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リハビリライドをしながら、故・忌野清志郎が実践していたＬＳＤ（麻薬じゃないよ～）な自転車の乗り方のことを思い出していたら、書店で米津一成という方の本に出会いました。たまたま大阪出張だったので新幹線の中で読もうと写真の２冊を買い込み、いまホテルで2冊目を読み始めるところ。

1日に300km以上走るような、“距離感が壊れた”人たちの話が出てくるのですが、これが実に面白い。こういう感覚の変化を期待して自転車に乗ろうと思ったのだったことを思い出させてくれました。ロードレーサーの面白さを知らない人からするとちょっと理解しにくい話ですが、僕のようなビギナーでも、ロードレーサー独特の走行感や身体感覚を経験した人ならば皆が共感するであろう話だと思います。

今回の大阪出張には持ってきませんでしたが、ロードレーサーには毎日乗らずにはいられない、何か中毒になる走行感や身体感覚があるのですよ。たとえば、初めて買ったクルマはやはり毎日乗りたかった記憶がありますが、ロードレーサーの場合のような身体感覚までは伴っていなかった気がします。

で、その身体感覚を磨き上げているうちに、やがて距離感が壊れてゆくのであろうことも、容易に想像がつきます。実際の距離や肉体の変化は見える化できますが、それ以上に内なる身体感覚の変化が実は大きい。古い身体感覚が壊れて新しい身体感覚が身につく、そういう脱皮感があるのでしょうか。

自身はまだ2時間40km程度のライドしか経験できていないので、これから何度脱皮するのか楽しみです。自転車を買う際に漠然と抱いていた期待が想定外に満たされ続ける感じ。自分のカラダが内側から脱皮してゆく感じ。・・・う～ん、うまく表現できていませんが、もしかしたら熱中症を経験したから、そうした感覚の変化に敏感になったのかも知れません。プライスレス。