Z4の車検。
代車が5シリーズという自分には滅多に乗れないような車なので、堪能するために泊まりがけで房総まで出かけてきました。
ディーゼル
代車はディーゼルの523d。
以前1シリーズの代車で乗った時にはそんなに違和感は感じなかったBMWのディーゼルですが、やっぱり5シリーズには高級感を求めてしまうので発進時などのガサツなエンジン音が結構気になります。
どうせならば静粛性のあるガソリンで乗りたかったなと思ってしまうのが事実。
BMWはあまり遮音や消振をせず結構エンジンの息吹が伝わって来て、ガソリン車ではそれが心地よいのですが、ディーゼルではそれが仇となる気が..。
クルコンの弊害で老化が進む
そうしたこともあり、音質はそこそこなオーディオをずっと鳴らしながらアダプティブクルーズコントロールを入れっぱなしで走ります。
特に高速では曲率の高いカーブもなく微妙なスピード調整を一切気にする必要がないので本当に楽チン。
あまりの楽さ加減に咄嗟の判断力も退化してしまい、アクアラインへの分岐を見遅れてしまい首都高まで行ってしまう羽目に..!
これに頼りきってしまうと逆走する枯葉マークへと一直線に老化してしまいそうだなと思いました。
こうした時に一旦降りろと誘導するばかりのナビも、何処まで行けば戻れる等の適切なアドバイスをくれれば安全にも一役かうのにと思います。
なんとかアクアラインに到着。
リニューアル工事に入って混んでいるのかと思いきや平日ということもあり空いていました。
カメラもアラウンドビューではドアを開けてぶつかるかどうかまで判る優れもの。フロントカメラで前方の確認が出来るのはノーズが長く死角だらけのZ4にはとても欲しいアイテムです。
全面液晶型ディスプレイ
正直この手のディスプレイは安っぽいパソコンみたいで好きではありません。
様々な状態が表示はされるのですが、液晶画面の中では馴染んでしまって識別がしづらく、クルーズコントロールなどの作動状況は独立したLEDの方が確認しやすいと感じました。
F世代の下部だけを液晶としたハイブリッドタイプは、アナログの質感とデジタルの利便さをうまく融合させたアイデアで、さすがBMWと感じさせました。
しかし、時代の流れとともにフルディスプレイとなった新世代では、質感のなさを補おうとリングをつけてみたのが仇となって、プジョーやアウディのようなデジタルの特性を活かした工夫もできず、アナログをただそのまま液晶画面に置き換えたデザインは見やすいとも便利だとも思えません。
クルコンの意外なメリット
とんだハプニングで時間も押してしまい、
九十九里のランチバイキングへと山道を突き抜け房総半島をクルコンで横断し直行。
クルーズコントロールが難しい所がワインディング。
カーブに関係なく指定された速度で突っ込んで行ってしまうのですが、こうした時も先行車がいればしめたもの。地元の熟練の腕でこちらの車までコントロールしてくれます。
今までは道を塞がれてストレスだった対象が逆にありがたい存在に変わります。
他にも、知らない土地で知らず知らずに速度超過してしまう不安さえなくなったりと、クルコンのメリットは楽さだけでなく、本当に走り方の基本が変わる、MTに対するAT以上の快適装備です。
クルコンに加えステアリングアシスト機能もついていて自動運転のレベルが上がるのかと思ったのですが、これはほどんど宝くじみたいなものでした。
アシストでカーブに突入しても、そのカーブの途中でアシストが解除されているなんてこともざら。機能しているかの状態表示もわかりづらいのでせめて警告音か何かで知らせて欲しい所です。
ホテルの旬は短い
ホテルでは取説を見ながら色々と車の設定をしました。
代車ではどのオプションが装着されているのかがわかりません。
操作方法が悪いのか装備されていないのかはともかくやってみないとわからず、最初に乗ってアダプティブクルーズコントロールでブレーキが効くのかどうかとかは結構スリルでなので、コンピューターで一覧表示するとか電子マニュアルに反映するとかしてほしいところです。
色々チャレンジしたのですが、スマートホンの画面共有とパークアシストはついにわかりませんでした。
ホテルは
以前好印象だったゴルフ場のコテージ。ゴルフ場ほど5シリーズが似合いそうなところもないかと、以前より価格も上がりコスパは悪くなりつつも予約してみたのですが、数年ぶりに訪れて変わりように驚きました。
素敵だったお部屋は室内のあちこちで塗装が剥がれたり雨が降りこんだのか床が浮いてしまったりとちょっとがっかり。
グランピングを始めたせいなのか部屋の前にはキャンピングカーで寝泊まりしているのもいて、地続きの1Fにアサインされてしまったこともあり、なんだか落ち着きません。
客層も悪化していそうなのでホテルで朝食を取らず早々と出発しました。
房総の宿泊施設は厳しい自然環境の影響もあるのか、
とても良かったところがどんどん荒れて行ってしまうことが多く、また定宿探しは続きそうです。
オープンが恋しい二日目
二日目は海沿いを流します。
気温も穏やかでそれほど日差しも強くない絶好のオープン日和。
屋根が開かないのが残念ですが、ここで開けられないことが逆にZ4を手放ないでよかったなと、ありがたみを感じられました。
久里浜が見渡せる絶景ポイントだった金谷の駐車場。フェンスが張られてしまったのが残念です。
新しいBMWはデイライトの目ヂカラがすごいのでエンジンを切らない方がカッコよく写ります。
上級クラスならではのゆとりを一番感じたのが広い面積に渡りウッドトリムが配されたセンターコンソール。
Z4ではスマートフォンしか置けない手前部分にはコンパクトデジカメも収納でき、蓋が閉まるので車内に置いておくこともできます。そしてアームレストには一眼レフまで入る収納量で上着の置き場にも困る2シーターから比べると雲泥の差です。
ただし荷物置き場として期待したリアシートは遠すぎて使用せずじまいでした。
燃費
なんだかんだ文句をつけていたディーゼルですが、燃費は驚異的。全く給油の心配をすることもなく千葉から戻った時表示されていた18.5km/lという燃費は何の数値?と思ってしまうほど。Z4では13km/l位だったのでこの大きな車体でこの数値は見事です。
しかし軽油自体の価格、二桁くらいのイメージだったのですが113円とかつてのレギュラーくらいの値段だったのには別の意味で驚きました。
楽を取るか楽しいを取るか…。
全体のほとんどをクルーズコントロールに任せて走った後の感想は、「昔の人はよくこんな距離を自分の足で調整して走ったものだな…もう絶対無理!」と、さも自分がクルコンつきに乗っているかのように思ってしまうほどでした。
しかし、車検が上がったZ4をスタートさせて自分の右足に気持ちよく反応するエンジンの反応を感じていると、楽しい運転が出来れば意外と疲れないのかなぁと思いました。
いくらクルコンが楽とはいえ、ブレーキの前に足を置いて緊急時のために監視を続け任務を背負わされるのにも精神的な疲れが生じます。
全て自動でやっていると別にBMWでなくてもいいような気がしたのも事実で、運転して楽しい車こそが車メーカーの生き残りのポイントなのではないでしょうか。