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イイね!
2017年12月07日

優しかったっよう

私が初めて千羽鶴を貰ったのは小学6年の時だった。心臓弁膜症で藤枝市では唯一の最も設備の整った志太総合病院(藤枝市立総合病院)に救急車で緊急入院した時の事。個室部屋に運ばれ、点滴と検査の毎日だった。
 状態がある程度よくなり、8人の大部屋に移ったのは入院から3週間が過ぎようとしていた頃。小児科病棟だから患者はもちろん子どもたちであるが、10歳以下の子どもには親でなくとも誰かしら付き添いがいた。
 父や母は仕事や家事で忙しいため、大抵は祖父母が付き添う。可愛い孫の病気が気になって仕方ないから、ここぞとばかりに孫の面倒を買って出る。私の場合は入院当初、父が2日ほど付き添ったのみで、後は私一人の入院生活を送っていたが、一人は慣れっこだったためさほど寂しいとは思わなかった。何処で知ったか定かではないが、私に母親がいない事を知った他所の付き添い人が私に優しく接してくれた。
 もちろん、看護婦さんたちも私には特別に優しかったっように思う。肌着の変えが用意してなかった私に気遣って売店で肌着を買って来てくれた看護婦の塩沢さん。どこか母の面影が垣間見えるこの人の事を私は大好きだった。
 入院から1ヶ月半が過ぎた頃、6年3組のクラスメートが見舞いに訪れた。クラスの生徒44人の中から特に仲の良かった男女十数名が担任の青島先生に引率されてやって来た。見舞いの事は聞かされていなかったので、数ヶ月ぶりに見るクラスメートの顔ぶれが眩しく、そして活き活きとした健康そのものの友人たちが別世界からの訪問者に思えた。
 友人を代表して学級委員の海野慎次郎くんと、石川博子さんが「神戸くんの病気が早く治りますように、皆で祈りを込めて折りました」と私に大きな千羽鶴を手渡ししてくれた。多くの友達に囲まれ、戸惑いを隠せずお礼の言葉さえ私は失っていた。
 帰り際に担任の青島先生がアーモンドチョコレートをくれた。その時に触れた先生の白い手の温もりを今も忘れる事が出来ない。怒ると鬼のように怖い青島君代先生の往復ビンタを鮮明に覚えている。クラスメート全員が先生を全面的に信頼していた良き時代でもあった。
 皆が帰った後の病室にいつもの静寂が訪れ、小児科病棟の日常が戻ってくる。贈られた千羽鶴の置き場に悩んでいた時、看護婦の塩沢さんがやって来て、千羽鶴をベッドの端の壁に掛けてくれた。
 「ここならよく見えるでしょ、神戸くん良かったね」そう言ってにこやかな笑みを浮かべながら看護室へと戻って行った。それから数十年の歳月が流れ、私の心臓病が治る事はなかったが、その時に贈られた折鶴たちは私の心の中で今も翼を拡げ、病気の無い大空へ羽ばたこうとしている。
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Posted at 2017/12/07 18:18:27

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