燃料ポンプ交換のポイント、注意点
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
中級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
千歌 わーい!ペケ君の整備がやっと見れるよ!
まあ、そんな大した作業じゃないよ。H58A型の燃料ポンプ交換をしたから、ポイントも交えて解説していきます。まずは燃圧を抜くため、燃料キャップを開けます
千歌 燃圧?ねんあつでいいのかな?
そーだよ。エンジンは燃料に圧力をかけて噴射する事により、空気と燃料を良く混ぜて火花の力で燃焼させます。そのためにポンプが必要になります。んで加圧した燃料を送って、均等に分けて、最後に噴射にて細かい霧状にするのが、一般的な電子制御式燃料噴射装置の流れになります。だから、圧力を抜いてあげる必要があるんだね
千歌 ちなみに圧力を抜かないとどうなるの?
ガソリンが飛び散ります(笑)冗談抜きで危険です。燃料タンクのキャップを開けて少し放置すると、意外と圧力は抜けるけどね。そうしたら、リヤシートを剥がすんだ
千歌 え?あれって剥がれるの?
剥がれるよ。リヤシートの下に手を入れて上に持ち上げるように力を入れると、パキンと音がして取れます。左右にクリップがあって、止まってるから片方ずつ持ち上げるのがコツだね
千歌 そんな簡単に取れちゃうんだ……
うん。取れたら、シートはどけます。そうすると銀色のハッチが見えるよね。これはプラスドライバーでネジを四つ緩めると取れるよ
2
千歌 このフタを開けたらどーするの?
そしたら、白いコネクタを抜くんだ。固い場合もあるけど、だいたいコネクタには突起部があるからそこを潰すイメージで力を加えて、抜ける方向に引っ張ると取れるよ
千歌 うーん、この辺りからちょっと敷居が高くなってきたね
。黒いホースと、もう一つホースあるけど、これも取るんだよね
取るよ。ゴムホースの方はリターン側のホース。カプラ付きのホースは送る側のホース。ここで注意点!カプラ付きのホースは無理矢理抜くと破損するので、特に慎重に扱う事。これ壊すと、ワンタッチカプラ単体が無いので自動的にフューエルラインの交換にステップアップします……。青い部分を指で挟んで奥に慎重に押して、取ったような……
千歌 壊しそうならやらない!って引き下がるのも大事なんだね。大事なトコロなのにどうしてあやふやなのかな?ペケ君
随分前にした作業だったからなぁ。続きですが、もし燃料が出てきたら、ボロ布等に染み込ませると被害を減らせます。ここは慎重に、あと当然の事ですが、火気厳禁厳守ですよ!リターン側はペンチでクリップの取っ手を掴み、クリップを奥へずらし、慎重にホースを抜きます。抜いたら、流出防止の為、バイスプライヤーなどで、ホースを潰しておくとベスト
千歌 当たり前のように知識と技術が求められるね。工具も要るみたいだし
まあ、燃料系の修理だからね。ガソリンの扱いだけは本当に間違えると一瞬でクルマが焼けますんで、ホントの自己責任の領域です
3
コネクタ、ホース類を全て抜いたら、ナットを締めていきます。確か8か10mmだったかな。ナットを締めたら、パーツ皿などに置いておきましょう。紛失防止です
千歌 ネジ一つも欠かせないんだね
うん。DIYでも、部品の紛失はしないって心掛けておかないと、あっさり部品無くします。結構洒落にならない事になったりもするので、ネジ、ナットも無くさないように扱うのが大切
千歌 9人揃ってaqoursみたいな感じかなぁ?私たちで例えると
まあ、あながち間違いじゃないよ千歌ちゃん。ナットを締めたら、いよいよフューエルポンプの抜き取りを行います。ポンプの頭をプラスチックハンマー等で叩くと固着が緩むので、上に持ち上げて、慎重に引き抜きます。燃料計の部品も一緒になってるので、力づくでやらない事。向きを変えたりしながら、慎重に。タンクとポンプの合わせ面にゴムのパッキンがあるので、取り付け時の忘れに注意!
4
千歌 交換したら、元に戻さなきゃだよね
その通り。ポンプとタンクの間のパッキンを新しいポンプへ、取り付けて、抜く時と逆のやり方でポンプ内に入れます。パッキンとポンプはピッチリくっつく構造なので、元どおりの穴に、パッキンの突起を合わせ、突起をペンチ等で軽く引っ張ります。パッキンをしっかりくっつけたら、ナットを仮止めして、本締めするよ
千歌 あれ、この写真パッキンがないけど……
ポンプユニットの出し入れの練習の時の写真だからね
千歌 あ、練習したんだ
少し知恵の輪状態になったからなぁ。ちなみにパッキンの突起をボルト穴にくぐすと、どう頑張ってもつかないのですぐわかるよ!
千歌 ふぅ。ここまでくれば、もうすいすい出来そうじゃん!
千歌ちゃん、戻す時もポイントはあるよ
千歌 あ、まだポイントはあるんだ。戻すだけだ〜って考えちゃったよ
まず、ナットを本締めするときは対角線上に数回に分けてなるべく同じ力で締めていく事、締め付け具合は緩める前よりほんの少しキツめ程度に。カプラやコネクタはしっかり差し込み、抜けてこないか、きちんと引っ張って確認する事。リターンホースはしっかり差し込み、ホースクリップもきちんと戻す事。一つ一つ現状復帰して確認していくのが大切
千歌 色々注意点があるんだ。自分でやるってやっぱりタイヘンだ。交換って難しいんだね
それは物によるよ。ただ、クルマの根幹的な部分を触るなら正しい知識は本当に必要。座席と、銀色のフタ以外、全部元どおりに組み上げたら、燃料キャップを締めて、キーをonにして、数秒待つ
千歌 すぐに、エンジンをかけるのは良くないの?
キーをonにすると、ポンプが動く。ポンプが動くと、圧力の抜けた燃料の通路にまた圧力がかかるから、エンジンが始動しやすくなるんだ
千歌 ようやく、エンジン始動だね。上手くかかるかな?ドキドキしちゃうよ
結構、ドキドキするよ(笑)そしたら、エンジンを掛けます。エンジンが始動したら……
1.アイドリングは不安定でないか
2.アクセルを踏んだ時、滑らかに回転が上がるか。またアクセル踏んだり、離したりした時のエンジン回転数の変化がスムーズか
3.リターンホース、ワンタッチカプラからの燃料漏れはないか。素手で嵌合部を触り濡れていないか
4.燃料ポンプのコネクタに緩みはないか
5.試走を行い、一定速、急加速の操作をし、違和感を感じないか
以上、全て異常がなければ、銀色のフタを戻し、座席を戻して、終了だね。お疲れ様でした
千歌 部品の交換って簡単に考えちゃうけど、実際の作業を解説してもらうと、簡単じゃないんだね。少なくとも、私には出来る気がしないと思った。もし修理を自分でやるなら、どこまでやるか、線引きが大事なんだって教えてくれたね
そうだね。でもDIYでやる意味って個人的には、節約の他に自分で直した、快調に近づけたって達成感にあると思う。自分で直したクルマに乗るってやればやるほど病みつきになるからね。最後にガソリンを扱う作業なので、換気はしっかり行いながら作業しましょう。ガソリンの蒸気は空気より重く、滞留した蒸気に引火する場合もあるので。可燃性蒸気は極力濃度を薄めるのが、ポイントですよ
千歌 何気なく使ってるけど、ガソリンって本当に危険なんだね。キミが何回も言うから余計に危険性を感じるよ……
引火しやすい、気化しやすい、燃焼出来る条件が幅広いと非常に危険です。燃焼時のエネルギーも高く、まとまった量に引火すると爆発する危険性も孕んでます。燃料系を触るときはとにかく火気厳禁で、慎重な取り扱いをお願いします
おわり
補足
上記作業はH58Aのものになります。
ガソリンの火災はマジで洒落にならないので、作業難度以上に危険性が高い作業になります。
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