Violetが生まれる前、庭で捜索願が出された事があるらしい。
いなくなった人は誰か?
最強天然、Violetママだ。
パパと結婚する直前の事らしいけれど、庭を散歩していたところ、
狸が一匹。
その狸を追いかけて、家屋に帰れなくなったらしい。
超方向音痴のママ。
庭にはいくつかの茶室が離れてあり、建物を頼りにしたのだろうけれど、
行き着いたのは家屋と反対側にあった茶室だった。
結局陽が落ちてしまい、戻れなくなったママはそこで待機せざるを得なかった。
携帯電話も無い時代。怖かっただろうな。
そして家屋ではパニック状態。ママが「行方不明」。
住み込みのお手伝いさん、運転手さん、植木屋さん、家族、お巡りさん、
総勢30人ぐらいで捜索。
30分後に、冬華庵にいるところを無事保護された。
当時ママの実家は御所近くの洋館だったけれど、京都の街中の家だから、
広い庭もない。ならば、不安に感じて散歩してても家屋から
離れないように歩くのが普通だろうが。。。。。言っても無駄だ。
こんなママだから、Violetが大きくなってからも、旅行に行けば自分の部屋に
戻れないとか、百貨店や遊園地で迷子になるとか、日常茶飯事だった。
不思議なのは、自分が方向音痴なのを自覚しているにも関わらず、その場から
自信を持って一人で移動してしまうことだ。ちなみにVioletは方向感覚はパパ
譲りで、全く音痴ではなく、ナビ嫌いでもある。遺伝しないで助かった( ̄▽ ̄;
桁違いの天然ボケの原因のもう一つ。
ママ伝説に、「自分でお金を払った事が無かった。」というのがある。
パパとデートしている最中に可愛いぬいぐるみを見つけ、それを手に取ったら
そのまま立ち去ろうとして引き止められたのだ。
何と一人で買い物に出た事が無かった。しかも財布を持つ習慣が無く、
運転手かお付のお姉さんが常にいて、その方々が支払っていたからだと言う。
おかげでパパと結婚したら、給料を3日で使い果たした。お金がどういうもの
なのか、から教えなければならなかったそうだ。
しかし、こんなママも今ではユニクロの広告見て走ったり、安売り店を見つけて
ダッシュしたりしているのだから、慣れというものは面白い。逆に言えば、
「贅沢」の意味もさほどわかっていないし、「高級品」の意味も今ひとつ
わかっていないっぽい。こちらも特に欲が無いせいか、必要以上に物を
欲しがらず、贅沢もしない。Violetが大きくなってからも、パパに運転手を
使えと言われても、楽しいから、とバスや電車に乗る。そして迷う、を繰り返す。
天然、というのも三つ子の魂百まで。天然に育てられれば、当然天然に育つ。
見事に天然は遺伝した。ママのせいなのだヽ(`Д´)ノ
ママの実家の洋館は、戦後一旦進駐軍に家を取られたらしい。
しかしその進駐軍の娘と仲良くなり、冬の御所のお祭りの屋台に連れて行ったら、
着ているものはなんと半袖。寒さでガタガタ震えても、屋台に余程興味があった
らしく、帰らなかった。しばらくしてお付が追いかけて来て、毛皮のコート
を着せてたのが、鮮明な記憶に残ったようだ。洋服は全てがオーダーで元々
使っていた所を紹介したら喜んで次々注文していたらしいけれど、レースの
ヒラヒラの下着は衝撃的だったそうで、一足早く「洋服」だけでなく下着や靴等、
女の子が喜ぶアイテムに触れられた事が嬉しかったようだ。
ギブミーチョコレートのノリか、毎日美味しいお菓子を一緒に学校帰りに食べ、
HERSHEY'S のチョコやココアを「懐かしい」と言う。そういう経験のせいで、
ママも海外経験の無い時から英語の単語を理解し、歌を歌っていた。
京都という土地だったからだろうか?空襲が無かったし。アメリカ人に対して
の嫌悪感もほとんど無く、むしろ歓迎ムードで。。。子供だけ?
戦争知らないというのはやはり幸せな事なのかもしれないな。。。
Posted at 2012/01/16 18:17:46 | |
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