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伏木悦郎のブログ一覧

2010年03月31日 イイね!

Is NewYork City Burning?

Is NewYork City Burning?ニューヨークは燃えているか? すでに連続7回目となるNYIAS。最初に来た時はホンダのSH-AWDのアキュラRL=レジェンド) のワールドプレミアがあったりして。その後近くにウォール街があるということで、日系メーカーが主にセダン系を中心に積極果敢にワールドプレミアを行なう場として存在感を高めていた。


しかし、その金融の都であるがゆえに、08年9月のリーマンショクを境に急降下。NAIAS(北米国際自動車ショー=デトロイト)から約3ヶ月後のインターバルということもあって、デトロイトの雰囲気がそのまま伝わりやすい。でも、NAIASがそうだったように、NYIASと略されるニューヨークもいつまでも顔を下にしてもいられないという空気が漲る。

かつてのビッグスリーも意気消沈の風は消え、密かに捲土重来を期している雰囲気。オバマ政権は輸出増大を政策目標の上位に掲げている。さしずめ中国市場への積極攻勢には注意が必要です。

日本に直接入ってこなくても、北米でのボリュームを伸ばせなくても、外地でシェア獲得して日本のパイを奪えば外貨獲得という点で十分勝利といえる。日本の自動車メディアも、もっと外国の情勢に神経を尖らせないとね。

今回のNYIAS、ネタ的に閑古鳥かな…と覚悟していたけれど、インフィニティとサイオンという日本になじみの薄いプレミアム系ブランドから注目モデルが登場。両ブランドにとって東海岸はビジネス的にも重要なマーケット。これまでにもこのモーターショーには力を注いできているのでした。

このところ各地のモーターショーに足を運んでいる、マツダの山内社長のトップセールスとしての活躍も注目すべきものがあります。







ニューヨークショーは『Is Paris Burning?』とは別の意味で気になっていました。プレスの数もそう多くはなく寂しい感じもしましたが、意気消沈ではありません。デトロイトで感じた前向きな姿勢は、より強まったと見るべきでしょう。時代は間違いなく変わります。
Posted at 2010/04/01 14:53:47 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2010年03月30日 イイね!

Manhattan in the rain♪

Manhattan in the rain♪JFKには定刻より40分ほど早く到着。baggage claimを。16時ちょい過ぎに出て、さあどうするべ。事前にあれこれ検討してあったわけですが、今回は初めてairtrain+MTA地下鉄で行くことに。5$+2.25$でマンハッタンに行く最安値コースであります。

宿はダウンタウンのホリデーイン。これも、いつものプライオリティクラブではなく、最近ご愛用のhotwireで引き当てた99$/dayというマンハッタンでは破格のプライス……はいいんですが、土地勘はゼロ。これをはじめての地下鉄ルートで行くとどうなるか?

迷いました(笑)。市販のガイドブックに載る地図のまあ分かり難いこと。JFKに着いたところからNYは雨。マンハッタン イン ザ レイン~♪なんていう歌のフレーズがあったようななかったようなですが、傘も差さずずに濡れネズミでリモアをゴロゴロ。われながら切ない画柄でしたねぇ。(後でホテル脇の中国人経営の雑貨屋で渋い3ドルの折り畳み傘…当然中国製…をかいました 笑)

店先の中国人に訊いても、居合わせたお巡りさんに尋ねても答えはテキトー。なんとか辿り着きましたが、地図で現在地を確認してもまるでイメージ湧かず。近くにチャイナタウンとリトルイタリーがあるいわゆるダウンタウンなんですが、これまでずっとニューアークに宿を取りNJトランジットでマンハッタンに通うパターンが染みついていたわけです。当然、すべてがアドベンチャーツアーになります。

モーターショー取材ではスーツにネクタイを自らのドレスコードと決めている。男の制服としてこれほど便利なものはない……という考えが基本にあるんですが、やっちゃいました。成田でネクタイを忘れてきたことに気がついて(なんでここで?)、通関後の免税店で迷ったのですが、ここで散財はいかがなもの? NYで……と方針を固めました。

その判断は正しいと思うのですが、ホテルにチェックインするまでのドタバタでも分るように、我が身はニューヨーク砂漠にポツンと放り出されたエトランゼ。都市というのは「ああすれば、こうなる」ように人間が作り上げた創造物……とはバカの壁の養老孟司さんの言説ですが、仕組みがわかっている人には便利だけれど、ああすればこうなることが分かっていないとエライことです。

沢山の人がすぐそこにいるにも関わらず、途方に暮れる孤独感に襲われることになる。まあ、分からなかったら訊けばいいのですが、そこはシャイな(?)日本人。自分でなんとかしちゃおうと奮闘するわけです。時間の無駄なんですが。

すこし宿の周辺をパトロールしてみたんですが、???でした。しゃあない、空港最寄りのジャマイカセンター駅で20ドルのメトロカードを買っていたので、地下鉄でとにかくミッドタウンあたりへ。6号線でグランドセントラルまで行って、タイムズスクエアまで真横につなぐシャトルという路線に乗り換え勝手知ったるタイムズスクエアに。ねぇよなあ、ミュージカルの本場ブロードウェイにネクタイ売ってる店なんて。

普段買い物慣れしてない行動パターンがド裏目に出て、敢えなく時間切れ。5番街あたりに直行すれば良かったのかも、あるいはタクシーを使えばいいのに……という簡単な話なのだろうけど、今回は散財厳禁と決めての渡航でもあったわけです。無理して高い買い物しなくて済んだと前向きに考え、明日はノータイで行こう。

若干時差ぼけで、夜更けに晩飯ということになり……一旦宿に戻り、近所にあるということで立ち寄ることに決めていたジョーズ上海。小籠包で名の通った店です。「蟹かポークか?」席に着くと、いきなり。悩む暇もなく発作的に「クラブ」。頼むのがデフォルトであるらしい。ついでに誰かがブログに書いていたジャジャー麺を注文。

いくらなんでも食い過ぎでしょ?という量だけど、小籠包が6.65$で、ジャジャー麺が4.65$。税/サ込みで14$だからね。値段じゃない? もちろん完食は無理でした。評価ですか。まあ、安いからね。

基本、孤食パターンか多いので、味には煩いんです。食事は誰かと一緒だと料理の味に対する評価はまた違ったものになるでしょう?独りだとよほどimpressiveでないと、引き出しには入らない。安いので多分また来るとは思いますが、ここに限る!という一押し感はないなあ。基本的にアドベンチャーという考え方なので、明日は違うところに行くでしょう。

NYマンハッタンは来るたびにその気にさせる巨大なワンダーランド。全貌を少しでも体内に収めるためには、ここで暮らすしかないんだろうな。

さあ、取材モードに切り換えて……っと。
Posted at 2010/03/31 19:01:27 | コメント(3) | トラックバック(0) | 日記
2010年03月29日 イイね!

春よ来い!

春よ来い!昨日書き上げたコンテンツをアップしようと『投稿する』をポチッとすると、あらま消えちゃった。憤激しながらPCをシャットダウン。時折ありますなあ、こういう事態。

気を取りなしてというか、もう翌日(3月30日)なのですが、成田のスカイラウンジで「もう一丁!」って感じ?たった今搭乗機が到着しました。明日締め切りの原稿、書かなきゃいけないんですが、ちょっとノリがいまいち。こういうときは、雑文を書いて勢いをつけるにかぎります。

一昨日、久しぶりに家人を伴って銀ブラ。4丁目交差点を見上げると、銀座和光の服部時計台がとても良い感じ。撮ったのが上ですね。

昨日は、このところ立て続けに試しているVW車の内再試乗としたポロをアークヒルズに返却。その足で青山のホンダ本社で久しぶりに軽自動車Lifeを借用。その足で年に一度のAJAJ総会に。AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会(Automobile Journalist Association of Japan) は、今年で41年(だったかな)の歴史を重ねるフリーランスの自動車ジャーナリストを中心とするメンバーシップです。

僕の在籍歴は意外に長くもうかれこれ20年。ほとんどテンプラ会員だったので、存在感はありませんでしたが、古いことは古い訳です。歳も上より下のほうか断然多くなってしまいました。今年は2年に一度の会の長と理事の選挙の年。前回思うところあって立候補したのですが「お前あんなんじゃ駄目、ちゃんと根回ししなくちゃ」あちこちから言われちゃいましたが、「へぇ、そんなもん?」で敢えなく落選。今回は、もういいかなと思っていたんですが、やるならちゃんとやるよーにという年長者に諭されて、手を挙げました。

結果はぎりぎり滑り込みセーフ(笑)。まあ、いい年なんだから、メンバーシップのために多少は汗をかかないとね。

帰路、おおっそういえば……と首都高中央環状線山手トンネル経由で帰宅しようと考えました。新宿の先の山手通りのランプから進入すると……混んでました。しかしこのコンクリートの重厚な建造物、20年後に走るのはどんなクルマだろうか? 渋滞の中で複雑な思いが湧き上がってきました。


変な咳してますが、花粉症です。


先ほど搭乗機到着。


これからニュヨークまで約12時間のフライト。マンハッタンで気合を入れてきます!!

着いてもまだ30日なので、昨日(29日)に書きました。ではでは。

Posted at 2010/03/30 14:05:44 | コメント(6) | トラックバック(0) | 日記
2010年03月27日 イイね!

揚げ物三昧

 揚げ物三昧先月、初めて市が薦める検診を受けました。もっとあちこち傷んでいるかと内心わくわく(?)して臨んだのですが、問題点は中性脂肪の数値が倍 (!)である、とか。中性脂肪については自覚していました。ジュネーブ以来食が進み過ぎたのと、花粉症の影響でwalkingが滞った。ダブルで効いたことに関しては、十分反省しているし改善の余地はあると思っています。


とか言いながら、今週はちょっと禁を犯した感が強い。どういう流れか一週間で揚げ物を2回も食した。一回はVWゴルフの撮影をしましょうと連休末日に箱根に行った。なぜかあの店が頭を過ったわけです。業界一のとんかつ好きで『全日本豚カツ評価委員会(だったかな?)委員長』を自認するN君から、「日本で一番旨いとんかつは我々のホームグラウンドとも言うべき箱根にある!!」と聞いて、ほうそれはどこの何という?答えは強羅の『里久』ということでした。

今回は、湯本の蕎麦の名店『暁庵』に寸手のところで間に合わず、セカンドオプションということ(方向性が真逆ですが)で行ったわけです。昼飯のタイミングを逃し、17時からの夕食時間に合わせて。9人掛けのカウンター席にはすでに先客がいました。食べ終わった時の満腹感に中性脂肪の四文字がチラつきましたが、まあ過ぎたことです。

その3日後に今度は都内。そういえばRの付く月は今月まで。つーことは牡蠣の旬が終る。つーことはかつ銀に行かないと悔いが残るかも?よく分からない理由でした。たまたま都心で発表会があり、ついでに打ち合わせをこなした後、えいやで晩餐に行っちゃった。カキフライといえばここが一番と決めている銀座二丁目のかつ銀。まったくの余談ですが、この間は隣の席にアリスのチンペイさんが来店しておりました。まあ、食い物ネタは他愛ないもの……ということで勘弁。



来週の渡米では耐乏旅行となるのは間違いないところなので、たっぷり蓄えた脂肪でなんとか一週間繋ぐつもり。来月はお台場のMEGAWEBでライブトークショーが予定されている。ダイエットというかシェイプアップしないとね。(この件に関しては、週明けに正式に告知します)

今週はcarview本編に2010ジュネーブショーの総括がアップされました。継続してモーターショーを追いかけている僕なりの視点による考察です。どうか読んでください。ただし、思いつくままにたっぷり書いてしまったので、全文掲載とはなりませんでした。ということで、ちょっとだけナマ原(稿)アップします。違いをご覧あれ。(以下はマイクラ/マーチの項。小文字は掲載分。太字が割愛部分です)



こんなにきらびやかなジュネーブショーは初めてだ。昨年のIAAフランクフルトショーで、予想外に威勢の良い欧州勢なかでもドイツ民族系メーカーの“顔を上げた”明るい姿勢に衝撃を受けたが、その流れはジュネーブにも引き継がれた感がある。というよりも、約半年後の時間差はそのまま技術の進捗に反映され、その分ビジョンの透明度は増した。EU委員会のCO2削減法が確定して規制のスケジュールが明確になったことが、欧州各社に心理的余裕をもたらし豊饒のワールドプレミアラッシュにつながった。

日本メーカーがすべて顔を揃えたのも久しぶりだ。トヨタ、ニッサン、ホンダ、マツダ、ミツビシ、スズキ、スバル、ダイハツ、そしていすゞ(!)。一国でこれだけのメーカーを数えるのは、いまや中国以外では考えられない。先進国では群を抜く多さ。それが
今もなお存続している不思議……。

ワールドプレミアで気を吐いたのは日産。途上国を含む広い市場に向けた世界戦略車という位置づけのマイクラ(日本名マーチ)の初公開の舞台にPALEXPOのいつものスペースを選んだ。マイクラ/マーチは、開発のベース、生産の仕組みや拠点、プラットフォームからエンジン/トランスミッションにいたるコンポーネントといった、すべてを一新してこの日のデビューを迎えた。

クルマは工場で作られる。基本中の基本だが、従来の英国(サンダーランド)と日本(追浜)から、タイ、インド、中国、メキシコという途上国に移転され、それぞれ現地での部品調達率を最大限に追求した現地生産に切り換えられた。結果として、ゼロスタートともいえる心機一転の開発となった。


まずベースとなる車台(プラットフォーム)が新設計された。ポジション的にAセグメントからBセグメントまでをカバーすることになるが「どちらでもないということから験(げん)をかついでVプラットフォームと命名しました」加藤顕央S.CPS(セグメント・チーフプロダクトスペシャリスト)。

エンジンは1.2ℓ3気筒のガソリンが基本。例外としてインド向けのディーゼルと中国向けの4気筒も用意されるが、マイクラ/マーチといえばHR12型3気筒ガソリンと理解して間違いはない。トランスミッションは、日本では専用設定となるCVTが新設計。他に欧州向けの5速MTと米中(?)向けの4速ATが存在する

デザインは、キャラが立った従来型に比べるとふつうになった。これは日本国内を中心に需要の多くを占める女性が、可愛らしさよりもむしろシンプル、プレーン、スタイリッシュを望むという現実を踏まえ、グローバルカーとしてあり方を追求した結果だ。ジェンダーレスという基本に、途上国での生産という側面に留意し鋼板などの材料と生産技術の両面で最適解を模索されたという。作りやすくかっこ良くというわけである。

「Vプラのテーマは燃費です。すべての要素がそこに収斂しています」小林毅CVE(チーフビークルエンジニア)。徹底して追究されたのは空力と軽量化だった。「あまりデザインしないデザイン」中村史郎チーフクリエイティブオフィサー(常務執行役員)はエクステリアデザインをシンプルに表現した。もちろん何もしていないわけではなく、親しみやすさと生産性の高さと機能性は最大限に追究されているという。分かりやすい例はルーフリアエンドの形状。ヒンジの収納とヘッドクリアランスの確保に加えてCd値=0.32を切る空力性能を実現している。


エンジンの3気筒化も重量軽減やフリクションの低減による省燃費を狙って断行された。結果として得られた出力/トルクは59kW(80ps)、108NmでCO2排出量115g/㎏。カタログ上の従来比では40%の燃費向上ということになるが、945㎏に収まる車両重量を考えると、走りのパフォーマンスにも期待が持てそうだ。

さらにこのマイクラには欧州向けの隠し玉がある。ベースのHR12ユニットを直噴化させた上でスーパーチャージャー(S/C)を組み込み、さらにアイドリングストップ機構を与えることで純ICE(内燃機関)としては限界値とされる95g/㎞を達成している。5速MTとCVTが選択可能。72kW(98ps)、142Nmというパワースペックと合わせてその走りへの興味は尽きない。なお、このS/Cはハイブリッドに対抗し得る安価な省エネディバイスという位置づけで、巷間噂されるホットモデルの想定はまったくないという。

生産拠点の全面的な国外移転ということで国内産業の空洞化が懸念されるが、この点はまったく案ずることはないという。すでに日産はリバイバルプラン(NRP)で国内生産拠点を最小限に絞り込んでいて、現存の工場はいずれもフル稼働の状態。マーチを海外に出しても影響はなく、工場を新設するインドをはじめタイ、中国、メキシコのすべてが純増となるのである。

しかも、このVプラットフォームにはこの後セダンとハッチバック2機種が追加される予定。もともと総計100万台という壮大なスケールで計画された文字通り社運を賭けた一大プロジェクトなのである。タイやインドなど工場側のノウハウやスキルに不安が残る点に関しては、旧座間工場の敷地に開発試作ロット製作ラインを利用した研修施設GPECを作り、一定期間ここで学べる仕組みを用意している。生産の現場は移ったが、グローバルセンターは座間ということになるわけだ。

本来なら欧州をリードカントリーとなるクロスオーバーJUKEをメインに据えても不思議はない。しかし、ビジネスの大きさを考えたらマイクラ。だから2月10日にパリでワールドプレミアとなったわけだ。その思いが世界のメディアに伝わったかどうかは不明だが、ちゃんと取材すると現実感に乏しいお祭騒ぎとは別の次元で仕事をしている人々の息吹が感じられる。勝負は始まったばかり。下を向く理由はどこにもないのだ。
Posted at 2010/03/28 01:24:02 | コメント(7) | トラックバック(0) | 日記
2010年03月24日 イイね!

58回目の春なのだ

58回目の春なのだVWゴルフが発表されたのは1974年。僕はまだ22歳の小僧であり、明日のレーシングドライバーを夢見て川崎北部の多摩川沿いにあるGSでバイト稼業に励んでいました。

前年の10月6日、エジプトとシリアが突如イスラエルに占領されていたシナイ半島とゴラン高原に侵攻。第4次中東戦争が勃発します。これを受けて10日後にOPECに加盟するペルシャ湾岸6ヶ国が原油公示価格を70%引き上げ、翌日にはOAPEC(アラブ石油輸出国機構)加盟国がイスラエル支持国への石油禁輸を宣言。さらに73年末には($3.01→5.12)を$11.65に値上げすると発表するわけです。

ま、この辺の詳細は当時のガソリンスタンドの兄ちゃんには皆目分かりませんでしたが、ガソリンを売る立場からそのパニック状態をリアルに経験しました。道路に溢れて行列をなすお客に「すいません、お一人様10ℓしか給油できないんですよ」頭を下げながら告げると「バカヤロー、それっぽっちじゃ仕事にならねぇじゃねぇかッ!」どれだけどやしつけられたか。

今なら、買い占めは情報不足がもたらした群集心理の産物にすぎず、一度に殺到したから物流が間に合わず在庫不足になっただけのこと。デマがスーパーからトイレットペーパーを消したと言えるわけですが、人間切羽詰まるといろいろやらかすものです。

70年代前半は、外国車といえばまだアメ車が主流でした。近所のメッキ屋の社長のお気に入りはカマロ→モンテカルロとシボレーだったし、GSの共同経営者はマーキュリーモナークを愛用してました。田中角栄さんのクライスラー好きは、刎頸の友が国際興業の社主で、そこがかつてクライスラーの輸入代理店だったから……というのも渋い蘊蓄かも、です。

メルセデス? ほとんど見かけなかったですね。当時はもっぱらベンツと呼ばれましたが、身近で見た記憶はありません。ウルトラマンに出演していた俳優(名前は忘れた)が時折VWビートルで来店したくらいかな、欧州車は。一部のスノッブのものだったと記憶しています。

ゴルフⅠが視野に入ったのは、いまの仕事を初めてからです。9年というロングライフモデルでしたから、初代はリアルタイムで試してます。シンプルで固くてお行儀がいい。クルマの性能やその評価は常に相対的なものです。当時の日本車と比べたら進んでいるところも多かったけれど、それが使用環境に合っているかどうかというとかなり微妙でした。もちろん、エキゾチシズムという意味では立派に舶来モノだったし、その感覚は今とそれほど変わりません。

ただ、僕としてはゴルフⅠの2年前に登場したホンダシビックSB1にぞっこんだったわけです。☆レンジ付きホンダマチックのGLを「これからはFFだぁ、ATに乗らなくてどうする?」若気の至りの新しもの好きでわけの分らないことを言って、買いましたSB1。どこがFR絶対主義だ?(このふたつ後に初代プレリュード4ATにも手を出した)でありますが、あの時以来ゴルフ何するものゾの気分は抜けません。

現代風の横置きFF2ボックスというパッケージをグローバルに広めたのはシビック。北米での成功をはじめ世界中への浸透を正当に評価すればそうなる。妙にバタ臭いゴルフⅠは、強すぎるドイツ風味と自らのクルマ作りへの自信が招く融通のなさが災いして、アメリカの風土に溶け込めなかった。そういう歴史が残っている。

あらためてゴルフ歴代を振り返ると、基本形は変えずにアップデートと大型化によって伝統を繋いでいる。形を変えないで変って行く……典型的ともいえるドイツ流。それよりも長い歴史を刻むシビックはというと、状況に合わせて変化してきた歴史です。今となっては源流を受け継ぐのは欧州シビックだけ。需要のある市場に自らを適合させながら今日を迎えている。ゴルフは今でこそ北米でもプレゼンスを回復しつつありますが、そのスタンスは絶えず一貫していました。

しかしゴルフⅠと最新のゴルフⅥを比べると本当に隔世の感がありますね 。全長3725㎜、全幅1610㎜、全高1410㎜ホイールベース2400㎜で780㎏が、ゴルフⅥでは、それぞれ4210、1790、1485、2575㎜の1290㎏です。



堅苦しくて几帳面。そう表現したいドライビングスタイルを要求したゴルフⅠに、僕はそれほど親しみを持たなかった。注目するようになったのはかなり後になってのことです。ゴルフⅠを一躍有名にしたのは杉江博愛さんの伝説のベストセラー。今はなき出版社の編集者が命名したというペンネームとタイトルで一躍有名になった書籍に記された評価。これに負うところ大だったと思います。でも1976年の初版本を読んだのはずっと後の話です。

80年代の中頃、当時の輸入総代理店ヤナセ広報室とフォルクスワーゲンアジアのコラボによって輸入メーカー初のプレスツアーが始まります。ヤンソンツアーを知る人は少なくなりました。当時僕は最年少組で、多くが40代後半以上の大先輩ばかり。鬼籍に入られた方も多くなりました。そこでひと回り年上の徳さんを初めとする先達の薫陶を受けるわけです。情報の精度はともかく、話の面白さに関しては本当に退屈知らずでした。

F.ピエヒと縁戚関係にあるVWA代表(当時)のロバート・ヤンソンさんは、見た目は完全に東洋人。日本語を完璧に話すのでカタカナ苗字に違和感があるのですが、それ以上に達者なドイツ語を耳にすると"おおっ、違う"となる。彼の率いるツアーは、ドイツの名所旧跡を巡るオリジナルで充実したプランが多く、2泊4日が基本となった現在のビジネストリップにはないヨーロッパそのものを知る旅。まだアンカレッジ経由の時代ですから1週間かけてじっくりが基本。今にして思えば贅沢なものでした。

しかしゴルフⅡとシロッコに16バルブDOHCが載ったGTIの記憶はいまも鮮明だ。7台(ゴルフ4/シロッコ3だったと思う)の編隊が、まるで新幹線のように200㎞/hでつながってアウトバーンを行く。全開で走っても8.5㎞/ℓを記録。まだキャタライザーが付かない段階だったはずだが、衝撃だったなあ。そういう経験を経て、5ナンバー枠内に収まるゴルフについてはかなり肩入れするようになったわけです。

先日の2010ジュネーブショープレスデイ前夜、ジュネーブ市内のイベントスペースで行なわれたVWレセプションに足を運んだ時のことでした。ステージ中央のVIP溜まりに目をやると懐かしい顔が。何をしているんですか? 尋ねると、VWとスズキの提携は私の仕事ですよ……そうだったんですか!?。変わらぬ雰囲気のままヤンソンさんはさらりと言ってのけた。ご無沙汰だった人との思わぬ場所での再会に、継続は力なり……という言葉の意味を噛みしめました。

ゴルフⅡは全長3985㎜、全幅1665㎜、全高1415㎜、ホイールベース2475㎜の1030㎏(ベースモデル)です。現行のポロと被さるスケール……。5ナンバー枠に収まるゴルフⅢまでは、ゴルフはゴルフだったと僕は思っています。でもⅣ以降はずっと抵抗を感じてた。性能、機能、装備、品質……どれを取っても代を追うごとに良くなっているんですが、世紀末以降のゴルフはとめどもなく過剰領域に突っ込んで行った。魅力的ではあるけれど、フォルクスワーゲンは本当にこれでいいのだろうか? ずっと違和感を抱き続けてきました。

現在のゴルフⅥは、35年の歴史の果てにある洗練された性能と違和感のない機能、見て触って走って実感できる品質。右肩上がりを当然の方向として捉える価値判断では非の打ちようのない仕上がりを持っている。しかし、「合理性とは何かを形に興した」オリジナルを知り、そのレベルアップに踏みとどまった二代目の必要十分に感銘を受けた者としては、肥大化した現実に未来が感じられない。



限られた資源をセーブするため……ゴルフのオリジナルコンセプトは、そういうことで始まっている。そのためのダンテジアコーサ型FF2ボックスだった。ここまで大きくしていいのなら、FFでなくてもよかった。いまさらながらの思いが募ってきます。クルマ同士の比較論から求められる評価において、VWゴルフⅥは最新にして最良といえるかもしれない。でも、人や環境との調和……またぞろですが、人・道・クルマ=3重のシステムの視点から見たクルマということになると、必ずしもそうはならない。

ああ、またこうなっちゃいましたね……ですが、40年に及ぶ僕の価値判断に照らすと、単にハードとしてのクルマという意味で優れているからといって、即○ということにはならないんですよ。このままずっと石油資源が無尽蔵で、環境負荷にも問題がないというなら話は別ですが、どうもそういうことではないらしい。どうせ先に進むなら、心置きなく楽しめる方向を目指したほうがハッピーでしょう?

オーバースペック、オーバークォリティ、オーバーサイズにオーバーファンクション。量販領域ではとくに過剰性をどうやって押し止めるか。ここが勝負どころだと心得ます。日本におけるVWゴルフは、十分に小規模量販のプレミアムモデルといえますが。

40年前の高度経済成長のピークに自動車人生を始め、すぐにオイルショックと排ガス規制の荒波にもまれ、その最悪の時期にモータースポーツを志し、刀折れ矢尽きたところでメディアの世界に飛び込み、永遠の成長が信じられた80年代にお腹一杯様々な経験をさせてもらい、バブル経済を知り、その崩壊に呆然とし、清貧の時代に活路を見出し、ミレニアムに時代の変化を確信し、グローバル化とフラット化による津波状況に翻弄されながらも強気で自立の方向へと進み出したところでリーマンショックである。

振り返ってみればずっと激しいジェットコースター状態を生きてきたということになりますが、一個だけ確実なのはそれでも先に進むしかないということです。後戻りはできない。皆で渡れば怖くないという生き方に日和たくなることもしばしばですが、せっかくこういう立場にいるのだからジャーナリスティックに行きたいもの。因果な性格ですが、あえて空気を読まないスタイルでここまで来ています。貧乏は好きではありませんが、実力以上の豊さには魅力を感じない。寄る年波で、きれいごとばかり言ってはいられないのですが。

3月24日、58回めの春は、冷たい雨が降る底冷えのする一日でした。あと20年はこのままでやって行きたい。掌の生命線はそのくらい全然オッケーと出ていますが、さてどうなりますか。2010年は何としても乗り越えなければならないサバイバルの年。見通しを明るくするには、とにかく歩かないとね。3月末にNYからLAに飛び、4月は北京に行く。旅が僕の活力の素なのだ。

やるっきゃない……そんなもんでしょ?



Posted at 2010/03/24 23:36:02 | コメント(16) | トラックバック(0) | 日記
スペシャルブログ 自動車評論家&著名人の本音

プロフィール

「未来のために現在(いま)を生きている、のだ!! http://cvw.jp/b/286692/38730842/
何シテル?   10/21 16:15
運転免許取得は1970年4月。レースデビューは1975年10月富士スピードウェイ。ジャーナリスト(フリーライター)専業は1978年9月から。クルマ歴は45年目、...
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