ギンギラの加飾がされたミニバンの良さとはなんなんだろう。
箱系の車が好きではなくて、直接的にも間接的にもどうしてもディスりガチではあるのだけれど、これだけの数が走っていて、アル・ヴェル等の糞高い箱車が売れているいることを考えるとそこに表現したい価値が根底に流れていると考えた方が妥当だ。
人や物をたくさん運ぶならハイエース一択だし、街乗りで燃費が良い車がいいならHVの小型車を選べばいいし、遠乗りが多いならDEでもいい。
後ろに乗る人が快適であればよいのならSロングXJロングでもいい。悪路走行があったりキャンプに行くならSUVだし、長物や愛犬と移動するならワゴンがいい。
やっぱりでかいエンジンを積んで、走りの質を高めて、TPOにあった車を選びたいよね…みたいなそういうものとは違う何かがあるはず。
ということで、友人がヴェルファイアに乗っていたので聞いてみたのだけれど…どうも漠然としていてつかみどころがない。
割り込まれにくいし譲られるから最高とか、室内が広いとか、シートがデカくて最高だとか、高級感があるとか、そういうことは言うのだけれど。。。
フル装備のヴェルファイアを新車で買うなら、まだまだ新しいSクラスの認定中古でも手が届くじゃないか、アレなら割り込まれないし、足元も広いし、シートも最高で、素材含めて高級で、もうそういうニーズには最強だろう?とクルマオタとしては思うのだけれどどうも反応が悪い。
背が高くてデカくて銀ギラなことに意味があるという。
どうもその時は納得がいかなかったので「まあ好みの話だよな」で済ませたのだけれど、アルヴェルのオラオラ運転をみていると、これは「見栄」の話だな、と唐突に腑に落ちた。
デカいのはえらい、背が高いと周りを見下ろせるのでえらい、デカいシートはファーストクラスだからえらい、銀ギラはお殿様だからえらい。
ついでにデカいエンジンもつんで、トーションビームからダブルウィッシュボーンにかえてスペック上もえらい!!!!
こんなクルマ乗ってる俺すごい!!!!!!!って思えるような所だけにコストを突っ込んでいる事に価値がある、と考えるとよいのでは?と。
見栄を張るのは悪いことではないし、ボクもジャガーを選ぶのは見栄/虚栄心と自尊心を満たすためという側面があるわけで、その見栄を刺激する部分を最大限に引き出したのが箱バンのマイルドヤンキースタイルなのだと思えば商品が理解できる。
タイヤがついた移動体で寝そべる必要はないけど、見栄を張るには、糞デカいキャプテンシート必須だ。
なぜなら「ひろーい!シートおおきい!すごーい!」って言われることに価値があるわけだから、走行中の安全性が云々という事でシートを寝そべらないカッチリしたシートにする選択はあり得ない。
また、遠くからみてもサイズがデカくみえて見映えがする必要があるから、兎に角押し出しを強くすることに意味があるし、なんだかよくわかんねぇけど高そうにみせるために、つやつやのキラキラのパネルで照明がいい感じの内装にすることが必要。なので…そういう社会性を含んだ見栄/心を満たすためにツールと考えると、よくできた商品だなぁと思う。
見栄とか、またディスってんじゃねぇか!!!と言われそうだが、モノは体験や心を変化させるためのものであるし、社会的ステータスを示すために高価なものを買うこともあるだろう。
そう考えるならば、ある意味最先端を突っ張っ知っているのが銀ギラミニバンだともいえる。ただ、まあ個人最適化であり、社会や景観への影響、他人からの評価を考えると疑問符が付くけれど、大名行列で籠文化の発展形と考えれば、民族的にもイメージは付きやすいし、個人的には商品の成り立ちが理解できた気がする。
友人は、あんまりハンドリングが良くないとかまっすぐ走らないとか文句を言いつつも、片手ハンドルで斜めにシートに腰かけてオラオラ運転しつつ、やっぱ箱バンばらアルヴェルだよな、と満足そうにしている。
つまりニーズと商品コンセプトがある程度マッチしているわけで、彼にとっては買ってよかった商品の一つだと、今なら理解できる。
あの時は若干ディスってすまんかった。
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Posted at
2019/07/20 20:08:46