ここから先の内容には私見が含まれています。
私見=私的見解=“僕の思い込み”っていうやつですwww
間違っているかもしれませんし,当たっているかもしれません。
その辺はご理解のうえ,各自でよくよく考えて結論を出してみてください。
ABS誤作動に関して
6.これからのブレーキチューニングのあるべき方向性
ブレーキチューニングに限らず,足回りのチューニングやセッティング,そしてエンジンも含めた車全体のチューニングやセッティングに大きく関わる問題と思います。
で,実はここで書きたい内容の1/3くらいは既に
この時に書いてしまいましたがw
まずは繰り返し記載します。
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そもそも,ABSは全く同じものを使用していたとしても,車種が違えばその効き方は違います。
例えば,Z33のABSを取り外してZ34につけたら間違いなく予想外の効き方をします。
それは,ABSは各車種に合わせて綿密にセッティングがされているからです。
そのセッティングは,市販車ベースです。
ここが一つのポイントです。
ノーマルの状態に合わせてセッティングが行われたABSは,足回りに様々なチューニングが施された状態の車両では思いがけない場面で思いがけない動作をしてしまいます。
だって,セッティングがあってないんだから。
これはESCにも当てはまります。
ただし,学習機能があれば話は変わってきます。
例えば,タイヤサイズを変更した場合,タイヤ外径がノーマルから大きく変わった場合,特に,前後の外径の比がノーマルと著しくずれた場合には車輪の回転速度の前後比が変わりますから,ある条件下ではABSは前輪,あるいは後輪がスリップしていると判断することもあるかもしれません。
また,LSDが組み込まれた場合,駆動輪の外輪と内輪の回転差がノーマルの状態とは変わってきますから,これもABSのセンサーには影響するでしょう。
ファイナルを変えた場合は,エンジン回転数とシフトポジションから予想される駆動輪の回転速度と,あらかじめセッティングされている速度との間に差が生じ,これは結果的に非駆動輪との間での回転数の差という形になり,これもABSの動作に何らかの影響を与えるでしょう。
前後のタイヤのグリップ力の差も影響する可能性はあります。
ブレーキパッドの種類,ブレーキローター径なども影響するでしょうが,タイヤサイズの変更ほどではないと思われます(これは車輪の回転速度の変化という形で検出できるため)が,これも前後で差がある場合やバランスが悪い場合には影響してくるでしょう。
実際にどのくらい影響してくるのか,誤作動の原因になるのかどうか,それは,メーカーがどのくらいのマージンを持ってABSのセッティングを行なっているのかによります。
ただ,前述したように学習機能が備わっていれば,しばらく直線を走行すれば前後輪の回転数の差がどのくらいあるかなんて簡単に学習できます。
ブレーキの効きだって,何回かいろんな状況でブレーキングをすればある程度学習できるでしょう。
僕が当初から「ABSには学習機能はないんですかね?」と気にしていたのはこのためです。
で,話を戻しますと,問題がどこにあるのか?と考えた時に,ABS自体のエラーではなく,ABSの仕様を逸脱した仕様にしたことに問題があるのではないかということになります。
全てはバランスの上に成り立っているのだということです。
バランスを崩すチューニングをしてしまえば,そのツケは必ずどこかに現れます。
そして,ABSのセッティングを変更できないのであれば,さらにはABSがカットできないのであれば,足回りのチューニングはABSに合わせてバランス取りしていくしかないということです。
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そしてここから話を発展させて・・・
ABSのコンピューターの書き換えができるとしたらどうでしょう?
実際にはできるんですけどね。
ただ,できる人が少ないのが現状あり,問題点です。
メーカーにもほとんどいないんですよね。
ショップレベルだとまず皆無でしょう。
そして,そのバランス取り,チェックは大変な労力,時間を費やします。
メーカーが車を作った時には,Boschのエンジニアが各メーカーにセッティングに来るんだっていうのを聞いたことがあります。
メーカーからの依頼で仕様決定し,製品を卸すだけでなく,各車両(ノーマル状態ですが)に合わせてセッティングをとるんだそうですね。
この時のセッティングはあくまでも市販の状態,ノーマルの状態,街乗りに合わせたセッティングで,所詮は180km/hまでの話です。
スポーツ走行には向いていません。
スポーツ走行をする場合にはスポーツ走行用にセッティングをとり直す必要があります。
これはABSに限ったことではなく,TCS/ESCについてもそうです。
現在のTCS/ESCはスポーツ走行向けではないので,みんなカットせざるを得ませんが,セッティングを変えれば可能になるはずです。
そしてそれは結果に直結してくると思います。
ただそこで問題になるのは,コースによって効いて欲しいポイントと聞いて欲しくないポイントがあり,コースごとにセッティングを変える必要が出てくるという点です。
シビアにセッティングをしていけばいくほど,路面状況や気温,タイヤの状態や車両の状態等々によって効きが変化します。
となると,一つのセッティングですべてをこなす,レースの最初から最後までこなすということはできません。
であれば,刻々と変化する状況に合わせて,セッティングを変更したり,プログラムを書き換えたりする必要が出てきます。
様々な情報をセンシングしなければなりません。
でもね,センサーが増えれば増えるど,プログラムが複雑になればなるほど,エラーは複雑になり,解析は難しくなり,調整は難しくなります。
さて,僕たちはどこに妥協点を見出していけばよいのでしょうか?
でも実際には,これからのブレーキチューニング,足回りのチューニングの方向性はそうなっていくべきなのだと思います。
ここには,ステアリング舵角も関与しますし,エンジン回転数の変化も関与しますので,決して足回りだけの話ではなく,車トータルを考えてのセッティングになってくるはずです。
「トータルチューン」 「バランスチューン」
そういった言葉を,もう一度心にとめて,自分の車を見直していく必要があると思います。
これは自分自身についての反省でもあります。
さて,そうやって考えていくと,あることに気付きました。
「NISSAN GTR」
社外品をつけた場合は保証が効かないというあの車です。
もうおわかりですね。
じつはGTRはそれだけセッティングを煮詰めて作り上げられているのです。
一つでもパーツが変われば,メーカーの用意したセッティングからずれてしまい,思わぬところで思わぬ動作をしてしまう可能性があります。
メーカーが用意したセッティングであれば,300km/hが保証された車両です。
見方を変えれば,300km/hを保証するためにメーカーがマージンを削って造り上げたセッティングなのです。
そこには,メーカーとしてのプライドがあるのです。
社外品を装着した場合は保証できません・・・っていうのは,当たり前の話です。
決してNISSANが横柄なのではありません。
むしろ,そこまでできる車を作り,提供してくれているのです。
しかもメーカー保証付きで。
これって実は,すごいことですよね。
ABS関連での一連の書き込みはこれで一区切りで,新しい情報がどこかから出てこない限りはしばらくは静観しつつ応援します。
ちょっとした書き換え等々はあるかもしれませんし,今現在もちょっとずつ過去の記事を書き換えていますwww
何か進展があれば以下の関連情報で,および当事者の方々から報告があると思います。
最後ですので,ABS誤作動に関して,今現状でできる対策は,
・ABSをカットする
・ABSの仕様を逸脱しないセッティングにする
・ABSが作動しないような走行,セッティングを心がける
・ABSがたびたび介入してくる場合にはすぐに走行を中止する
だと思います。
早期解決を願い,応援しています。