ウォークマンをホームオーディオにつないでみた

デジタルファイル再生がホームオーディオでできないかな。
そんなことを考えて、やっと重い腰を動かしてみた次第。

私が愛用してる型落ちになったソニーのウォークマンNW-ZX2を使う。というか、媒体はそれしかない。

Bluetooth接続ができないので、使うにはUSB接続ができなければいけない。マランツのBlu-rayプレイヤーUD7007の正面にUSB端子があり、そこで接続ができる。これはずっと前から目星を付けていたんだけど、多分面倒だろうなあ、とデジタルファイル再生の利点をスポイルした予感があったためにやってなかったのだ。マランツはアキュフェーズのクリーン電源につないである状態。ケーブルは付属の物を使用。

やってみての感想を最初に書くと、予感は当たった。

第一に操作性の問題。
USB接続すると、ウォークマンはタッチパネル操作を受け付けなくなる。アホか。

第二も操作性の問題。
ウォークマンで操作できない以上、TVを使って（使用したマランツのプレイヤーの仕様も絡んでいるが何も見ないで操作するのは不可能、無理）プレイヤーのリモコンを使わなければいけない。
リモコンはダイレクト（？）に操作できるマウスと違って結構もどかしい。

第三にモニターが付いているといまいち集中できない問題。
第二の「TVを使って」というのは、音楽を聴くときに素っ気ない画面ではあるが、映像が目の前にあると悲しい哉、視覚が優先されてしまうのか、音像がはっきり見えない故に音質が悪く聴こえる（これはこれで興味をそそる面白い問題ではあるが、ピュアオーディオ民がスピーカーの間に何も置きたがらないのはこれが理由。疑うのなら映像系を再生するとき音声のみで聴いてみるといい。普段聴いていた音の情報量が増して聴こえるはずだ）。では再生時に消画でもすればいいのかというと……↓。

第四に再び操作性の問題。
デジタルファイル再生に付き物のフォルダー形式だから、区分けしていると選曲するときいちいちモニターを使用して選択しなければいけない。ここで第二と第三の問題が絡んでくる。消画していたら、いちいち画面を付ける手間もかかる。

第五に気分の問題。
これまたデジタルファイル再生に付き物の味気ない操作性（感触？）による物足りなさ。これはPCで再生するのにマウスでカチカチするのに慣れたため、時間の問題かもしれないが。ディスク操作とデジタルファイル操作の決定的な違いはこれじゃないか。では物足りるデジタルファイル再生の操作性とはいったい？

と、まあ、これらがすごく障壁になった。音質？ これらを乗り越えて初めて語れるところまで来るよ。

さて、普段聴いてる音量との擦り合わせもする必要があった。
聴感上、1dBも違うと音楽はかなり表情が違って聴こえるため―これは最初だけだろうが―ディスクプレイヤーとウォークマンとで同じ曲を使って、入力を何度も切り替えて音量の一致を図る必要があった。音量変化はオーディオ音楽における特質なので気を配ってあげたい。しかもマランツのプレイヤーはBlu-ray&DVD音声出力とCD&USB音声出力ではゲインが違うため少々面倒だ。因みにCD&USB音声出力の方がプリアンプ表示に則れば10dBほど大きいようだ。全然違う。

音像の大きさは変わらなかった。
プレイヤーによって音像の大きさが変わるというのはよくある話なので、たまたまかもしれない。

音質は以前書いたマランツのCD再生で感じた低域の骨格感の物足りなさがウォークマンだとだいぶ解消されていた。適度に締まった低音だ。この音は普段聴いているウォークマンの音質なので、ちゃんとハードが反映されているようだった。デジタルファイル再生でもハードの質は音に響くと言われているが、確かにそう思った。中高域はディスク再生に比べ、少々立体感が劣る。金色ウォークマンだとまた違うかもしれないけれど、買うことがあるとしたらリンのやつを奮発して買うと思う。しかしながら筐体のデザインも含まれているだろうが、マランツのプレイヤーを使用してるからその価格も入れるが、価格差10倍を考えれば、劣るとしてもこれはむしろ褒め称えるレベル。しかし、その「少々」にこだわってこそのオーディオ。では最初にこっちを聴いたら価格差10倍出すかって言えば……、負け惜しみは素直に認めるべきだろう(笑)

結果的にデジタルファイル再生でi Padを使う人たちの気持ちがよーく理解できた。上記の操作における大体の問題は解消できるからだ。でもそんなのわざわざ買う気にはならないのは少なくとも今回のウォークマンでは音質が上回らなかったから。上回らない以上、CDとSACDでいいやっていう……。まあ、ウォークマンではなく、もっと専用のデジタルファイルプレイヤーを使えってわけだが。

でもデジタルファイル再生に情熱を注ぐ人たちへの批難ではない。趣味性っていうのは実に楽しく多様で難しいところだ。だからこそ趣味というやつは無駄はあっても手抜きはしてはいけないもの。いつの日か、ディスク再生では限界になるような音も再生できる日がデジタルファイル再生には来るのだろうか。この先ずっとその可能性を探るべく、メーカーの人は今日も明日も頑張っていくのだろう。

付け加えておくとイコライザーは共通で使用。本来なら別々で設定を作るのが好ましいが実験だったのでそこまでやってられなかった。イコライザーオフのディスク再生と、イコライザーオンのデジタルファイル再生だと、後者の圧勝。……むむむ、これってイコライザーの独り勝ちなのでは……。


( ﾟдﾟ )手短に頼む

(´・ω・｀)んーとね、現状維持

( ﾟ∀ﾟ )興味から湧き出る可能性を探っただけ