「レクサスってすごいクルマだね~」
叔父が興奮気味に言った。友だちが持っているレクサスのいちばん高いのに乗せてもらったらしい。
叔父はEクラスのけっこういいのに乗っている。
何度か乗せてもらったことがあるのだが、ハンドリングといい内装といい申し分なかった。乗り心地や静粛性だって、かなりいい。
少なくともガオガオ君とは雲泥の差である。
口の悪い人は、「Eクラス以上が真のメルセデス」と言うけど、たしかにそう言われてもしかたのない完成度の高さだ。
にもかかわらず、レクサスのどこが気に入ったのか訊ねたら驚いた。
「だって、すごく静かなんだもの。
走っているときにいちばん気になるのはエアコンの風の音なんだよ。あんな静かなクルマ、乗ったことがないよ」
つまり、静か=いいクルマってことである。たしかに、人によっては静かさが正義なのかも知れない。
でもさぁ、この叔父ってのが若い頃にはボクと同じようにテストドライバーをやっていて、BMW2002ターボに乗っていたような人だったから、変わりように驚いた。
※話がそれるが、この2002ターボっていうクルマが、ちょっと暑い日に乗るとオーバーヒートするし、雨の日に乗るとバッテリーがあがるというとんでもないシロモノだったそうで、このトラウマがあるため、叔父はいまだにBMWに乗りたがらない
人の嗜好というのは、次第に静かなものに移っていくというのだけれど、クルマにもそれが当てはまるとは思っても見なかった。
挙げ句の果てに、「次はレクサスにしようかなぁ」などと言いだした。
たしかにレクサスはいいクルマだけど、やっぱりベンツに乗っていてほしいので、
「でも……経年変化でどうなるかわからないっすよ」
と言ったら、「どうせ3年くらいしか乗らないから、大丈夫だよ」という答えが返ってきた。
近所に住んでらっしゃる社長さんといい、叔父といい、お金がある人のカーライフは羨ましいかぎりだ。
本当の正義は、静かさじゃなくてお金がたくさんあることかもね。
Posted at 2017/09/19 15:51:43 |
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