五感に訴えるポルシェとは

現在の空冷ブームの中でも、最も注目度の高いモデルの一つとして、993RSが上げられます。様々な所でRSの事を耳にしますと、約2年前に、カリスマGGさんの993RSに同乗させて頂いた時の、あの壮絶な刺激にノックアウトされた事が、昨日の事のように脳裏に蘇るのです。
さて、この996RS。
雑誌GENROQ（ゲンロク）のLONG-TERM REPOTに掲載されて、早くも1年が経とうとしています。

この度、モーテック＋6連スロットルユニット搭載、フィッティング調整を東名エンジンで行い、まさにモンスターマシーンとして帰ってきました。


基本、エンジンはノーマル。

さて、このRS、噂ではかなりのパフォーマンスを見せるとの事。




今回、ありがたくもオーナー様からお声をかけて頂き、高速道路での走行に同乗させて頂きました。




待ち合わせ場所に車を止めると、すぐさまポルシェ アンテナの優れた方々が続々と・・・。

このクルマの注目度が改めて良く分かりますね。



まだ、本誌でもベースセッティングまでの掲載なので、最終仕上げはこれからであり、クルマの詳細な情報、走りのインプレは来月号以降の雑誌掲載に委ねますが、今回は素人から見た走りの内容を。



結論から言いますと、まさに「バイクのようなポルシェ」




4600～5500回転からの音質がガラッと変わる、切れ味の鋭い加速感は、過去にカレラGTに同乗させて頂いた感覚そのもの。
あっという間に7000回転近くまでタコメーターの針が行ってしまいます。



このクルマ、クラッチの重さに加えて、回転数の上がり下がりが凄まじく、普通のドライバーでは乗りこなせません。パワーは300馬力から320馬力と、あえて抑え気味にセットアップされていますが、切れ味の良い加速感を含めた気持ちの良い走りと言うものは・・・。


「エンジンのツキが如何に大切なのか」を痛感させられました。


軽量かつ小排気量のオートバイを例に上げると表現しやすいかも知れませんね。




まさにパワーやトルクではないのです。

ポルシェの本当の姿ってこんなに凄いとは・・・。

メーカー側が、一般の方向けにマージンを取っているのが良くわかりました。



貴重な経験をさせて頂き、オーナー様には感謝、感謝です。




ふと気がついたのです。






確かに最新の水冷の911は速い。

でも満面の笑みがこぼれるのは空冷ポルシェ。


そう・・・。

理屈で受け止めるのではなく、感覚で受け止める事が出来る。

それは、それは楽しいクルマだったのです。


いつか子育てが終わり、ひと段落したら、是非とも空冷の世界に行って見たいものです。

ノーマルの930なんて最高かも！

それまでに空冷ブームが終わって、乗りたい人が乗れる、正常な環境である事を願いつつ・・・。