北海道 台湾製ロケット打ち上げも飛行停止 一部が地上に落下
2025年7月12日 18時19分
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北海道大樹町にある「宇宙港」で、12日、台湾製のロケットが打ち上げられましたが、上昇中に飛行を停止し、一部が地上に落下しました。
警察によりますと、けが人はいないということです。
動画 1分44秒
北海道大樹町にあるロケットの発射場「宇宙港」で打ち上げられたのは、台湾のメーカーが製造した全長12メートルの2段式のロケットです。
ロケットは12日午前11時40分ごろ打ち上げられましたが、宇宙港を管理する会社によりますと、上昇中に飛行を停止し、予定した高度100キロには到達しなかったということです。
打ち上げ後、ロケットの1段目の分離は確認されたということですが、その後、2段目の飛行が停止されたとしています。
ロケットは最終的に太平洋上に落下する計画でしたが、大樹町によりますと、2段目が立ち入りが規制されていた発射場から半径1.2キロの範囲の内側にある町有地に落下したということです。
警察によりますと、けが人はおらず、建物への被害もなかったということです。
今回の打ち上げは、ロケットを製造した台湾のメーカーと同じグループの外資系企業が行っていました。
今回のロケットは「ハイブリッド」型
今回打ち上げられる台湾のメーカーが開発したロケットは、全長12メートル直径60センチ、重さ1.4トンの2段式です。
メーカーによりますと、打ち上げの主な目的はロケットエンジンの性能などの確認です。
エンジンは固体燃料と液体の酸化剤を組み合わせて使う「ハイブリッド」型で、爆発などの危険性が低く、製造コストも低く抑えられるとしています。
ロケットは人工衛星を搭載せずに打ち上げられ、高度100キロ以上の宇宙空間への到達を目指し、最終的に太平洋上に落下する計画となっています。
なぜ北海道で打ち上げ?
北海道大樹町は太平洋に臨む沿岸に位置し、ロケットを打ち上げる東や南の方角に海が広がっているため、安全対策などの面から発射場の整備に有利な場所だとされています。
こうしたことから、4年前の2021年に町と民間が共同で「宇宙港」を管理する企業を設立し、民間のロケット発射場の整備を進めてきました。
ロケットの打ち上げ需要の高まりを受けて、国も発射場の整備を支援していて、大樹町の宇宙港に対し、国の基金から最大で105億円の資金援助を行うことが決まっています。
今回、この宇宙港から台湾のメーカーが製造したロケットを打ち上げるのは、北海道に拠点を置く、同じグループの外資系の企業です。
この外資系企業の担当者によりますと「台湾と地理的に近いアクセスの良さ」も北海道での打ち上げを決めた理由の1つだということです。
文部科学省などによりますと、日本国内で外資系企業がロケットを打ち上げるのは初めてとみられます。
大樹町では、今回の打ち上げが海外の企業によるロケット打ち上げの需要を国内に取り込むきっかけになるという期待が広がっています。
宇宙港を管理する企業「スペースコタン」の小田切義憲社長は「宇宙港を商業的に成功させるために、今後は日本だけでなく海外の需要をひきつけることが重要で、今回の打ち上げは世界にこの宇宙港を知ってもらうよい機会になる」と話しています。
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2025/07/12 18:41:11