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2011年03月23日

ヨーロッパからの帰路に考えた日本。

ヨーロッパからの帰路に考えた日本。 福島第一原発も予断を許さないながら一部の原子炉に電源がつうじるなど作業の進展を見せ、地域によっては小学校が再開されて久しぶりに友達と会った生徒たちの愉しそうな笑顔が新聞の一面を飾るなど、今回の東北地方太平洋岸を中心とする大震災、依然として多くの方々が極めて厳しい状況を強いられているなかにも、復興の兆しが少し見え始めてきたようです。

そんななか、先週の木曜日から日曜日まで、2泊4日でスペインにいってきました。

同じ頃、メルセデス・ベンツもヨーロッパでプレス試乗会をやっていたようですが、僕が参加したのはアストンマーティンの試乗会で、日本から僕を含めて3人のジャーナリストが参加、さらにこの試乗会には後半組のプログラムもあって、そっちにも日本から3人がいっているはずです。

被災地が大変なことになっているときにヨーロッパまでスポーツカーに乗りにいくのは「不謹慎」ではないかと思わぬではなかったけれど、以前から決まっていた事柄であり、しかもこれは僕の仕事なので、いくことにしたわけです。

「不謹慎」の3文字に過剰に神経質になってやるべきことを取り止めるのは、もちろん事柄にもよるけれど、必ずしも正解ではないと思うからです。

というわけで、ちょっと勇気を出して日本を飛び立ったのですが、結果として、そうしてよかったと思いました。

アストンマーティンの2つのニューモデルが想像以上に魅力的なクルマだったことはこのさい別にしても、世界中からやってきたジャーナリストの多くが「日本は大丈夫か?」と尋ねてくれて、僕らの極東の島国が孤立しているわけではないことを実感することができたからです。



しかしその一方で、今回はエールフランスを使ってパリ経由でスペイン南部のマラガまで飛んでいったのですが、その帰路のパリ発成田便ではもうひとつの現実を突き付けられました。

まず席がこれまで経験したことがないほどガラガラに空いています。今、日本を訪れようという外国人などほとんど皆無なためで、乗っているのは僕らのようなヨーロッパから帰国する日本人が大半でした。

しかも帰路のエールフランス機は、いつものようにパリから成田に直行せず、韓国ソウルのインチョン空港に降りて、そこで1時間半ほどストップしたのです。

その理由は、そこでパイロットや客室乗務員といったクルーを交代させて、新たに乗り込んだクルーが成田まで飛び、そのまま成田に降りずにソウルに帰ってくるためなんですね。

つまり、日本人を含む自社のクルーを福島第一原発からの放射能汚染の危険性が想定される成田にステイさせず、ソウルを日本便のベースにするという考え方なわけです。

とはいえエールフランスはまだ成田まで飛んでくるからいい方で、ドイツのルフトハンザやイタリアのアリタリアは、同じくソウルでストップした後そこから成田には向かわず、より放射能の影響が少ないと想像される関空もしくは中部国際空港に飛んでいく航路をすでに運航しているといいます。

国連の専門機関である国際海事機関=IMOや、同じく国連の国際民間航空機関=ICAOが「(原発からの放射能漏れに起因する)日本への渡航制限はない」とする見解を発表し、世界保健機構=WHOも同様の見解を公表、さらに国際原子力機関=IAEAも「東京都内に健康上の危険はない」との評価を出しているにもかかわらず、外国の企業や機関が東京を避け始めているのは、いささか過剰反応であるように思えます。



それはそれとして、ソウルのインチョン空港を飛び立ったエールフランス機が午後7時過ぎ、すでにとっぷりと暮れた房総半島の上空に至って成田に向けて下降を始めたとき、眼下にいつもと同様に街の灯りが瞬いているのを目にしたときの安堵感は、なんともいえないものがありました。

抜けるように碧い空が頭上に広がっていたスペインはたしかに魅惑的だったけれど、僕の帰る場所はここしかないなと、あらためて思ったのであります。

さ、みんなで元気を出して、日本を「不謹慎」の3文字なんか気にすることなく大好きなクルマの話ができる国に、そして外国人や外国の企業が魅力を感じて積極的にやってくる国に、戻していこうじゃありませんか!
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Posted at 2011/03/23 04:27:24

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この記事へのコメント

2011年3月23日 5:09
短期出張お疲れ様です。
マラガとは、素敵な場所でお仕事ですね。
いろいろと勉強させていただきました。

東北関東大震災の件、世界中の方々が、「日本は大丈夫か」と言ってくれていたのは、私も大変うれしかったですが、今や、海外のメディアの注目は、リビア情勢です。少々、寂しい気分もあります。
心配してくれるのであれば、復興に力を入れている今の日本も報道してもらいたいですね。
2011年3月23日 7:19
おはようございます。
普段飛行機を使わない私は海外の航空会社がそんな策をとっている事を知りませんでした。私のように知らない人が沢山いるならその方が良いですよね!海外の過剰反応とその報道が日本に跳ね返り風評被害を加速拡大しているような気がします!
2011年3月23日 8:22
私も先日ドイツ人の技師(一応、Car友ですかね)よりメールがあり、原発絡みで過剰反応してるとの内容がありましたが・・・本当にそうなんですね。
特にヨーロッパの一部には原発アレルギーが強いとは聞いてましたが。。。
これも風評被害なんでしょうかね。
2011年3月23日 8:54
ご無沙汰しております。

フランスをはじめヨーロッパの政府がとった過剰とも言える危機管理はおそらく「チエルノブイリ」の再来が頭を過ったからではないでしょうか?それに輪をかけたのが日本政府の危機管理能力のなさ(平和ボケ)

吉田さんも以前仰ってましたが「現代の楽な車に乗ってるとまたスパルタンな旧いクルマが恋しくなる…」
この感性こそ平和ボケした我々日本人に必要な感覚だと、今回の件で改めて気付かされます。
そう、自粛と萎縮は違います。今こそ日本人のDNAを発揮して≪粛々と盛りあげて行きたい≫です。

またお会いできる日を楽しみにしております。
2011年3月23日 9:07
過剰反応ですか・・・・・・

ここセブでも会う人ごとに日本の現状を聞かれ、家族は東京だから大丈夫だよと答えてます。
フイリッピンからの出稼ぎの人が帰国してるというニュースもあります。

ガソリン不足、クルマを愛好する我々にとっては痛いですね!
こちらはガソリンが毎週値上がりしてます。1L、P60.日本円換算120円以上・・・・・・・・こちらの人の
収入からすると1L1200円くらいになります。
それでも、渋滞してる、不思議な国です。

不謹慎ではないですよ!どんどん発信して、皆を元気付けてください。
2011年3月23日 9:52
いま日本では無駄にガソリンを浪費するからといって車関係のイベントは全て中止、屋根のない古いスポーツカーなど乗っていた日にゃ非国民扱いになりかねません。
確かに国民一丸で復興に向かうのは当然ですがファッショ的な思い込みはもっと怖いです。
2011年3月23日 10:48
自動車産業はその国の国力、工業力のバロメーター、こんな時だからこそ盛り上げたい部分がありますね。
2011年3月23日 11:14
先日コメントさせていただいた者です。
今回は本当にメディア、特にテレビというメディアのあり方については考えさせられました。
ネットであるならオンデマンドに知りたい情報に行き着けるし新聞や雑誌であれば見出しで自分には必要の無い情報はスルーできますが、今回の災害時はどのテレビ局も全く統制が取れずに雑多な情報垂れ流し続け、また(バカかどうかは別として)政府や東電の発信する情報を何の精査もせずに垂れ流したり、学者先生の大学の講義のような長々と、しかも理論的な裏付けされた結論の無い話で危機感をあおる。
片や現地のハリウッドの映画の特撮と思いたいくらい悲惨な地獄絵図の映像を延々と垂れ流す。
私の友人が地震の時にバリにいて現地の日本風の居酒屋とかで流されている日本のテレビの映像をそのまま使った津波や原発の様子を見て周りの人も含めフクシマ=チェルノブイリというしごく単純なイメージをすり込まれていると言っておりました。
今回は天災ですし確かに火災を起こした骨組みだけの建屋の映像はチェルノブイリと重なります、しかしその中の原子炉や燃料のメカニズム異なる事は全く説明されません。
私も相当クルマ好きを自認していますし、日本の基幹産業でしかも裾野の凄く広い自動車業界の行く末を憂慮し一日も早い回復を願ってやみません。
それから以前からずっと気になっているのですがいわゆるヒストリックカーですがもちろんそのデザインや自動車文化の過程では当時最新なテクノロジー満載であったことを認めるのの安全性、排ガス、燃費、その他エアバックやABS、スタビリティコントロールその他安全なデバイスといったものは現代のクルマとは進化の過程の中で非常に遅れたものもしくは全く装備していないものでありその辺のリスクについてあえて触れないでいる気がしてなりません。例えば40年前のF1といまのF1はレギュレーションが違い決して同じ土俵には上がりませんが、ヒストリックカーと称したクルマは何の規制も受けずに公道を堂々と走ります。
もちろん個人の趣味で有りまた責任は自ら取るという事を声高に主張し反対意見はファッショなどと
サーキットなど他者関わりと断った中で安全をそれなりに担保している環境でのイベントはとても良いと思います。が、大型トラック等も走っている公道の高速道路などで不幸にも被害者として事故に遭った場合加害者であるドライバーへ与える影響。例えば今のクルマなら軽傷で済むような事故が死傷事故になったり、物損の部分も本来資産価値上は殆ど無いものに対し多大な物損額の請求といった理不尽な被害者になり得ることについてはいかがお考えなのかお聞かせいただけますと幸甚です。
最後に決して古クルマが嫌いなわけではないです、私個人は免許をとって親に借金して買った昭和48年式のセリカLBに乗っていた先生とは10才ほど下の世代でクルマにタイしてしては相当熱い世代で今でもノスタルジックな思いを今も持ち続けていますということはご理解下さい。
2011年3月23日 12:19
お疲れさまです。仕事で行くんだから仕方ないですよね。ヨーロッパの人も過敏に神経とがらせてるんですね。早く落ち着いて欲しいですね。ティーポのレポートとかいつも参考になります。今自分が乗ってるのはインテグラTYPERDC5です。初代インテグラTYPERも乗ってました。
2011年3月23日 13:34
何事も前向きでないと 前進しないので、不謹慎というのは気にしないほうがいいかもしれないですね。
その不謹慎なのか自粛なのかしらないですが、マスメディアのCFはacの聞き飽きた映像が流れるばかりで 有益性はありません。その時間帯に 放射線のリアルタイム表示や電力消費量表示がされていればよっぽど有益だと思うので、前向きな考えは波及しますから、仰られるように良いことかと思います。

匠様の(僕にできることは何なのか、考えているところです。)がとっても気になります。

又riyoさんのコメントのように古い車の安全性や環境汚染はたしかに余り触れられないので、実際はどうなのでしょう?

そうは言っても車好き・・ 去年の9月のM3を駆りニュルを走って、アストン開発センター行ったことが、思い出され、アストン乗りとしてアストン話題も気になります。。。 


2011年3月23日 23:57
外国人は過敏に放射能に反応します。うちの会社の外人もビビりか一説には大使館からの勧告か東京を脱出しました。部下を残して。このまま、日本から出て行けばいいのに。
被災した地域の皆さん、早い復興をお祈りします。我々は逃げられません。協力して行きましょう。

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