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2016年12月30日 イイね!
走り方を比べる。
こっちの走り方のほうがいいのか、いや、あっちの走り方のほうがいいのか。
タイムに差が出るときって具体的にどういう部分がどういうふうに影響しているんだろう?
速く走るって結局どういうことなんだろう?
そういうことが知りたくなったとき、サーキットシミュレーションの考え方は、その手助けとなります。

そもそもの使い方としては、まったく走ったことのないサーキットなどで、まずシミュレーションによって参考タイムを計算してみる。
実際に走ってみてそれよりタイムが低かった場合、シミュレーションの走りと自分の走りとを比べてみて、どこがどう違うのかを考えていくことで、次回の走行に役立ててみる。
そういった使い方が基本的なものだと思います。
ただしシミュレーションを理解していく過程というものが、サーキット走行そのものを理解する過程と重なるので、そういった面でも役立ちますよというのがこのお話でした。

ところで僕は、サーキット走行では知識がないと速く走れない、とは思いません。
理論だけが大事?知識さえあれば速く走れる?計算が出来れば全てのことが分かる?
そうではないと思います。

こういう小難しい話になったとき、理論や計算を過大評価する向きがあるので、最後に帳尻合わせで書いておきたいと思います。
理論や知識、計算は、必要ない人には必要ありません。
また、計算というのは前提条件に基づくので、すなわち計算結果は実態とまったく同じになるとは限りません。
エクセル版サーキットシミュレーションを考案されたタツゥさん本人がおっしゃってますが、走行比較したいなら、わざわざサーキットシミュレーションを使わなくても身の回りに走りを比較するちょうどいい人(つまりプロ並に上手い人)がいれば普通にそれだけで済みます。
でもそういう人が身近にいない場合にはどうしようもないので、じゃあこういうの使ってみたらどうですかって、身も蓋も無い言い方をそればそういうことになります。

でもね、サーキットシミュレーションを理解していく過程で「なるほど!この要素とこの要素はこういうふうに関わり合ってるのか」って思ったり「これって意外とこんなに変化するんだな~!」って思ったり、ためになることはすごくたくさんあったので、難しかったけど理解して良かったなぁと思います。
やらないと分からないんですよ、具体的なことって。
理解したからと言って運転技術が上がるわけではないし、興味のない人にとってはツラいだけなのでまったくおすすめしませんが、少しでも興味があるなら頑張って理解しようと努力してみるのもいいかもしれません。

というわけで最後に改めて、こちらがタツゥさんの書かれた原文です。


 エクセル版サーキットシミュレーション作成方法第一回
 エクセル版サーキットシミュレーション作成方法第二回
 エクセル版サーキットシミュレーション作成方法第三回
 エクセル版サーキットシミュレーション作成方法第四回
 エクセル版サーキットシミュレーション作成方法第五回
 エクセル版サーキットシミュレーション作成方法コース図


こちらは考え方のみを取り出して僕が自分なりに噛み砕いた1話だけのバージョンです。


 サーキットシミュレーションの考え方


あと一歩が理解できない方のために、今回の解説10話分の目次です。


 サーキットシミュレーション その1
 サーキットシミュレーション その2
 サーキットシミュレーション その3
 サーキットシミュレーション その4
 サーキットシミュレーション その5
 サーキットシミュレーション その6
 サーキットシミュレーション その7
 サーキットシミュレーション その8
 サーキットシミュレーション その9
 サーキットシミュレーション その10


最後の「加速側と減速側」について、説明をざっくり省いてあります。
それより前の部分をしっかり理解できれば、必ず理解できるはずだからです。
分からないならひとつ前の理解が足りなかったということなので、そういったことを踏まえながら、頑張ってみてくださいね。

というわけでサーキットシミュレーションのお話でした。



皆様よいお年を!
2016年12月27日 イイね!
サーキットシミュレーションでは「あらかじめ設定された条件の中で、計算上最速となるような参考タイムを求める」ことが出来ます。

そのためには、あらかじめ最大加速Gや最大減速G、最大横G、車の重さやエンジン出力のデータ、ギア比のデータ、走行抵抗などなどの情報を設定しておく必要があります。
このうちエンジン出力やギア比については車の諸元表などから参考値を知ることができますが、走行抵抗などのように具体的な数字を知るのが難しいものについては、実際の車速グラフを見ながら実態と合うように逆算した数値を入力することで代用します。
その他、各パラメータが実態と合わない場合は、それに見合う係数をかけることで実態に合わせます。

(例えば計算上は300馬力になるはずの車が実際に走るとストレートがやたらと遅いような場合であって、かつ重量や空気抵抗その他の設定値に問題が見られない場合、例えば計算値の6割くらいの速度しか出ていないようであればエンジン出力に0.6をかけるなどして最終的な数字が実態と合うようにする、という意味です。もちろんエンジン出力よりも走行抵抗の問題と思われるような場合であれば、あらかじめ設定した走行抵抗値を増やすなどして、最終的な値が実態と合うようにします。そこが合ってないと始まらないので)







参考その1。







参考その2。
こちらは加速性能に関するものです。




最大加速G、最大減速G、最大横Gについては使用するタイヤによって大きく影響を受けますが、やはり計算するのは難しいので、GPSロガーの実測値を使います。
その際、無料解析ソフトLAP+などは実際よりも横Gが非常に大きく表示される傾向があるため、各コーナの最低速度地点における旋回半径と速度を拾って手計算で確認することをおすすめします。

このようにして各設定値の入力が済めば、あとは今まで説明してきたやり方でコース1周の所要時間をパソコンに計算させるだけ……と言いたいところですが、残念ながら最後に一番大事な作業が残っています。
それは「走行ラインの設定」です。
走行ラインを設定するためには、あらかじめ決めた区間毎(例えば1m毎とか5m毎とか)に走行ラインの曲率半径(旋回半径)を入力します。
基本的には実測のラインに合うように設定します。







(↑このように旋回半径を入力後、グラフ化すると↓このような走行ラインとなる)








実務上はこれが一番大変です。
例えばタカスサーキットであれば全長が1.5kmほどのコースなので、5m毎の入力だとしても曲率半径を300回も入力しなければなりません。
「この地点は半径50m、この地点では半径47m、この地点では半径45m…」というふうに、ひとつずつ入力していくわけです。
曲率半径の入力が適当だとシミュレーションの走行ラインが大きくズレてしまって使い物にならないので(そもそもコースの中に収まらなかったりする)、思うような走行ラインにしようと思うとかなりシビアな設定が必要になります。

まぁ、でも、それをやりさえすれば必要なものが得られるので簡単です。
成し遂げたければ、やればいいだけです、何事も(笑)

そのようにして走行ラインが決定されると、ようやく計算に必要なすべての項目が揃うので、あとは本当にパソコンに計算させるだけでタイムが算出できます。
お疲れ様でした。
……………。
で、理論上はそれで終わりなのですが、実務上はまだ終わりではありません。

というのは大抵の場合、そこで設定された走行ラインには「まだ詰める余地」があるからです。
表示されたラインと曲率半径とを見比べていると、この部分はまだまだ甘いな、もっとこうすれば最終的なタイムがもっと上がるはずだ、という部分がたくさん目につくはずです。
具体的には「曲率半径の変化がスムーズかどうか」ということか、パソコンで算出されるタイムに大きく影響を与えます。

例えばあるコーナにおいて、曲率半径の設定が「50m,41m,33m,26m,20m,15m…」という変化の場合であれば、前から順に9m,8m,7m,6m,5m…といったような差で変化していることになりますが、これが例えば「50m,50m,50m,20m,20m,15m…」という曲率半径の設定だったとすると、それぞれの差は「0m,0m,0m,30m,0m,5m…」となって、いびつな変化をすることになるわけです。
ただしコース上に描かれる走行ラインを見ると、「50m,41m,33m,26m,20m,15m…」と「50m,50m,50m,20m,20m,15m…」とを比較した場合、うまく辻褄が合ってしまって、どちらもあまり変わらない走行ラインであるように見えてしまうことがあります。
ところがそれぞれのタイムを計算してみると、見た目には同じようなラインであるのに、タイムは前者のほうがずいぶん速かったりするわけです。

(もっと言うと、曲率半径の差が9m,8m,7m,6m,5m…というのは半径の差が1mずつ減っていく線形の変化ですが、本来はコーナの事情に合わせた非線形であるべきなんだろうと思います。それがたまたま線形となることもあるかもしれませんが)

こればかりは実際に自分でやってみないと分からない感覚だと思うのですが、何回も何回も曲率半径を入力していくうち、「ひとつ前の地点との曲率半径の差」というものが「ハンドルの切り具合」に脳内で変換されていきます。
急ハンドルを切ったり、いびつなハンドルの回し方をしたり、スムーズでない運転をするとタイムが落ちる。
急激な曲率半径の差だったり、いびつな変化の仕方だったり、スムーズでない曲率半径の変化を入力してしまうとシミュレーション結果のタイムが落ちる。
「こんなちょっとくらいタイムには大して影響ないだろ」と思うようなものが、実際にはこんなにもタイムが落ちてしまうのか、ということを目の当たりにして認識を改めざるを得なくなる。

走行ラインってすごく重要なんです。

サーキットシミュレーションは、ひとたびクルマの設定値を入力してしまえば、走行ライン以外はパソコンによる自動計算です。
つまり「この走行ラインを走る限りにおいて、計算上の最速タイムは○○秒」というのを算出するものです。
でも走行ラインは自分で手入力します。
考えられる全ての走行ラインをスーパーコンピュータにシミュレーションさせて全てのタイムの中から最も短いものを選ぶという場合は自動計算できるかもしれませんが、膨大になりすぎて個人のレベルを超えてしまうので、現実的には手入力です。

まず、自分が実際に走った走行ラインで計算してみます。
それから「もっとこういう走行ラインにしたほうが良かったんじゃないか?」と思うような走行ラインに変更してみて、計算上のタイムがどのように変わるかを確認します。
走行ラインを変更することで、速くなったかもしれないし、遅くなったかもしれません。
あんまり変わらないかもしれません。
でも意外と変化のあるものなので、走行ラインの変化が具体的にどのようにタイムに影響するかということを考えながら作業していきましょう。

ちなみに路面のグリップがコーナのイン側とアウト側で大きく違うような場合、シミュレーションではこういう走行ラインのほうが速いのに、実際に走るとこっちの走行ラインのほうが速い、といったケースが考えられます。
そういった個別の事情にも配慮しながら、しかし個別の事情に捕われ過ぎることもなく、出来るだけ実態と合うように試行錯誤することで、「決められたコースを最速で走るということはどういうことなのか」ということへの理解が少しずつ進んでいきます。
まぁでもタカスサーキットとかだとそういうコーナはありませんし、大抵はレコードラインにラバーが乗ってるはずので、雨でも降ってない限りタイムの逆転現象は起きないと思います。
個別の事情に捕われすぎてしまうと現実が見えなくなってしまうので、多少は考慮に含めたとしても、出来るだけ過不足ないような理解を心掛けたいですね。

というわけで記事が長くなってしまい申し訳ありませんが、走行ラインは大事ですねってお話でした。
今回のエクセル版サーキットシミュレーションの考案者であるタツゥさんのこちらの記事も参考にしてください。

次回で最後になります。
2016年12月20日 イイね!

「速度が大事」

ということを、前回の記事で書きました。
各地点における速度は時速何kmになっているのか。
このコーナのこの地点の速度は何km/h?
こっちの地点では?
そこからひとつ進んだこの地点では?
そういったことが大事、ということですね。





こちらは横軸が距離で、縦軸が速度になっているグラフです。
クルマの走りを物理的に捉える場合、このグラフが最も基本的なものとなります。
何故かというと、これが「どの地点で何km/hになっているか」ということを表すものだからですね。

例えばコース1周を走ったときにタイム差が発生するのは、どこかの地点で速度に差があるからです。
全ての地点の速度が同じなら、タイムはまったく同じになります。
ちなみにこのお話は決められた走行ラインを走る前提で書いているのですが、走行ラインに関しては後ほど書きますので今回はちょっと横に置いといてください。

A車とB車の2台があったとして、コース1周の全ての地点においてBよりAのほうが速度が高いという場合、必ずAのほうがタイムが短くなります。
片方はストレートが速く、片方はコーナが速いという場合は、どちらのタイムが短くなるかは計算してみないと分かりません。
タイムの計算には各地点の速度を使います。
いずれにしても、「速度」というものがタイムに最も深く関わっているもののひとつであるということが分かります。

横Gや縦G、あるいはヨーモーメント、荷重移動、トラクションなどなど、そういったことはある意味で「速度差が発生する原因」に過ぎないので、どうでも良いとまでは言えませんが階層がひとつ下になります。
サーキット走行にはたくさんの用語が関わってきますが、それぞれの要素がどういう形でタイムに影響しているのか、ということを理解することが大事だと思います。
つまり速度が大事ってことです。
まずは「速度の差がどのようにタイムの差につながっているか」を理解し、その次に「この地点でこのような速度差が生まれたのは何故か」というふうに考えていくとよいと思います。
そしてその先に横Gや縦G、ヨーモーメント、荷重移動、トラクションなど細かい事情があるわけですね。

そのため、例えば速度差があることを飛び越えて「ここで横Gが低いからタイム差が出た」とか「ここでトラクションが足りなかったからタイム差が出た」というふうに考えるのは少し危険かもしれない。ということになります。
頭の中では「そのことが速度差につながった」という部分がちゃんと意識されていて、それを便宜上省略しているのなら問題はないのですが、そこが意識の中からまったく抜け落ちてしまっている場合はそもそもの理解が誤っている可能性があります。

でも理解してなくても速く走れる人はいっぱいいるので、速く走りたいということが目的ならそれでも問題はありません。
クルマの走りについて物理的な側面から理解したいという場合は、もう少し具体的に中身を見ていく必要があります。

大事なことなので改めて書きますが、各地点における速度がまったく同じなら、タイムもまったく同じになります。
どこかの地点に速度差があるからこそタイム差が生まれるわけですね。
サーキットシミュレーションを正しく理解できるようになると、各地点の速度を計算できるようになるわけですから、2つの走りを比べたときの意味合いというのを理解できるようになります。
速く走るとはどういうことか、具体的にどの部分を比較するべきで、それらの比較の結果、そうなった原因はどこにあるのか。
そういったことを考えていくための大きな手助けになります。

次回はシミュレーションの実務と走行ラインについて書きます。
2016年12月13日 イイね!
各地点における旋回半径が決まっているとき、まず「速度=横G×半径^0,5」の横Gのところに最大横Gを代入して速度を求める。
そのときの速度を、便宜上、横G限界速度と呼ぶことにしましょう。
しかし実際にサーキットを走ろうとするとその速度だと曲がりきれないので(最低速度地点を除く)、横G限界速度よりも、速度を落とさなければならない。
どこまで速度を落とせばいいのかというと、タイヤ使用率が100%となるところまで。

そしてそのように決定された各地点の速度が、サーキットシミュレーションにおける各地点の速度になる。
…ということを前回の記事で書きました。

僕がサーキットシミュレーションを学んでいたとき、ここまで理解したところで、僕の中ではなんとなく腑に落ちない気持ちがありました。
それは各地点で発生しているグリップ力の「縦と横のバランス」についてです。
この計算方法では、基本的に縦Gは成り行きで決まります(もちろん上限は設定しますが)。
横Gについては、とりあえず最大横Gで計算しておいて、そこから速度を落としていくという方法をとっている。

そこではタイヤグリップの縦と横のバランス、つまり各地点においてどのくらい縦Gが出ているべきで、それに対して横Gはどのくらいであるべきか?という概念が入ってきません。
僕はなんとなく、縦と横のバランスが先に決まるべきでは?といったような感覚が頭の中にあって、うまく納得できませんでした。

そもそも、速度を計算するにあたって横Gは使っているのに、縦Gは使っていない。
いや、タイヤ使用率の中で縦Gは出てくるけれども、順序として最初に横Gが使われたあとで縦Gが出てきている。
なんとなくそれっておかしいのではないか?
縦Gと横Gは同列に扱われるべきで、走行ラインにおける各地点、たとえばコーナの頂点に近いところとか、もっと進入寄りの地点とか、そういう違いによって縦と横のバランスが決められるべきなのではないか?というのが頭にあったんですね。

ところがよく考えてみると、縦と横のバランスなんでどうでもいいんです。
いや、どうでもよくはないんですが、各地点における縦Gや横Gなんて単なる結果であって、目的ではありません。
重要なのは、速度、です。

というのは、例えばプロが最速でサーキットを走ったとき、各地点における速度さえ分かればそのときの横Gも縦Gも全て分かるからです。
バランスどうこうではなくて、速度そのものが大事なんです。
そして走行ラインが決まっているとき、タイヤ使用率という制限によって、出すことの出来る速度というのはある程度限られてしまいます。
その中でタイムが最も短くなるようなもの、そういう速度を求めようとするとき、まず「その地点において曲がりきれる最高速度」を計算し、そこからタイヤ使用率が100%となるところまで速度を落としていくことで、最適な速度が求められる。
そのときの「その地点において曲がりきれる最高速度」というのがつまり、横G限界速度であるわけです。

そういう手続きでもって算出された速度をもとにして、縦Gと横Gを求めることは可能ですが、それは単に結果に過ぎません。
「タイヤグリップは摩擦円を超えない」つまり「タイヤ使用率は100%を超えない」という制限があったからこそ、旋回半径との兼ね合いで縦横のバランスが決まるだけであって、それが目的なのではない。
だから、縦Gと横Gのバランスが先に決まってあとから速度が決まるべき…というのではなく、速度は速度として考えればよい、ということになります。

ここまでで一通りサーキットシミュレーションの解説を終えました。
おそらく現時点でもっとも易しく(=無駄にたくさんの文字数で。笑)解説してある記事になったのではないかと思いますが、これで分からなかった方は残念ですが僕ではお力になれそうにありません^^;
でも大丈夫です、計算が出来る出来ないは置いといて、速い人は速いですから…(笑)

残り数回で、「これって結局どういう意味を持つの」ということを書いて終わりにしたいと思います。
2016年12月04日 イイね!
相変わらずバタバタしています…。
新型インプレッサやロードスターRFを発売前に契約してもらって新しいクルマばっかりだなぁと思ってたら初代インプレッサSTIとか昭和製のファミリアとかの修理で「部品が生産終了です!」攻撃と格闘しています…どないやねん…(汗)

さて(笑)









物理的に最速で走ったときの各地点の速度が知りたい。
そのためには、まず最低速度地点における速度を知りたい。→それは計算できる
次に、最低速度地点よりもひとつ前の地点における速度を知りたい。→今ココ


ここで、読みやすさのために最低速度地点=A地点、最低速度地点よりもひとつ前の地点=B地点と呼ぶことにします。

さて物理的に最速で走ったときのB地点における速度…の求め方なのですが、単純計算では出てこないので、まぁ言ってしまえば「数打ちゃ当たる作戦」でゴリ押しします。
そんなやり方はスマートじゃない!と思われる方がいるかもしれませんが手段がスマートかどうかは問題ではありません。
少々泥臭くても、求める値を得られること、が重要です。

ところでA地点における速度というのは、僕のクルマの場合は42km/hでした。
これは「速度=横G×半径^0.5」という式に横G→1.15G、半径→12mを当てはめて解いた値です。
できればB地点も同じようにして解きたいのですが、旋回半径は分かっていても、横Gが分かりません。

A地点に1.15Gを当てはめることが出来たのは「その地点においては横Gが最大である」ということが前提として分かっていたからです。
ところがB地点においても同じ横Gを当てはめよう思うと、明らかな不都合が出てきてしまいます。
一体どういうことでしょう?

ここでお詫びとお知らせがあります、前回の記事で「ひとつ前の地点より1km/hだけ速度を落としてみて、それが正しい速度かどうかを検証してみる」と書いてある部分がありますが、間違いでした。
すみません。
最低速度地点というのは最も速度が低いからこそ最低速度地点なのであり、ほかの地点をそれより1km/h低くしてしまったら最低速度地点ではなくなってしまいます!(笑)
それはひとつのコーナにおいて、A地点(最低速度地点)以外の全ての地点はA地点よりも速度が高い、ということを意味します。
したがってB地点の速度はまだ分からないけれども、少なくともA地点よりも高いということは分かっている。

つまりB地点からA地点に向かうにつれて、速度が低くなるわけです。
分かりますね、速度が低くなる。
ブレーキ踏みながら(離しながら)突っ込むんだから当り前です。
高い速度から、減速した結果、最低速度に至ったわけです。
そこでは「減速した」という事実があるわけですが、この「減速した」という事実が、ひとつ大事なポイントになります。
何故なら物体が減速すると必ず縦Gを伴うからです。

皆さんご存知のように、タイヤのグリップ力には限りがあるので、横に100%のグリップ力を使っているときは縦にグリップ力を使うことは出来ません。
逆に言うと、縦にいくらかのグリップ力を使っているとき、横に使っているグリップ力は少なくとも100%でないということが分かります。
縦Gが発生しているということはタイヤのグリップ力を縦に使っているということですから、そのときの横Gというのは、決して最大横Gではないということが分かる。
横に最大横Gを発生させつつ、それに加えて縦Gも発生させようとしたのでは、タイヤの摩擦円をはみ出してしまうことになります。

そこで、この関係というのを逆に利用してやれば、求める値が出てきます。
まずはとりあえず最大横Gで計算してみる。
具体的には「速度=横G×半径^0.5」の「横G」の部分に1.15Gを入れてやるわけです。
旋回半径は既に分かっている前提なので、とりあえずこれで式を解けば数字が出てきます。
ただしその速度ではタイヤの摩擦円をはみ出してしまう、ということも既に分かっている。

旋回半径が分かっているとき、速度が決まれば縦Gと横Gが分かります。
するとタイヤ使用率={ (縦G÷最大縦G)^2 + (横G÷最大横G)^2 }^0.5 を使って摩擦円をはみ出しているかどうかの算定が出来るようになります。
というか、計算するまでもなくはみ出しているわけですが、はみ出してしまっているのなら、速度を下げてはみ出さないようにしてあげればよろしい。
というわけで、出てきた数字よりも1km/hだけ速度を下げてみます。
出てきた数字が50km/hなら、49km/h。

50km/hではタイヤ摩擦円をはみ出してしまうことが分かっているわけです。
で、49km/hならどうだ?と計算してみる。
タイヤ使用率は100%を超えてしまっていないだろうか?
計算の結果、まだ100%を超えていたなら、49km/hをさらに下げて48km/hで計算してみる。
そのときのタイヤ使用率は100%を超えていないか?
まだ100%以上になってるなら、さらに速度を下げてみる。
48km/hでダメなら、47km/h。47km/hでダメなら、46km。

そうしていくうちに必ずタイヤ使用率が100%になる(または僅かに下回る)速度に行き着きます。
その速度こそが「物理的に最速で走ったときの、その地点における速度」になるわけです。
ちょっと泥臭いですがこの方法なら確実です。
そして表計算ソフトのマクロ機能を使える方なら、面倒な繰り返し計算を自分ですることなく、全てパソコンに丸投げで処理することが出来ます。

この方法でB地点の速度を求めることが出来たら、B地点よりもひとつ前の地点の速度も、同じようにして求めます。
それを繰り返して他の地点の速度も求めます。
最大減速Gと最大加速Gが設定されていれば減速側のすべての地点と加速側の全ての地点における速度が分かるので、重複する部分(コーナでなくストレートとなる部分)については低いほうの速度を当てはめることでコース1周分の速度がすべて算出できます。
すべての地点における速度が分かったら、あとは普通に計算してコース1周に要する時間(タイム)を求めます。

これだけだと「何故こうやって計算した結果が物理的に最速と言えるのか?」がいまいち納得できない人もいると思うので、次回ちょっと補足しますね。
プロフィール
「タイムは上がり続けなければならない http://cvw.jp/b/296664/38366405/
何シテル?   08/11 21:17
ども。
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2009/04/16 23:19:49
 
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14年式のNB3型1,8RSです。 足回り以外はだいたい純正のままです。
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