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TypeJの愛車 [日産 シルビア]

整備手帳

作業日:0001年1月1日

SR20DE改

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1、SR20DEの種類と変遷
・FRユニットとしてのSR20DEは大まかに言って:
* PS13に積まれた「ゴールドヘッド」。これは吸気側ハイポートヘッドの前期型。
* S14以降に積まれた吸気側可変バルタイ機構装備でローポートヘッドの後期型。
の2系統に分かれます。チューニングベースにはハイポートかつADポート採用の前期型が向いています。
* ブロックは互換性があり、ピストントップの形状の差によってPS13は圧縮比9.5:1(レギュラー仕様)S14/15は10.0:1(ハイオク仕様)となります。出力は、カタログ値PS13:140馬力、S14:160馬力、S15:165馬力です。
・RPS13(180SX)の最後期に積まれたSR20DEは、デスビと02センサーがS14以降と共用になったらしく、微妙に違うのですが、基本的に前期エンジンと同等と考えて差支えありません。
また、S15には「オーテックバージョン」というハイスペックNAユニットを積んだモデルがありますが、カタログ値で200馬力。実際のパフォーマンスは全くのノーマル状態(広報車?)で、DC2インテR(98スペック)とのプロドライバー同士の対決で筑波1分10秒、インテR1分9秒という結果が出ていました。オーテックバージョンのノーマルの足回りの詰めの甘さを差し引けば相当いい勝負だったといえると思います。

2、PS13搭載 前期型SR20DE
・「ゴールドヘッド」のSR20DEには他にHP10プリメーラに搭載された150馬力バージョンが存在します。まず、ピストントップがフラットな為、圧縮比が10.0:1となりハイオク仕様となっている点が目に付きますが、カムの位相やリフト量に差は無いものの、ノックピンの位置やオーバーラップの設定がまるで違う為、同じ形式ながら、かなり印象が違います。ROMのセッティングも違うらしく、一部ではPS13用のSR20DEのEXH側のバルタイを一コマずらし、デスビを調整してプリメーラECUで制御するというのが1つの定番となっていました。この仕様で、排気側の抜けを良くするセッティング(タコ足&マフラー)を施すとかなり面白いフィーリングになります。更に吸気系の改善と圧縮比アップをすれば170馬力位になる可能性があります。これがリーズナブルな第一段階で、更に進めてINT側にプリメーラカム、EXH側可変スプロケでバルタイを調整し、燃調をしっかりとれば180馬力弱も夢ではありません。
・ チューニング第2段階
まず、走行距離です。10万キロを越したユニットはそろそろ限界と考えたほうがいいでしょう。圧縮圧力も下がっていますし、バルブの当たりもガタガタになっている可能性もありアルミブロックの歪みも念頭に入れなければなりません。メタルも怪しくなってきています。
また、使用する回転数の設定もチューニングの方向性を決定するのでよく検討すべきでしょう。分岐点は7500回転です。この純正レブ内でのチューニングを行うならば、HLAを殺す必要もありませんし、腰下ノーマルでもなんとか行ける筈です。ここではストリート+αのチューニングについて述べてみます。
現状、既にヘッドチューンしてあるならば、動弁系やEHXポート修正などのOHを最低限行ってヘッドは再利用し、腰下をS14/15の程度のいい中古品に置き換えるのが安上がり且つ、非常に効果的なチューニングだと思われます。この際、最低限の面研+0.6mmメタルガスケットを組み込めば11.0:1程度の圧縮比となりますのでかなり元気のいいエンジンになるでしょう。
ノーマルエンジンならば、いっそのことそれをスペアユニットとして取っておき、ベアエンジン(28万円)を購入。そして、ポンカム+0.6mmガスケット+可変スプロケ組み込みというライトなヘッドチューンを施すという手もあります。この手法の最大のメリットは全てのパーツが新品なので、全てに於いて信頼性や寿命のギャランティーが高いということです。ヘッドOH+チューニング+13中古ブロックをベースにOH(クランク&コンロッドメタル交換、ボーリング、ホーニング、ブロック面研)など一通り手を加えると相当の出費は覚悟しなければなりませんが、同時にZ32NAピストンやJN15ピストンを組みこむ事も可能なので、それなりのパフォーマンスは得られることは確実です。
燃調やバルタイ等をきっちり詰めれば、ベアエンジンベースで180~190馬力、中古14/15腰下、腰上フルOH+ライトチューンで190~200馬力は行くと思われます。13中古ブロックベースでもピストン、クランクをきっちりOHすれば同等以上のパフォーマンスを発揮するかもしれません。

・インジェクター:
ノーマルでもキャパ的には充分です。ただ、濾過抵抗を低減するために燃料フィルターは新品にすべきでしょう。

・燃料ポンプ:
値段的にはBCNR33純正加工流用がリーズナブルですが、東名やNISMOでも純正形状の強化ポンプが出ているので、これはボルトオンで装着できますし、吐出量が大きいです。高いのがネックですが。同時に強化ハーネスや、アーシングで電圧の安定化に気を使いたいものです。また、SR純正ポンプのまま可変プレッシャーレギュレーター等で燃圧を上げると容量不足の為、逆に燃圧低下やポンプのブローを招く可能性があるので、予備のポンプとOリングは常備しておいたほうが安心です。

・エアクリーナー:
純正のエアクリーナーがあの位置にあるのはターボ車との共用を図った為であり、右向きに装着するのが自然で、レスポンスも格段に良くなります。流体力学的にはデュアルファンネル構造のものが性能的に良いと思います。

・JN15パルサースロットル:
純正スロットル60φに比べ70φと大径。純正サージタンクに装着する場合は、東名製のアダプターを利用し、純正サージタンク側をリューター等で段付き修正した上で装着。アクセルワイヤーブラケットの角度が合わない為、その辺の加工も必要。
これにより、全域でのトルク感、高回転時のパワー感の向上に大きく貢献します。
ただし、ノーマルに比べ操作性がシビアになる傾向があります。

・エアフロメーター:
ターボ車はZ32エアフロの流用が定番のようですが、一時NAチューンにはRB20エアフロが流行りました。しかし、実際のところSR純正エアフロでも充分対応できますし、RB26エアフロや、SR20VE搭載のHP11エアフロ辺りでも充分なセッティングが可能なので余りに余力のあるエアフロを使用すると燃調が荒くなる可能性すらありますから、必ずしも高い投資をする必要が無いことを念頭に置いたほうが良いかもしれません。

・MDI:
通常のシンプルなCDIは高回転域でしか意味が無いのですが、永井電子のMDIは低中速でのトルクアップも考えられた設計になっています。また、和光テクニカルのCDI3点キットも低速トルクを補う補機類がセットになっているようです。

・プラグコード:
プラグコードは消耗品ですので、劣化の傾向があれば交換したほうがベターです。また、プラグコードにコンデンサーやアースコードが装着された高価なものも市販されていますが、構造を理解すれば、自作も難しくはありません。

・油温/水温管理:
S14ターボの前期/中期?用ラジエータ(コアが1層と2層の違いがある模様)がベストの純正流用品ですが、アッパーホースの加工によって、HCR32ターボやBNR32用も流用加工です。デスビ下のウォーターアウトレットがボトルネックになっているので、対策加工品に交換すると水温は見違えるように安定します。また、コアの層が増えると逆に効率が低下する場合があるので念頭において置いた方が良いでしょう。油温に関しては、オイル容量がSRエンジンは実質3.2L程度しかないので、大容量オイルパンを導入し、オイル量を4L~4.3Lに増量すればオイル性状劣化も抑えられ、O/C無しでも100度以下に温度上昇を抑制できます。アルミ製のものやスイングプレートが付いた本格的N2レース用などがありますが、コーナリングを攻める機会の多いユーザーにはバッフルプレートの付いたものがベターでしょう。ただ、エンジン搭載位置が下がるエンジンマウントを装着している固体は路面とのクリアランスに十分注意しましょう。SRエンジンのオイルストレーナーは本田のF20のそれのようにオイルパンヒットの対策がなされていない為、特に純正板金製オイルパンの場合、オイル供給不良の原因となりメタル焼きつきの結果、エンジンブローが発生した事例が数多く報告されています。また、低過ぎる水温は余分な燃料噴射を招く為、カーボン、スラッジ生成の危惧、オイルの希釈等の危険性もあるので、80度~90度の程度が適正水温と見るべきでしょう。オイルは110度を上限とし、エステル系の化学合成オイルまたはペンシルバニア産原油系のプレミアム鉱物オイルが無難な選択のようです。

・動弁系:
新ポンカム仕様の場合ですが、このカムは純正バルブスプリング対応です。サージングが起こらない限りは強化バルブスプリングは必要ありません。バルブ本体、コッター、バルブスプリング、ロッカーアーム等の動弁系はマージンが確保されていれば軽いに越したことはありません。もう一歩突き詰めるならば、JN15用のチタンリテーナーを装着してみるのもありです。チタン合金は鉄に比べ軽いのですが、ヤング率の関係でマスを大きくする必要があり、若干ですが純正リテーナーよりも厚い為、組み込んだ場合、セット荷重がほんの少し強化になるという現象が起こります。(どうしても強化バルブスプリングを組みたい場合は「S15オーテックバージョン用」が比較的安価に流用できますが)
ちなみに言うと、13NAヘッドの排気バルブはナトリウム封入バルブです。気合が入っています。

・制御系:
フルコン全盛ですが、純正ECUのリセッティングで充分納得のいくセッティングは出せます。
エアフロレスはパワー的に何の貢献もしません。

・メタルガスケット
圧縮比を調整する目的以外にも、副次的効果としてその熱伝導性の良さがシリンダーヘッドの熱をブロック側に逃がすようになり、メカニカルオクタン価が上がる為耐ノッキング性が向上します。

最後に…:
エンジンに掛けるべき費用を最低限に抑え、余った費用をクロスミッションに回してみてはどうでしょうか?S2000、Z33,RX-8、ロードスター、アルテッツァ、S15、34R、AE111、DC5…みんな6速のミッションです。各車を分析すると速いといわれる車の重要な要素にギヤリングが係わっているのが分かります。
NISMO6速… 搭載するには相当な覚悟がいるかと思いますが、イチサンの軽量ボディに2Lのチューンドエンジン載せて、6速クロス… 楽しい車が出来上がるかもしれません。

3、後期型縦置きSR20DE
この時期から縦置きと横置きのSR20DEは違った進化の道を辿っていくようになります。
横置き系はHP11系でローラーロッカーを採用したり、最終的にはVVLヘッドを搭載するに至ります。メーカー純正で一番ハイチューンのJN15パルサーN1仕様に於いては1.6Lのショートストロークエンジン(SR16VE)で200馬力オーバーを発生していました。
一方、縦置きSR20DEはINT側にNVCS(可変バルタイ機構)を装備し、ピストントップのフラット化による高圧縮比化によって前期型に比べ20馬力アップの160馬力(カタログ値)を発生しています。しかし、残念ながらVVLヘッドの搭載は見送られ、その代わりとしてFRのNA最強モデル「S15オーテックバージョン」が発売されました。カタログ値で200馬力です。

シリンダーヘッド:
一番目に付くところは、INTフロント側の出っ張りです。この内部スペースにNVCSのシステムが内蔵され、回転域の差異によりバルブタイミングが制御されます。
またハイポートだったINTポートがローポート化され、サージタンク形状がCA18のようなレイアウトになりました。低回転のトルク確保を狙ったのか、NVCSのスペース確保の為の設計変更なのか判然としませんが、ある程度の高回転で、高出力を狙う形状としてみるならばディチューンと言えます。また、エキゾースト側のバルブも通常の中実バルブに変更されています。
また、カムカバーやフィラーキャップの塗装が省略されてしまった為、外観が非常に貧相に見えるのが残念です。その他コストダウンの嵐が吹き去った跡が端々に垣間見ることが出来ますが、トータルに見れば総合性能は前期型よりも向上しているのは事実です。
シリンダーブロック:
ピストンが、プリメーラと同様なフラットトップとなった為、圧縮比が10.0:1に向上し、ハイオク仕様になりました。また、オイルストレーナーの形状変更が行われ、オイルパンヒット時のリスクが軽減されました。それ以外にも余分なリブの削除や剛性強化等は細かく行われていると思われますが、ブロックに関しては基本的に前期型とほぼ同等品と考えてよいと思います。

後期型SR20DEのチューニング:
このエンジンの最大の売りはやはりNVCSです。これを活かさない限り前期型に対するメリットは殆んどありません。ですからこれを生かしたカムと、純正の高圧縮比ピストンを生かしたメタルガスケット使用の更なる高圧縮比化。オーテックパーツの流用等で、チューニングされた前期型を上回るポテンシャルを企画していくのが賢いやり方だと思います。

オーテックバージョン:
かねてから要望のあったNAのハイパワーバージョンに対するニッサンからの回答がこのモデルです。ボディ、ミッションはほぼ、ターボモデルのものと同一と考えていいと思いますが、ファイナルがNAモデルのまま(4088)なので、加速感は向上しています。

<吸/排気系>
吸気系の変更は無いようですが、排気系は藤壺製ステンレスタコ足、ターボ用純正マフラーが装着されています。

<シリンダーヘッド>
カムカバーはワインレッドに塗装され、カムがINT272/EXH264に変更されています。エキゾーストバルブもナトリウム封入タイプに変更(復活!)されました。バルブスプリングも強化タイプに変更されています。アイドリングは1000回転ほどですが、パルサースロットルに換えるともう少し下でアイドリングが可能になると思います。(準純正チューンなのでECUの詰めが甘いとも指摘され、カタログ値が出ている固体も少ないといわれています)

<シリンダーブロック>
オリジナルのハイコンプピストン採用で、圧縮比が11.7:1程度に高められています。


メーカー本体である本田がエンジンだけでなく、足回りやエアロ等まで徹底的にトータルで企画、プロデュースした「タイプR」とは違って、「オーテックバージョン」はあくまでニッサン本体ではなく、オーテックという別組織にエンジン/排気系/制御系関係のチューンのみを委託した準ノーマル車です。したがって、これを素材として捉え、自分なりにプロデュースしていくことで「インテグラTypeR」と遜色のないFRスポーツに育てていくことが出来るわけで、それを理解できる人にとってはいい車だと思います。車をいじらずに速さを求める人にはスペックRやインテRのほうが向いているでしょう。この車の最大の魅力は「5ナンバーNAのFRスポーツ」なので、それを理解できる人でないと単なる中途半端な車でしかないのかもしれません。


結び:
軽さのイチサン、太いタイヤを履けるイチヨン、高剛性のイチゴー。それぞれ個性があり、それなりの面白さがあると思います。
SR20DEエンジン… 特に縦置き前期型のそれは意識的にディチューンされており、潜在的ポテンシャルを引き出す形でかなり魅力的なユニットに成りえるのです。ハイパワーターボだけではなくNAのFRスポーツとしてのシルビアがもう少し認知されれば良いと感じます。

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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この記事へのコメント

2007年9月18日 23:55
はじめまして、知識の多さに関心しました。数値のみの結果も頷けますが、感性、フィーリングも大切だと思います。NAシルビア・・・。魅了大と思います。
 今後の参考にさせていただきますね。
コメントへの返答
2007年9月19日 22:08
ご来訪ありがとうございます!
4人乗れる5ナンバーNA FRスポーツというパッケージは重要ですよね~。
今後ともよろしくお願いいたします。
2010年6月10日 9:18
よろしく
お願いします。
コメントへの返答
2010年8月8日 23:28
すみません。コメント頂いたのにきがつきませんでした。
よろしくお願いいたします。
2010年8月9日 0:43
こんばんは‥

あなたは神ですか‥?

圧巻です‥f^^;
コメントへの返答
2010年8月9日 19:17
神ではないですが…(^^;

ただ、現代の新車でこれだけ思い入れ出来る車は無いですね。
出来の悪い子ほど可愛いものです。
ただただ、もう20年近くこの車と一緒に、もっと楽しくしたい一心で乗り続けてきたのです。
2017年10月12日 0:54
また、S15に乗りたくなりました。もちろんNAのです。

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