Guerlainのブログ一覧

CLSの時にも触れたが，一般にセダンのリアシートは頭上高が足りないモデルが多い．たとえW213であっても，リアシートに深く腰掛けると私の頭は支えてしまう．ところが，ハッチバックであるF20は，F30よりもはるかにヘッドクリアランスが良い．この逆を書いている人がいて，その者の「認知機能障害」が疑われるが，基本的にセダンよりもハッチバックやワゴンのほうが，ルーフが後ろに伸ばせる分，ヘッドクリアランスには有利なのは自明のことだ．したがってF20に関しては，確かにリアシートは前後には広くはないが，ならば深く腰掛ければよいのであって，その場合でも頭上にはずいぶんとゆとりがあり，快適なのだ．少なくともW205やW213やF30よりも頭上はゆとり大である．ということで，一長一短だが，私が長距離ドライブでどれかのリアシートを選ばねばならないならば，意外にもF20を選択すると思う．
さて，118iの3気筒エンジンの印象であるが，やはり滑らかであることは変わりない．というか慣らし後は更にスムーズになってきている．高回転ではやや独特のビートを奏でるが，これがまったくもって不快ではないし，むしろ好感触で快感なのだ．118dと比べたりして，トルクが無いという人が散見されるが，その者の「物の本質を見出す能力の障害」が疑われる．この振動のなさ，騒音の低さこそ，ガソリンエンジンの優位性であり，小排気量でも直噴ターボによって低回転域から2.3L級の十二分なトルクを得ているのであって，ディーゼルと比べてトルクが云々というのは，猫と犬を比べて，犬のほうが忠実だと言っているようなもので，ナンセンスな比較論だろう．この3気筒以前の4気筒版は運転したことがないので知らないが，3気筒というと軽自動車を想像してしまうが，そういうことはまったくない．むしろ積極的に選びたくなるくらいの出来なのだ．ただし，相当に安く買っているからそう思うのであって，定価だったら肯定的意見にはならないことは言うまでもない．BMWに関してはどうしてもE30のM3のイメージが強く，ワタシ的には実は4気筒がBMWの真骨頂だと思っているので，過去E36の325iやE46M3に乗っていた割には，BMW製6気筒への思い入れは全くないのだが，この6気筒✕0.5の3気筒エンジンはちょっと出色かもしれない．「所詮は3気筒で云々」という人が散見されるが，彼らには「認知機能障害」に加え，「物の本質を見出す能力の障害」の併存が疑われる．ただし，メーカーが言うような，小排気量化して低燃費になった，という印象はない．丁寧に走っても17km/L程度だし（ちなみにE36MT325iは丁寧に走ると16km/L），ちょっと回すと結構悪化しやすい．まあ，燃費のことを気にするなら118dにすべきであって，この118iの魅力は，このスムーズで個性もある1.5L3気筒エンジンのフィーリングを味わうことにある，と言えるだろう．

現行1シリーズは最近更に新古車が安くなり，コンフォートアクセスとACCが付いたものが結構売られている．この2つのメーカーオプションはやはり有ったほうがいい．私の118iStyleにはどちらも付いていないが，320dMspには付いているので，やはりキーを操作しなければならないのは面倒に思うし，渋滞ではACCがあると「寝てしまって追突」するリスクが無くなるので，ワタシ的には長距離では結構必需レベルだ．ドアハンドル組み込みのLED照明はどうでもいいが．しかし今更買い直すのも変なので，このオプション無しで良しとするしかない．まあ，パーキングアシストは標準装備になっているし，運転操作的にはそれほど困らない．
しかし，320dのディーゼルを知ってしまうと，118dが良かったのではないかという後悔も生じていた．特にキックダウンしないスムーズさと，驚異的低燃費を考えると，惹かれるのだ．しかし今回改めて118iに乗ってみると，このエンジンの静かさ，スムーズさには望外の高級感を感じた．やはりディーゼルエンジンというのは振動と音が大きいと改めて理解した．むしろ滑らかなはずのV6搭載のC43から320dに乗り換えたときに違和感が少なかったことから，実はC43は結構うるさかったし，嫌なモノではないがそれなりに振動が有ったとも言える．いずれにせよ，この小さな118iには3気筒ガソリンで軽くて静かなエンジンの方が合っているのかな，と思った．
さて，118iStyleのオドは5000kmとなり，ようやく本来の性能が出始める頃だが，ワインディングや首都高5号上りから環状線などを走らせると，「これで十二分，むしろちょうどええ」という性能を堪能できる．荷重移動をしっかり意識するとFRのお手本的な挙動を示し，ちょうどよいトルク感のエンジンでコーナリングを楽しめるのだ．高回転はゼブラゾーン手前でリミッターが効いてしまうが，そこまで回す意味のないターボのセッティングなので，「（ゴルフGTIのように）レッドゾーンに飛び込むような回り方をするエンジン特性」は求めてはいけないし，求める気もないので，これまたちょうどよい．やはりE36以来のLa plaisir de conduireを堪能できるクルマだと思う．
しかし繰り返しになるが，118iはハイオクで高速主体で17km/L，320dは軽油で高速主体で22~23Km/Lという経験をしてしまうと，ディーゼルなら燃料代が6割で済んでしまうという事実は重く受け止めざるを得ない．

運転スキルの低い私が，クルマのコーナリング性能云々を語るのははばかられることではあるものの，特殊なクルマでない限り，普通のクルマは様々なスキルレベルの人が運転するモノなのだから，私に語る権利がないとまでは言えないだろう．
で，F30なのだが，前回コーナリング時のリアブレーキに関してどうのこうの書いたが，これはどうやらCBCとかいう制御システムが効いているということなのかと思った．ステアした方向に妙に素直に曲がり続けると思ったのだが，CBCってやつが効いてるということなら理解できる．この感覚は118iStyleには希薄なので，CBCは320dMspにはあって，118iStyleにはないのかな．いや，カタログ上はどちらも装備だなぁ．．．
ただ，なんとなく人工的な感じがして，逆に違和感がある．どこまでこれを信じていいのやら，と．．メガーヌRSの４Controlなんかどうなのかしら．ただ，Mspの場合，無駄にリアタイヤの幅が広いと思っていたが，CBCを効かせるという意味では有用なのかもしれないとも思った．特に論理的考察した結論じゃないけど．

今日走らせていて気づいたが，この320dはカーブを曲がるとオーバーステア気味の感覚になる．イン側リアに軽く制動をかけているような感触だ．そんなVWのような事をBMWがやっているのだろうか．ただ，118iにはこの感触は無かったので，F30のサスペンションのセッティングなのか？DSCの制御は関係ないように思うのだが．
まあ，運転している方からすると，面白いので楽しいとも思うが，LSDならまだしも，ブレーキで旋回性能を上げる（上がったような感じにさせる）などの姑息なことはイマイチのような．まあ，安全性能に寄与するならいいけど．もう少し走らせて観察してみよう．

W205の不満点の一つにドライビングポジションがイマイチだったことが挙げられる．W204まではテレスコピックでかなり手前までハンドルを持ってこれたが，W205ではその調整前後幅が狭くなったのだ．ハンドルが遠くなるのでシートの前後スライドをあまり後退できないし，フットレストの位置が左ハンドルでも右ハンドルでもやや手前気味であるため，膝を曲げた姿勢を強要される．その点アウディA4の右ハンドルはかなりフットレストが奥の方にあり，左足を投げ出した形ですわれるのでよかった．F30はどうかというと，A4ほどではないがフットレストとハンドル位置の関係はW205よりずっと良いポジションを作れる．また，シート座面の前側をリフトして調整するとかなり理想的なポジションを作れることがわかった．何だか「さあ，運転するぞ」と思わせるポジションなので，気分が大変よろしい．
Msportの布・アルカンタラのシートも良くできている．この材質のシートは昔から続いているが，私はアルカンタラの感触が好きなので，総アルカンタラの方がいいのだが，まあ，布は通気性がいいので座面はこれでもいいかとは思う．ちなみに私は下手な革よりもアルカンタラのほうがずっといいと思っている．