MotoGP第17戦日本GPは栃木県のツインリンクもてぎで決勝レースを行なった。台風の接近による天候不良に悩まされた今年の日本GPだが、日曜日は決勝朝のフリー走行(時間が拡大されて行なわれたウオームアップ走行)こそ、ウエットパッチが残る路面での走行となったが、Moto3、Moto2、MotoGPとセッションが進むにつれて路面は乾いていき、決勝レースは好天に恵まれ、全クラス、ドライコンディションで争われた。
MotoGPクラスではホルヘ・ロレンソ(ヤマハ YZR-M1)が優勝した。ポールポジションからスタートしたロレンソはスタートを決め、トップで1コーナーに進入。2番グリッドのマルク・マルケス(ホンダ RC213V)はやや遅れ、その間に5番グリッドから好スタートを決めたバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ YZR-M1)がロレンソに続いて2番手で1コーナーを立ち上がる。1周目終了時点の順位は、ロレンソ、ロッシ、マルケス、ダニ・ペドロサ(ホンダ RC213V)の順。しかし、2周目の90度コーナーでロッシのラインがワイドとなる間に、マルケスがロッシを交わして2番手に浮上。ペドロサも続き、3番手につける。ロレンソは2周目の時点で2番手以下にコンマ9秒の差をつけていた。
そして、ロッシが続く2周目の同じ90度コーナーでグラベルに飛び出し、これでトップ集団はロレンソ、マルケス、ペドロサの3人となった。ロッシはすぐにコースに復帰したが11番手まで後退してしまった。
ロレンソは序盤から逃げることはできず、マルケスとペドロサが差を縮めてきて、ポジションは変わらないものの3人が接近戦のまま周回を重ねていく。レース中盤の10周目付近でトップ3台の差がさらに縮まり、14周目に第2セクターのベストを記録したマルケスがペドロサをやや離して、ロレンソに迫る。マルケスは90度コーナーのブレーキングでロレンソに並びかけるが前に出ることはできない。続く15周目の90度コーナーの進入でマルケスのラインがワイドとなり、ロレンソとの差が少し広がる。この時点でペドロサは二人からやや遅れ始めていた。
ここでロレンソは自己ベストを記録。90度コーナーでマルケスが大きく振られた16周目にロレンソはファステストラップを更新。さらに、終盤に入った17周目の1コーナーでマルケスがラインを外し、ロレンソが第2セクターで最速ラップを記録すると、ロレンソとマルケスの差は1秒以上に広がった。その後、周回遅れのマシンが何台かトップグループの前に現れたものの、いずれもトップ争いを左右することはなく、ロレンソは周回ごとにマルケスとの差を広げて、トップでチェッカーを受け、今シーズン7勝目をマークした。3秒188差の2位にマルケスが入賞。マルケスと1秒404差の3位にペドロサが続いた。
4位にアルバロ・バウティスタ(ホンダ RC213V)が入賞。バウティスタは7周目のホームストレートでステファン・ブラドル(ホンダ RC213V)を交わして4番手に上がると、しばらくブラドルとバトルを繰り広げていたものの、終盤はその差を広げて単独4位でゴール。5位にブラドルが続き、コースオフ後、追い上げたロッシが6位に入賞した。
終盤、追い上げてきたロッシとバトルとなったカル・クロッチロウ(ヤマハ YZR-M1)は最後はロッシに振り切られて7位でゴール。8位にブラッドリー・スミス(ヤマハ YZR-M1)が続き、ドゥカティ同士のバトルとなった9位争いは、最終ラップに前に出たニッキー・ヘイデン(ドゥカティ GP13)が9位、アンドレア・ドビジオーゾ(ドゥカティ GP13)が10位となった。
ワイルドカード参戦の中須賀 克行(ヤマハ YZR-M1)は11位に入賞。CRTトップとなる12位にコーリン・エドワーズ(FTR・カワサキ)が続き、ランディ・ド・ピュニエ(ART・アプリリア)が13位、アンドレア・イアンノーネ(ドゥカティ GP13)が14位、ヨニー・ヘルナンデス (ドゥカティ GP13)が15位に入賞した。
16位にエクトル・バルベラ(FTR・カワサキ)、18番グリッドからスタートした青山 博一(FTR・カワサキ)は序盤はポジションを落としたものの、中盤以降挽回、17位でチェッカーを受けた。18位にダニロ・ペトルッチ(イオダ・スーターBMW)19位にマイケル・ラバティ(PBM・アプリリア)、20位にクラウディオ・コルティ(FTR・カワサキ)が続き、1周遅れの21位にダミアン・カドリン(ART・アプリリア)、22位にブライアン・スターリング(FTR・ホンダ)の順で続いた。
好スタートを決めてスタート直後は5番手につけていたアレックス・エスパルガロ(ART・アプリリア)はその後、後退、12番手走行中の13周目の90度コーナーのブレーキングでバイクから振り落とされるように転倒しリタイアに終わった。ルカ・スカッサ(ART・アプリリア)とルーカス・ペセック(イオダ・スーター)はピットに戻ってリタイア。
チャンピオンシップではマルケスが318ポイントでランキングトップをキープ、ロレンソが305ポイントでその差を13ポイントに縮め、ペドロサは280ポイントでマルケスと38ポイント差、ロレンソと25ポイントとなりタイトル争いの権利を失った。マルケスとロレンソのタイトル争いの決着は最終戦のバレンシアに持ち越されることになった。
news source RIDINGSPORT.com
1. Jorge Lorenzo ESP Yamaha Factory Racing (YZR-M1) 42m 34.291s
2. Marc Marquez ESP Repsol Honda Team (RC213V) 42m 37.479s
3. Dani Pedrosa ESP Repsol Honda Team (RC213V) 42m 38.883s
4. Alvaro Bautista ESP Go&Fun Honda Gresini (RC213V) 42m 54.046s
5. Stefan Bradl GER LCR Honda MotoGP (RC213V) 42m 57.101s
6. Valentino Rossi ITA Yamaha Factory Racing (YZR-M1) 42m 58.928s
7. Cal Crutchlow GBR Monster Yamaha Tech 3 (YZR-M1) 43m 1.787s
8. Bradley Smith GBR Monster Yamaha Tech 3 (YZR-M1) 43m 5.260s
9. Nicky Hayden USA Ducati Team (GP13) 43m 11.301s
10. Andrea Dovizioso ITA Ducati Team (GP13) 43m 17.235s
11. Katsuyuki Nakasuga JPN Yamaha YSP Racing Team (YZR-M1) 43m 27.636s
12. Colin Edwards USA NGM Forward Racing (FTR-Kawasaki CRT)* 43m 37.504s
13. Randy De Puniet FRA Power Electronics Aspar (ART CRT) 43m 41.131s
14. Andrea Iannone ITA Energy T.I. Pramac Racing (GP13) 43m 42.509s
15. Yonny Hernandez COL Ignite Pramac Racing (GP13) 43m 52.531s
16. Hector Barbera ESP Avintia Blusens (FTR-Kawasaki CRT)* 43m 53.399s
17. Hiroshi Aoyama JPN Avintia Blusens (FTR-Kawasaki CRT)* 43m 55.465s
18. Danilo Petrucci ITA Came IodaRacing Project (Suter-BMW CRT)* 44m 4.837s
19. Michael Laverty GBR Paul Bird Motorsport (ART CRT) 44m 57.649s
20. Claudio Corti ITA NGM Forward Racing (FTR-Kawasaki CRT)* 42m 53.344s
21. Damian Cudlin AUS Paul Bird Motorsport (PBM-ART CRT)* 43m 10.959s
22. Bryan Staring AUS Go&Fun Honda Gresini (FTR-Honda CRT) 43m 13.290s
DNF:
Aleix Espargaro ESP Power Electronics Aspar (ART CRT) DNF
Luca Scassa ITA Cardion AB Motoracing (ART CRT) DNF
Lukas Pesek CZE Came IodaRacing Project (Suter-BMW CRT)* DNF
* Standard ECU.