと通れるという起伏の大きい未舗装路。
僕のイプ太郎では、しこたま下回りを打ちまくって残念な事になる悪寒。。。
大事をとって、舗装路が来ている一段下の駐車場(美濃戸口)から歩くことに。
往復で2時間にもなるロスタイムが確定した。
しっとりとした空気の八ヶ岳山麓。
とても涼しい。
登り始めで標高1500メートルはあるので、下界とは10度程の温度差があるだろう。
この日、麓の甲府などは35度に迫る勢いだった。
割とメタボは抑え込めているというレーサーだったが、
それでも70キロ近くある体重に、足の筋力が悲鳴を上げているようだった。
キツそうだな・・・。
僕はというと、
肩の怪我の入院のあと、夏風邪をこじらせて肺炎寸前にまで衰弱し、痩せていた。
61~62キロあたりで基本的に動かない筈の体重が、56キロにまで減退。
登りがスイスイ行ける。
「やっぱ登りは軽量マシンですね・・・。」
レーサーが後ろで呟いていた。
高原の植物特有の、フラボノイド系のフィトンチッドに満ちている。
こういった森の香りは雰囲気だけではなくて、実際に殺菌作用などがあるらしい。
癒されるというのは、もっと物理的な部分なのかもしれない。
八ヶ岳の三男坊「阿弥陀岳」を横目に、主峰連なる稜線へのバッファエリアである行者小屋に至る。
これまでも結構キツかったが、ここが入口なのだ。
「なぁレーサー、これがヤビツ峠だったら、ここはさしずめ蓑毛ってトコロかね。」
「ホント、勘弁してもらいたいですよ・・・。」
しかし、それはあながち嘘でもなかった・・・。
長く険しい地獄の急登攀が待っていたのである。
地形図上で、ここまで等高線の幅が狭い登山道を、これだけ長い距離でクリアした事があっただろうか。。。
富士山だってもうちょっとジグザグ登っていくもんだけど・・・
鎖にしがみつかないと登っていけない岩場の急傾斜を、ほぼ直登である。
お地蔵さんも、傍らで見守ってくれている地蔵尾根。
ここを登り切れば、赤岳から横岳への稜線上に出る。
稜線上へ出た。
「地蔵の頭」である。
バックに見えるのは次峰「横岳」今回の目的峰である。
そのまま北上して、硫黄岳を辿り、来た道とは別の沢から美濃戸口へ戻る工程だ。
主峰「赤岳」を踏んでいきたい衝動に駆られるが、逆方向。
帰還が難しくなるので、今回はここから見るだけ。
やっぱフラッグシップは風格が違うなぁ・・・。
また、隊を組み直して挑む所存である。
地蔵尾根を下っていく人々。
ここは下りの方が厳しいだろうな・・・
しがみつきながら下りるのは、足場が見づらいからね。
格好をつけているけれど、まだ半分も来ていないのである。
本来は目指すピークで食事をしたいものだが、既に午後を回っている。
晴れているのも今だけかも知れないので、食事を摂ってしまおう。
いつも色々下調べをして、これが美味いあれが美味いと凝った料理を作るレーサーだが、
面倒くさがりな僕は、いつも塩ラーメン、もしくはチキンラーメンにチーズを入れて、おにぎりで食べるだけである。
こんなんでも、山で食べると最高なのだ。
さてさて、天気も怪しくなってきたところで横岳を目指す。
ここも殆どが鎖場で、巨岩奇岩の間をよじ登っていく。
八ヶ岳きっての難所であろう。
深い雲の中に突入しましたが、
そこは、絵に書いたような高山植物の花畑になっていました。
遂に横岳登頂。
横岳は、赤岳から硫黄岳へ向かう縦走ルートにある岩場の総称で、
横岳という峰自体は存在しない。
奥の院と呼ばれるピークが横岳とされている。
標高は2829メートル。
八ヶ岳の二番峰である。
あいにくの景色が残念ではあるが、崩れる覚悟はしていたので、
嵐に見舞われなかっただけラッキーと思っている。
余りゆっくりしている時間は無さそうなので、程なくして出発。
高山植物の女王、コマクサが見頃を迎えていた。
盗掘や登山者の足に荒らされないようになのか、高圧電流のネットが張られていました。
やがて、切り立った岩場は形を潜め、平たい石が敷き詰められたなだらかな登りに差し掛かる。
霧の中に大きなケルン(石積みの塔)が等間隔に出現し、
硫黄岳への登山道を示唆してくれていた。
濃い霧の中での硫黄岳登頂である。
レインウェアを出すか出さないか、迷う程度の小雨が降っている。
大丈夫かな・・・そのまま行こう。
ここからは直滑降というくらいに、一気に麓まで下るだけ。
雨などすぐに止んでしまう筈である。
厳しかった・・・軽く膝をやったかも知れない。
上りは消費でしかないけれど、下りは消耗という感じがする。
ペース配分を間違えると、確実に足を痛めてしまう。
日帰りで時間がなかったことと、テント泊の縦走ではないので明日のことを計算に入れない全力下り。
ホントにくたびれたな・・・。
テン泊や山小屋泊だったら、明日活動出来ないやりかただったな。。。
自分の限界を探るにはいい山行だった。
美濃戸口へ帰還する頃にはすっかり暗くなり、ヘッドランプを点灯させながら下りてきました。
自販機の前で一服と、計画の確認。
レーサーはなにやらスマホのアプリで、いろいろと計測していたようで・・・
驚愕の事実が発覚。
地図上の平面距離で21キロメートル以上も歩いてしまっていました。
しかも、ギザギザした尾根を登ったり下りたりの繰り返しで、累積の上り標高が、3300メートル以上!
富士山の一合目から頂上目指すより登っていましたね・・・。
足が棒になる訳だ・・・。
一息ついてホッとしたら、寒くもないのに身体がガタガタ震えて焦った・・・
緊張が解れたら、ショック症状のようになってしまったみたいだ。
それだけ過酷だったんだろうな。
厳しかったけど、高い充実感のあるいい登山だった。
今度は晴れた日に、硫黄岳から赤岳まで縦走ってのをやってみたいね。
赤岳あたりで一泊して二日に分けようw
次はみんなも来いよ!