機械式時計で 憧れの時計がある。
「グランドコンプリケーション」
機械式時計で「複雑機能」と呼ばれている機能を複数組み込んだ時計。
同じ様に憧れる機械式時計マニアは多いと思う。
しかし、機械式時計を持っている人の割合からみたら、ホンの僅か、%の単位に届くかも微妙な割合のニッチな憧れかも知れない・・・
言葉すら知らない人達も多いと思う。
理由は、
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こちらの書籍
「100万円超えの高級時計を買う男ってバカなの?」の基準を一桁上げたあたりが最低価格、中には2億円越えなんて価格の“超 バカ”しか買えない“超 高級時計”だから!
そして、“バカ”が超頑張って“超バカ”になって購入したとしても、その扱いのデリケートさゆえ実際に腕につけて歩くのは躊躇する時計。
ブランド品が大好きで、ブランド名に憧れて買った時計がたまたま機械式だったという“バカ”になれたリッチな方々でもなかなか手を出せないですね!?
自分も俄かリッチを目指して、サマージャンボに9,000円投資しました。
思いが叶えば7億円!
しかし、人生狂わせるのも怖いので7,000万円のミニの方でも良いかな?
120本も出るそうなので、車と時計とちょっと豊かな老後が・・・・・
バカになりた~い!
こんな価格だと、時計というより宝飾品としてのアイテムになるのでしょうかね?
やはり、宝くじをあてにしなくても良い大富豪やどこかの王様あたりがコレクションの一つとして陳列して置くのが似合う、一部の限られた方々の為の時計になりますかね!?
しかも、一個だけでは様にならないので複数個飾れるような・・・・
まぁ、王様の暮らしが思い描けない庶民の想像でしかありませんから、実際は超高価な時計でも日常使いしているかもしれませんが・・・
でも、本来「腕時計」ですから、時計として日常使いして欲しいですよね?
ということで、
簡単に一言でいうと、縁の無い時計です!
折角なんで、ちょっと細かく説明しましょうかね。
時計の世界、特に機械式腕時計の世界では、重要な発明(機能)が多くあります。
それらは
「複雑機能」と呼ばれています。
文字通り複雑な機能ですから、それを構成する仕組みも部品も多くなります。
小さな腕時計にそれらを組み込むことは容易なものではありません!
ところが、その「複雑機能」を複数組み込んだ時計が存在します。
(複数の定義は諸説あり、3つ以上と定められている場合もあるようです。)
その様な時計が
「グランドコンプリケーション」と呼ばれています。
一般的に「複雑機能」と呼ばれるのは、
パーペチュアル(永遠)カレンダー
トュールビヨン
ミニッツ・リピーター
(ここまでが三大複雑機能と呼ばれる?)
ムーン・フェイズ
スプリット・セコンド・クロノグラフ
ウルトラスリム
(これで六大複雑機能とか・・・)
などになります。
先ず、その複雑さから作れるメーカーが限られます。
そして、最高峰の技術者が、一人で長い時間を掛け、最高精度で作られた細かな部品を手作業で組み立てていきますから当然価格も高額になります。
複雑機能の単体搭載品でも安くて数百万円、一般的には一千万円、
複数搭載の「グランドコンプリケーション」であれば数千万円、高いものだと億の単位になるものまであると言われています。
高額商品のご紹介です。
スイスのヴァシュロン コンスタンタン社の「トゥール ド リル」
組み込まれた複雑機能が、トゥールビヨン、ミニッツリピーター、セカンドタイムゾーン、パーペチュアルカレンダー、ムーンフェイズ、天空図、パワーリザーブ表示、月齢表示、均時差表示、日の出表示、日の入り表示
世界で数本しかなく、金額は2億越えとか・・・・
ちなみに、複雑機能の簡単な説明をすると、
パーペチュアル(永遠)カレンダー
月による日数の違いや、4年に1度のうるう年の調整などを自動的に行うカレンダー機能。
西暦2100年まで対応のものが多い。 理由はうるう年の決め方。
西暦で4で割れる年をうるう年と決めたがそれでは誤差がまだ残るので下二桁が00の年は例外で平年と定められている。
この仕組みを組み込むのはさらに複雑となるので省かれている。
昨今のデジタル時計であればプログラムを組み込めばよいだけなのだが、機械式時計は歯車の組み合わせで・・・・
トュールビヨン
機械式時計の精度は姿勢差で影響が出てしまう。この姿勢差の問題、いわゆる重力の影響を解消するために開発された機能。
説明は難しいので省略。
ミニッツ・リピーター
時刻を音で知らせる機能。上記二つよりさらに複雑な仕組みが必要と言われています。
時刻を、時(間)・クオーター(15分)・分の組み合わせで表します。
ムーン・フェイズ
29.5日周期の月齢(新月から満月を経て再び新月になるまでの満ち欠け)を表示します。
カジュアル時計にある太陽と月の絵が描かれたディスクを回して午前か午後かが分かるだけの「サン アンド ムーン」とは異なります。
スプリット・セコンド・クロノグラフ
途中経過時間(ラップタイム)も計測できるストップウォッチと言えば良いでしょうか?
一般的なクロノグラフでは一回の計測と、そこからのリスタートが出来るだけですね・・・
ウルトラスリム
極薄のケースに組み込まれたムーブメント。 一般的には4mm以下(明確な基準はない)の厚さのものを指す。
しかし、薄くすると他の複雑機構を組み込むことが難しいため、グランド コンプリケーションには殆ど使われない。
ウルトラスリムの究極は、厚さは1.7mmしかないブランパンのキャリバー21が有名。
愛好家というほど立派では無くただの物欲が強い時計好きですが、憧れる時計ですよね!?
しかし、仮に手にすることができたとしても、そのような高価な機械式時計では使用することはもちろん、維持管理さえも難しいでしょうね。
5年に1度のオーバーホールだけで数十、いや、百万単位になるかもしれません・・・
「GT-Rの車検費用が100万円と聞いて、乗れない!」と考えているような庶民代表の自分では縁が無い方が長生きできそうです!
でも・・・・・
「グランドコンプリケーション」
持ちたい!
そうだ!
こんな時こそ、下を向いていてはだめだ!
前を向いて、立ち上がるんだ!
市民よ! 今こそ立ち上がるんだ!
改革だ! 市民でも「グランドコンプリケーション」持てる時代を作るんだ!
市民がやらずして誰がやるんだ!
三文芝居にお付き合い頂きましてありがとうございました。
しかし、本当に市民がやってくれたんです!
元々市民の意味を持ち、「市民に親しまれるように」との願いから付けられた社名持つ
時計メーカー
「シチズン」が、
世界で唯一のクォーツ用グランドコンプリケーションキャリバー No.677※を開発してくれました。
日常使い可能なグランドコンプリケーションが生まれたんです。
王様や大富豪でなくても、「グランドコンプリケーションと言われている複雑機能を複数搭載した時計」が持てる時代になったんです。
クォーツですから姿勢差での精度影響はありませんからトュールビヨンは必要がありません。
複数組み込んだグランドコンプリケーションですからウルトラスリムも外れます。
残り4つの複雑機能「ミニッツ・リピーター」「パーペチュアル(永遠)カレンダー」「ムーン・フェイズ」「スプリット・セコンド・クロノグラフ」が全て組み込まれている優れものです。
蓄音機とSPレコードの専門店 銀座シェルマンが自社時計としてシチズンに委託生産したのがスタートとなります。
最初2年間の販売権はシェルマンが保有していたようです。
シェルマンのグランドコンプリケーションは、そのコンセプトが世界的に評価され、スイス・ラショードフォン国際時計博物館に永久展示されるという栄誉を手に入れたそうです。
販売権の独占期間が切れると、製造元のシチズン・天賞堂・アクアキュータムなど数社から発売されました。
現在シチズンは高級ブランド「カンパノラ」の1シリーズとしてグランドコンプリケーションを残しています。
「カンパノラ」は装飾その他にも手を掛けていますから30万円前後の価格を付けていますが、シェルマンや天賞堂の製品は10万円台と庶民でも手の届く値付けがされています。
「カンパノラ」違うシリーズはもっと高額です・・・
もちろん機械時計愛好者からは「クォーツのグランドコンプリケーションなんて」「軽さが安っぽい」「所詮本物のグランドコンプリケーションに手を出せない貧乏人の時計」とか揶揄されていますが、「普段使いが出来るグランドコンプリケーション」のコンセプトが理解できないなんて本当に勿体ないですね!
駆動はクォーツ(電池)ですが、機械式と同じように歯車の組み合わせで動かしているわけですから・・・・
そうは言っても、自己満足の世界なんですけどね!?
傍目から見れば、針が多いごちゃごちゃしたダイヤルの時計としか見えませんから・・・・
さて、選ぶんだったどれにしますかね?
本家のシェルマンですかね?
それとも製造元であるシチズンが拘りを持って販売しているカンパノラ?
シェルマンに対抗して天賞堂の3世代目になるレギュラーモデル?
10気圧防水が付加された同じく天賞堂のスポーツモデル?
それとも
どれも、今一なんですよね?
フェースのデザインだったり、コンセプトだったりが・・・
ズキューン!
と来た こちらと比べると・・・
Grand Complication Classic
クラシックでエレガントなデザイン
細部にまでこだわった文字盤
手の込んだ形状のリーフ針
質感によるコントラストと奥行き感
ヨーロッパ伝統のクラシカルなフォルム
いずれは、手に入れたい時計です。
あれ、なんか落ちている!?
なんだろう?