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イイね!
2011年08月07日

夕立



夏の日、ふと視線を移した先に、薄い灰色をしたもやのようなものが見えた。
それが景色の向こうで振り落とされる夕立によるものだと分かるまでには、ほんの少し時間を要した。

夏の日の人の感情は熱を帯びて青い空に舞い上がり、白く美しい大きな塊としてぽっかりとそこに浮かぶ。
抱えきれない心の重圧はたくさんの水しぶきと共に地表へと落下する。
ときたま生じる雷が、静けさの中で鋭く光った。
どおんという音と共に響く衝撃は、痛みを抱えた心へのそれであり、放たれた光は頬を伝うなにかの反射であったかもしれない。

雷はひとつ、またひとつと落ちた。
少しずつ暗くなる雲々の影が、ひとつ向こう側で降りしきる雨の量を予感させた。

水。

時に悪意を持って人々に降りかかる。
その恐ろしいことを知っていたかもしれないし、知らなかったかもしれない。
壊して、なぎ払い、飲み込んで、流し去ってゆくもの。
それは恐ろしいものだったのだ。

そんな恐怖の影とは裏腹に、景色のこちら側はあっけに取られるほど晴れていた。
降り注ぐのは水ではなくたくさんの日差しで、足元を流れる小川はさらさらとかわいらしい音を立てている。
再び視線をやれば、薄い灰色をしたもやのようなものは相変わらず暗くて恐ろしい影を見せる。
やがてそれは少しずつ白っぽく霧散していき、いくらかの時間をかけて晴れ間へと戻った。

水や風などといったものは人の都合など考えない。
その中にあって人は確かに無力なものかもしれない。

視線を落とすと、何故こんなところに、と思うほど、ぽつりと一輪だけ咲く花がそこにあった。
決して恵まれた花畑の中ではない、熱されたアスファルト脇の雑草に混じって、ああ、なおもきみは凛と立っている。
凛と立っている。



夕立を過ぎた風はひんやり冷たくて気持ちが良かった。
遠くの景色のさらに向こうに、またひとつの薄暗い大きな積乱雲が見て取れる。
辺り一面に広がる稲穂と流れる小川に囲まれながら、繰り返すいのちの営みに思いを馳せるのであった。
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2011/08/07 18:31:26

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