思えば18歳で運転免許を取り、自分で買ったクルマは6台。
上京するまでのスズキセルボとの1年半に始まり、新婚旅行先で見たプジョー205との3年間、カミさんと娘が後部座席に乗り降りし易くなる為の4ドアとして選んだプジョー505との5年間、息子を加えた4人家族の遠出に活躍しそうなワゴンとして選んだランチアテーマワゴンとの7年間。
車検のタイミングで買い替えながらも、確実に付き合う期間を伸ばしてきましたが、ランチアテーマを手放す時にはクルマにお金をかけ続けることが何故だか少し躊躇われました。事実、経済的に苦しかった気もしますが、それ以上に、心から欲しいと思えるクルマが無かったせいではなかったか?
さりとて息子がまだ小さかったからクルマのない生活は不便ということで、米国留学する後輩のシトロエンエグザンティアを車検代だけで引き受け2-3年ほど乗ったけれど、どうせならシトロエン濃度の高いDSやCXに乗りたいものだと感じたのも事実です。
そこで、実用的でありながら文化濃度の高いクルマはないか、イタリア車やフランス車、イギリス車を中心にぐるぐる探しました。候補のほとんどが中古か並行輸入でしか入手出来ないなか、折しも登場したのがディスカバリー3でした。
これまでのラテン車とは全く違い、スピードを出さずに風景を眺める優雅さや、7人乗車もキャンプ道具の積み込みも可能にしてくれる魅力に背中を押され、より遠くへよりラフにクルマを使う楽しさがありました。土砂降りの中央高速でも、かつて経験したことのない安心感がありました。一番の遠出は出雲までの往復で、行きは岡山辺りでテント泊、帰りには伊勢にも参拝しました。家族との生活を不安なく自在にサポートしてくれる相棒でありました。
今日のラストドライブは、かつて住んでいた本八幡を孫乗車で往復しただけですが、高い座席から見下ろしながら、どっしりスムーズに走る安心感は他に代えがたい乗り味だと噛み締めました。
十徳ナイフのようなリアシートを全て出しながら車内掃除をすると出てきた、小型ランタンやウィンドブレイカー、懐中電灯などは、キャンプ用品でありながら防災用品にもなると思って放り込んでいたもの。軟球やフリスビーは小さかった息子といつでも遊べるように入れていたんだなぁ。
あれから11年、世のクルマの話題はハイブリッドを前提にEVや燃料電池、自動ブレーキや自動運転など、環境との共存を志向する為に人間からは離れて行ってしまいました。人間の相棒として生活濃度の高いクルマほど、住みにくい世の中になったのでしょうね。
ランドローバーディスカバリー3。
さよなら、そして、ありがとう。
Posted at 2016/08/28 20:32:05 | |
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