ふたつ目の条件は、気持ちのいい操縦性とシート。
気持ちいいというのは感覚的で数値化しにくいわけですが、ハンドリングで言えば不自然な動きでなく、かつ路面からの情報を的確に掴める安心感でもあります。
幼稚園〜小学校時代にデパートの屋上に10円でできるドライブゲーム(ミニドライブ)がありました。
繰り返されるくねくね道を脱輪しないようにハンドル操作するだけの単純なゲームでしたが、結構好きだった気がします。自分のセンスとテクニックだけでクルマを操作している充実感みたいなものを感じていたのかもしれません。
だからプジョー205の時にはMOMOの革巻きステアリングに交換し、砂利道や濡れたアスファルトなどでカウンターを当てながら曲がるなんてことも…。笑
同時にプジョーの柔らかいシートでは、お尻に伝わるロードインフォメーションの重要性にも気づきました。205の排気音は隣に並んだブルーバードのおじさまに「いい音だねー」と言われニンマリしたことも…。
絶対的なスピードよりも、ギアシフトでトルクの太いところを使いながら、そして窓も全開で音や振動を感じながら、クルマの挙動を把握し操作する楽しさ。
もちろんもっと複雑な技術要素の組み合わせで成立するのでしょうが、10円のドライブゲームでクルマに憧れていた私には、ハンドルとシートを通じてクルマと一体になれる感覚が嬉しくてしようがなかった。
それ以来、欲しいクルマを見つけると、ハンドルを握る手とシートに収まる尻とで、直観で品定めするようになりました。極端に言えば、動かさなくてもエンジンをかけてシートの位置を合わせてハンドルを握れば、気が合うクルマか否かが判断でき、買った後に裏切られることはなかった気がします。
プジョー505、ランチアテーマワゴン、シトロエンエグザンティア、そしてディスカバリー3。動力性能もキャラクターも違いますが、気持ちいい操縦性とシートだけは共通していたので、これを終のマイカーの条件その2にします。
追記1
ディスカバリー3に乗るまでは、速く走るクルマでないとこの条件は満たさないと思い込んでいましたが、豈図らんや、ディスカバリーはゆっくり走っても気持ちいいのでした。
もともとスピードを競うことに興味があまりない上に、反射神経が鈍るこれからの生活においては、むしろゆっくり走って気持ちいい方が都合が良い。直線の高速よりも、適度なアップダウンやカーブのある里山の道の方が好きなんだな。
追記2
シートはフランス車という定評には同意しますが、長時間運転して疲れないという意味ではランチアテーマワゴンやディスカバリー3のファブリックシートはたっぷりしていながらコシもあって出色だと思います。特にランチアテーマのそれはゼニアのライトグレーの生地にライトブルーのステッチが入り、車内を明るくもしてくれましたね。
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カングー | 日記
Posted at
2016/12/29 01:49:27