我が愛車ハイゼットの車内では以前からお気に入りのベイマ社のフルレンジユニットが鳴り響いています。
20cmの8AG/Nから25cmの10AG/Nへと進んできました。
(8AG/Nのほうがいい音に感じましたが…)
どうして20cmユニットの時のほうがいい音に感じたのか考えていました。
共通しているのは…
フロントバッフル(スピーカー取り付け面)がしっかり固定されていて、簡単に振動しないこと。
板厚がそれなりにあること。(振動で波打たないように)
振動板の反力(エッジのバネの固さ含む)をしっかり受け止められる剛性が確保されていること。
上記の条件が必須であり、これらが欠けると驚くほど普通の音?聞くに堪えない音になっていくことがわかりました。
8AG/N、10AG/Nとも業務用にも使えるとても丈夫なユニットですので、エッジがとてもしっかりしています。
エッジの反力が強く、振動板が発生した上下の振動が容易にバスケット(フレーム)を介してフロントバッフルを大きく揺らしてしまうのです。
10AG/Nはその傾向が強いようで、取り付けはじめは期待しましたが、どうも今ひとつに感じています。
さわってみるとフロントバッフルが低音にあわせて振動しているのが伝わってきます。
そうした教訓をふまえて、振動処理をしっかりさせるための高剛性ボックスの製作を思い立ちました。
コンセプトは、
1,木材(板)のみでは、いくら厚くても低音の大きなエネルギーを含んだ振動で微少に波打って振動を伝えてしまう。木材は曲がりやすい。それで、金属の強さと木材の内部損失を狙ったハイブリッド構成とする。
2,重量を増すことは固有振動の低下につながり、耳の感度が良いところの共振音を避けることができるので、できだけ重さを削らない方向で製作する。
3,スピーカーフレームの前後方向の揺動をしないようがっちりと押さえ込み、空振りをなくすようにすることによって、振動板が発生したエネルギーを最大限音として放射する。 → サービスエリア、遠距離への音波の伝達
4,ボックスの内容積は100L以上としたい。 → 内部の空気による抵抗を少なくしたい。
以上の事柄を念頭に置いて構想を固めました。
計画したのは、丈夫なスチールフレームを組み立て、溶接構造とし、できるだけ外面の厚板に振動の腹を作らないように三角形の補強を入れていくようにしたいと思います。
外板は、内部損失に優れ、密度が一般の木材よりも有利なMDFの024mmを用いる予定です。
私が入手できるのは24mmまでなので、最大の厚さです。
まずはスチール角パイピの入手です。
パイプは30角の厚み2.3mmとし、6mを6本発注しました。
ました。
内容積が120Lになるような寸法を決め、内部フレーム用にバンドソーで切断していきます。
パイプを溶接して箱形にしていきます。
一応国家資格もとった、毎度おなじみのTIG溶接で接合していきます。
(溶接機はTIG溶接機しか持っていないですから~)
今回はすべて仮止めで接合し、最後に90度の直角や平行を修正できるようにしました。
この仮止め方式は大成功でした。
かなりの精度で直角が出せました。
箱を箱として作るのって意外と大変なんですよね…。
溶接で高熱かけると延び縮みもするので、溶接構造で精度を出すのは大変なことです。
仮止めができたので、雰囲気を確認してみます。
なかなかいいですね。
雰囲気も確認できたし、ユニットフレーム穴も現物で合わせられたので、あとは直角を修正しつつ本溶接します。
がっしりしました~。
びくともしません。
12GA50をインシュロックで縛って確認してみました。
ここからさらにユニットフレームの前後方向の補強やサイドの振動対策用補強などをさらに入れ込んでいくつもりです。
この時点での重量をはかったところ、すでに15kgを突破していました。
ちょっとした市販のスピーカーシステムはこれくらいでしょうか。
補強をいれてMDFで外板がついていいたら確実に40kg~50kgくらいになってしまいそうです。
動かすのは大変な作業になってしまいますが、スタジオクラスの音が待っていると思うとがんばれるというものです。
まだ片方しか組めていないので、二個同時進行でがんばっていきたいと思います。
きっとシステムを組めるくらいの広さがあるバンやワゴンなどの車内でも応用ができるはずです。
振動環境の整備をすると、車内でも素晴らしい音が実現できます。
今後の作業の進捗におうじてさらに続いていきますので、今後も応援よろしくお願いいたします。
Posted at 2013/10/08 23:37:09 | |
トラックバック(0) |
音響 | クルマ