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aki@rsのブログ一覧

2016年10月25日 イイね!

サーキットシミュレーション その6




例えばプロが走ったとき、ストレートのトップスピードが100km/hで、コーナの最低速度が40km/hだったとしましょう。
あなたはそれを知って「よし、最低速度は40km/hになるように走ろう!」と思うわけですね。

でも例えば





こういう走り方でも、





あるいはこういう走り方でも、最低速度としては同じ40km/hなわけです^^;
でも実際はいろいろな走り方が考えられますね。
シミュレーションを作成するにあたっては、具体的にはどういう走り方が「最も速い走り方」になるのかを確認しておく必要があります。

ところで上の例では分かりやすく、100km/hと40km/のちょうど間くらいの地点における速度がどれくらいか?に着目しています。
でも正確には、100km/hと70km/hの間、70km/hと40km/hの間も見ていく必要がありますね。
タツゥさん作成のサーキットシミュレーションでは、基準となる地点が5m間隔で設定されています。
2コーナで言うと距離的に100mくらいなので、全部で20箇所の観測地点が存在することになります。
「オレはもっとこだわるぜ!」って方は1m毎に設定すれば、もっと綿密なシミュレーションをすることが出来ます。
でも労力が5倍になるのでツラいと思いますけど…(笑)

さて「この走行ラインで走る限り、最も速く走った場合のタイムは何秒になるか」というのがサーキットシミュレーションなわけですが、クルマはタイヤグリップの限界を超えて速く走ることは出来ません。
タイヤのグリップ力は車重や空力、サスペンションなどなどによって影響を受けるわけですが最終的には縦Gと横Gに表れるので、ここでは「発生できる最大の縦G」「発生できる最大の横G」「現在発生している縦G」「現在発生している横G」の4つで考えていきます。

タイヤは縦に全ての力を使っているとき、横に力を使うことは出来ませんし、その逆もまた然りとなります。
このようなタイヤの摩擦力をベクトルの考え方で表したものを一般に摩擦円と呼びますね(こちら参考にしてください)
ここで、摩擦円の考え方に従い「タイヤ使用率」というのを次のように定義します。

 タイヤ使用率={ (縦G÷最大縦G)^2 + (横G÷最大横G)^2 }^0.5

最新のタイヤ事情に詳しい方は「ちょっと意義アリ!」という方もおられるかもしれませんが、そういう場合はお好みの事情に合わせて式を調整してください。
基本的には最大縦Gと最大横Gを使って定義されている以上、大きな問題はないと思うのでこのまま進めます^^

上の式で実際の速度を元にタイヤ使用率を計算するとき、計算結果は0~1の間になります。
タイヤ使用率が1のときは「タイヤの力を100%使っている」ということになりますし、それ以下のときは「タイヤの力が縦か横のいずれか余っている」ということになります。
ちなみに僕が前回使ったシミュレーションでは最大縦Gは加速側0.7G(減速側0.8G)、最大横Gは1.15Gで設定しています。
(無料解析ソフトLAP+では横Gがやたらと大きく表示される傾向があるので、最大横G発生時の旋回半径を取り出して速度から計算し直す必要があります)

クルマはなるだけタイヤの力を引き出して走ったほうが速いので、タイヤ使用率が常に1(またはそれに近い値)となるように走ればいいわけです。
走行ラインの曲率半径が決定している場合、速度が決まれば縦Gと横Gが分かるわけですが、タイヤ使用率が1となるような速度を一体どのように計算すればいいんでしょうね?

難しくなってきたので、続きます^^;
2016年10月19日 イイね!

サーキットシミュレーション その5

各コーナにおける最低速度は、高すぎると曲がりきれないし、低すぎれば遅くなってしまいます。
速すぎても遅すぎてもダメ、じゃあ具体的には何km/hにすべきなのか?という話になったとき、その目安となる数字を計算してみようというのが前回のお話でした。

ところで、あなたはあるサーキットを走っていたとします。
トップスピードが150km/hとなるストレートを抜けた先に、左コーナが待ち構えています。
この左コーナにおける最適な最低速度は、ちょうど50km/hだったとしましょう。
(つまりプロが走ったときの最低速度が50km/hだったとします)

あなたは時速150kmからブレーキを踏んで減速します。
目の前には左コーナが迫ってきました。
コーナリングしなければいけないので、あなたはブレーキを緩めながら、ハンドルを切り込んでいきます。
そして最もハンドルを切り込んだ地点において、最低速度50km/hを記録しました。
その後すぐに加速体勢に移ることが出来たので、コーナをスムーズにクリアすることが出来ました。
めでたしめでたし。

って、ちょっと待って!!!

最低速度が50km/hが最適だというのは分かりました、まぁとりあえずそういうことにしましょう。
ちょうど50km/hにまで落とせばいいんですね。
でもその前のストレートでは150km/hくらい出てたわけです。
さっきまで150km/hだったものが50km/hに落ちるまでの、その間というのは、どんなふうに走ればいいんですか?
そこが曖昧なままですね。
ブレーキペダルを床まで踏み続けて、一刻も早く50km/hにまで落とすようにすればいいの?
それともブレーキはソフトに優しく操作して、ゆっくりゆっくり50km/hに落としていくの?
あるいは、その中間がいいの?
ていうか中間ってどのくらいなの?
どうなの??ねぇそこんトコどうなのakiさんよ!!(怒)

ということが次の問題になってくるわけです。
操作で言えば「ブレーキを緩めながらハンドルを切り込んでいく」という部分。
言葉では分かるけど、どれくらいブレーキを緩めて、どれくらいハンドルを切ればいいのか、いまいち曖昧で分かりませんね。
曖昧なのは気になります。
気になって気になって夜も寝られません!

この部分はサーキットシミュレーションの考え方を理解するうえで核となる部分なのですが、それだけにちょっと難しいところでもあります。
このお話のシリーズは「どういう運転をするべきか」というドライビング的なアプローチではなく、物理的限界のタイムを計算してみようという趣旨ですから、何かしら物理的限界を決める要因が欲しいですね。

その物理的限界を決める要因というのが、皆さんご存知、摩擦円になるわけです。
タイヤのグリップ力には限界があって、限界以上の力は出せない。
モータースポーツをするうえで最も基本的なこの制約により、「150km/hだったものが50km/hに至るまでの過程」における最適な速度変化というのを決定させます。

引っ張るようで申し訳ありませんが、続きは次回。
一気に書いちゃうと難しくなっちゃうので^^;
2016年10月15日 イイね!

サーキットシミュレーション その4

先日のおさらいです。


 速度=(横G×半径)^0.5


2コーナにおいて、最大横Gを1.15、旋回半径を12mとすると、そのときの速度は約42km/hでした。


  ---以下、読みたい人だけ---
  計算の仕方としては、まず横Gの単位の変換を行います。(G→m/s2)
  1G≒9.8m/s2なので、1.15G ≒ 9.8×1.15 = 11.27m/s2
  これを横Gのところに当てはめて、速度=(11.27×半径)^0.5
  半径のところに12mを当てはめて、速度=(11.27×12)^0.5
  ここで「X^0.5」という表記は「ルートX」ということなので、
  ルート(11.27×12) = ルート135.24 ≒ 11.6
  (ちなみにグーグルで「ルート135.24」と入力すれば計算してくれます。便利)
  ところで11.6というのはm/sという単位なので、これをkm/hに変換すると
  11.6×3.6=41.76 したがって41.76km/h
  ---以上、読みたい人だけ---



というわけで2コーナに関しては42km/hという計算になりました。
ここで出てきた42km/hという数字は「横G1.15、半径12mで走ったとき、必ずその速度になる」という意味を持っています。
したがって2コーナで42km/hよりも低い速度、例えば40km/hでしか走れなったとしたら、それは横Gが1.15より低かった、もしくは半径が12mより小さかった、といういずれかの原因によります。
ちなみにここでいう速度、横G、旋回半径は、コーナリング中のある一点を切り取った瞬間的なものを指しているのでご注意ください。

42km/hというのはあくまで計算上の数字なので、2コーナにおいて、最低速度は絶対に42km/hじゃないとダメだということではないのですが、とりあえず最速で走るための目安となる数字です。
この地点において42km/hより速かったとしたらきっと曲がり切れなかったりスピンしてしまったりするでしょうし、逆にもっと遅かったりしたら、例えば時速35km/hとかだったらずいぶんタイムが落ちてしまうでしょう。
最低速度は高すぎても低すぎてもダメ、じゃあどのくらいが一番いいのか?という話になったとき、その目安となる数字は計算で出すことが出来る。
そこからもっと進んで、1ラップ全体の目安となるタイムも計算してみよう!
というのがサーキットシミュレーションの趣旨となります^^

ところで2コーナ以外の、他のコーナではどうなるでしょうか?
それぞれ見てみましょう!








1コーナ 42km/h

2コーナ 42km/h

影山コーナ 44km/h

ゲッチャン 42km/h

(S字は省略)

グリップエンド 59km/h

最終コーナ 63km/h



ということで、あくまで計算上の目安に過ぎませんが、各コーナの最低速度の目標はこのようになりました。
最低速度になるのはほんの一瞬なのですが、とても大事な一瞬です。
その一瞬というのは走行ラインのカーブの頂点であり、最もハンドルを切り込む地点であり、旋回半径が最も小さくなる地点であって、最低速度となる地点になります。

次回はいよいよサーキットシミュレーションの核心部分に入っていきます!


















p.s.

明日のガズーレーシングラリーチャレンジは仕事のため行けなくなりました…
2016年10月11日 イイね!

サーキットシミュレーション その3





今度はV字寄りの走行ラインです。







旋回半径はこのように設定してあります。
コーナ中央に近づくにつれて半径が小さくなり、12mを境にして、今度は大きくなっていきます。

具体的な数字を見て「まだまだ曲率半径の設定が甘いな!」と思ったあなたはするどい(笑)
走行映像が頭に浮かぶタイプの方でしたら「ハンドルの動きがカクカクしてるよ」なんて感じる人もおられるかもしれません。
まぁ一応これでも頑張ったんです、数字だけで合わせ込む作業は頭痛くなってくるので、このへんで勘弁してください(笑)









ところでこの走行ラインにおいて、最小となる曲率半径は12mです。
半径がどんどん小さくなっていく範囲においては、横Gが増えていき、縦Gが減っていくことが分かります(※単位はGではなくm/s2です)
逆に12mを過ぎて、半径がどんどん大きくなっていく範囲においては、横Gが減っていき、縦Gが増えていくことが分かります。

これは皆さんの体感に合う結果だと思います^^
コーナの奥に向かうにつれて、ハンドルを切りながらブレーキを離していく。
コーナの頂点を過ぎてストレートに向かうときは、ハンドルを戻しながらアクセルを踏んでいく。

ここで、ブレーキを離し終わるあたり=アクセルを踏み始めるあたりの地点において、どこかに横Gが最大となる地点があるはずです。
横Gが最大となる地点は、基本的に旋回半径が最小になる地点でもあります。
上の例で言えば、それが12mという数字なわけですね。

タイヤのグリップ力には限界があるので、最大横Gにも限界があります。
先日のブログに出てきた旋回半径一定のコーナリングの場合は、「常に最大横Gを出し続けるようなコーナリング」をしていたわけです。
今回のラインでは、そのようなコーナリングをしているのはほんの一瞬しかありません。
旋回半径が12mになった、285m地点のあたりだけです。
ただしほんの一瞬とはいえ、どんなラインで走ったとしても、そのような(あるいはそれに近い)瞬間というのは必ずあるはずなんですね。

ずいぶん前になりますが、クラゴンさんの定常円の記事にも同様の趣旨のことが書かれています。
一部引用させてもらいましょう。

「定常円はコーナリングの基本にして、限界のコーナリングには必ず定常円があります。なぜかというと加速or減速をしている間は、限界のコーナリングではないから。これはドライビングスタイルの問題ではなくて、物理学的なアレです。この機会に覚えておいてください。コーナーのRやクルマの特性によって定常域の長さが変化するから難しいんだけどね。」

ちなみに今回の計算において、最大横Gは実測結果から1.15Gと設定してあります。
1G≒9.8m/s2なので、1.15G≒11.3m/s2です。
したがって基本的にはどのコーナにおいても11.3m/s2くらいの横Gが出る瞬間があるべきで、そうであるからこそ、最速シミュレーションをするときの計算の基点になるわけですね♪

いよいよ、速度の計算に入っていきましょう。
計算式としては、

 速度=(横G×旋回半径)^0.5 
 (単位は速度がm/sec、横Gがm/sec2、旋回半径がm)

具体的には2コーナの最小旋回半径12mのとき、1.15の横Gを出そうと思うと、そのときに必要な速度は次のとおりになります。

 速度 = (11.3×12)^0.5 ≒ 11.64m/sec ≒ 41.92km/h

(ちなみに画像の計算結果では横G11.2m/sec2、縦G1m/sec2で速度41.9km/hと表示されていますが、端数処理の関係ですので、理解のために検証される方はご注意ください^^; 実際は横G11.1533670425415、加速G0.96709680557251、速度41.878198240446で計算されています。のちの説明に出てきますが、タイヤ使用率={ (縦G÷最大縦G)^2 + (横G÷最大横G)^2 }^0.5 は1を超えないものとする)

そんなわけでタカスサーキットの2コーナを最大横G1.15で走る場合、出来るだけスムーズに42km/h前後まで減速し、そこから出来るだけスムーズに加速していくことが出来れば、速く走れるということが分かります。
実際には瞬間的に1.15Gより大きな横Gを出せることがあるかもしれませんし、それ以下でしか走れないことがあるかもしれません。
でもとりあえず最大横Gを1.15と仮定した場合は計算上の最低速度が42km/h前後となるので、もしもそのように走れない場合、それがドライバー側の原因なのかクルマ側の原因なのか、そしてそれは改善可能なのか不可能なのかを考えることで、理解が深まります。
まぁ大抵はドライバー側の原因ですのでいっぱい練習しましょう(笑)

次回は横G限界速度の計算に慣れるため、もうちょっと具体例を見ていきます。
(計算は嫌われるかもしれませんが、ひとつ大事なステップなので^^)
Posted at 2016/10/11 20:11:13 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2016年10月07日 イイね!

サーキットシミュレーション その2






こちらは先日のブログで出てきた走行ラインです。
コーナの端から端まで使って、出来るだけ旋回半径を大きく取っていることが分かります。

ここでは、コーナ入口から出口までの間、旋回半径が一定となるように設定してあります。
具体的には半径21mです。
これ以上大きくするとラインがコースからはみ出てしまうので、2コーナに関してはこのくらいが限界じゃないかなぁと思います。







紫色になっている「曲率半径」と書かれたところが旋回半径です。
スタート位置から数えて265m地点のところが2コーナ曲がり始めということになるのですが、その265m地点から325m地点のところまで、約60mに渡って同じ21mが保たれています。
このような走行ライン上を、タイヤグリップの範囲内で最も速く走ろうと思うと、速度変化としては次のようになります。







加速も減速もせず、常に同じ旋回半径で、タイヤグリップをコーナリングのみに使うとき、その限界速度は一定になります。
なんか見慣れない速度変化ですね(笑)

でもでもこれは計算上のことなので、実際にはこんなふうに速度一定を保って走ることは難しいと思います。
タイヤグリップに十分な余力を残した状態なら、あるいは可能かもしれませんが、限界走行ではたぶん無理なんじゃないかなぁ。

というのも、言葉のうえで「加速も減速もせずにコーナリングだけにグリップを使う」という場合、通常はアクセルもブレーキも踏まずにハンドルを一定に切り込んだ状態のことを指しますね。
でもその状態だと実際にはクルマは減速をするはずです。
理由は2つあります。

1.エンジンブレーキなどがかかる
2.ステアリングブレーキがかかる

ここで、1に関してはクラッチ切ってればエンジンブレーキをキャンセルすることが出来ます。
でも2に関してはどうしようもありません。
ハンドル切らないとクルマは曲がれませんが、ハンドル切ればステアリングブレーキがかかります。
フロントタイヤに発生するタイヤ横力は常に進行方向に対して斜め後ろを向いているからです。
これはゼロカウンタードリフトをしている場合も同様ですから、基本的にタイヤのグリップ力を全て真横に使おうと思うと、クルマを真横に向けてハンドルをまっすぐにした状態にするしかありません。

というわけでコーナリング中のクルマはどうしても減速にいくらかのグリップ力を使ってしまうのですが、それが嫌な場合はちょっとだけアクセルを踏んでやることで、減速と加速を相殺させることが出来ます。
すると見かけ上は加速も減速もしていないのでタイヤグリップを真横だけに使っているように見えますし、ロガー上にもそのように現れます。
実際は減速と加速の相殺が起きているので、その分でタイヤグリップを消費していることになるのですが、まぁとりあえず見かけ上は真横だけに使っているようにすることが出来ます。

で、そのような走り方は速いのか?って話ですね。
前回の計算に関する限り、0.33秒遅くなりました。
ちなみにこの計算の中には減速と加速の相殺が含まれておらず、純粋にタイヤグリップの100%を真横に使ったものとして計算されているので、実際はもう少し差が出るかもしれません。
まぁそもそもタカスで速い人は2コーナをこんな走り方しないので、わざわざ計算しなくても答えは出てるでしょうと言われればそれまでかもしれません(笑)

ところが、こういう走り方を考えることってある意味では非常に大事だと思います。
速い遅いは置いといて、全てのコーナリングにおいて基本となるべき考え方が含まれています。

というわけで次回は具体的な計算に入っていきます!

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「フェルスタッペン神がかってた」
何シテル?   07/01 00:02
福井のロードスター乗りです。 ロードスターは現在休眠中。 タカスサーキットをホームコースとしてサーキットアタックしていました。 GPSロガーの結果を元...
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カテゴリ:ロードスタークラブ
2009/04/16 23:19:49
 

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