日産の今年10月に発表する「QX50」に搭載するエンジンがなかなか興味深い内容のようですね。
こちらの記事によると「2000ccで、出力は270馬力のハイパワーとなる見込み。燃費は同クラスの従来型ガソリンエンジンに比べ27%改善し、ディーゼル車並みの性能を実現した」そうです。
しかも圧縮比が可変のようで、省燃費の時は14:1、ハイパワーの時は8:1まで変わるとか。
特許出願の図も同様ですが、コンロッドにリンクを経由させてストロークを可変させる機構のようです。
こういう手もあったかと思いましたが、ここまでやらなくても吸気バルブの位相を変えて吸気タイミングでミラーサイクルの早閉じ(もしくは遅閉じ)の調節でも充分出来そうな感じもありますね。実際にVWのエンジンではある程度やっているようですし。
このリンクをコンロッドに経由させる事で回転系のフリクションも増しそうですし、重量も重くなりそうです。
燃費のモード試験のような条件なら良さそうですが、ドライバーのアクセルの踏み方によって色々判断して圧縮比の可変をすると、エンジンのレスポンスなどのドライバビリティはどうなのかなぁ、という疑問もちょっと湧いてしまいます。もちろんソフトウェア処理の問題でしょうが、自然なフィーリングになるのでしょうか。
おまけにこの機構、パッと見た目には2011年にHONDAが実用化した
コジェネレーションユニットのパクリにも思えてしまいます。こちらは定常状態で回転する機関で圧縮比と膨張比も一定ですが、ほとんど同じに見えてしまいます。
実際に市販された時にどれだけの完成度になるのか楽しみですね。
それはそうと、これを紹介した産経新聞の記事では「従来のガソリンエンジンの圧縮比は10分の1程度だが、新型は高速走行時にディーゼル並みの14分の1を実現。ノッキングが起きやすい加速時には8分の1に抑えることができる」とありますが、
圧縮比が8分の1だったら0.125:1で膨張してるじゃないの(大笑)
これは単なる突っ込みではなくて、「比」と言ったら○対□のように書くのが常識でしょう。自動車に限らず、科学でも物理でも数学でも経済でも一緒。この記事の記者は一般に分かり易いように直した積もりかもしれないですが、とんでも無い勘違いですね。普通に日産の広報資料をコピペしてればいいのに生半可な理解で墓穴を掘っています。
これに限らず、産経では理系の記事ではいい加減な記事が多いですね…本気にしないように気を付けましょう(爆)。
Posted at 2016/08/16 13:40:26 | |
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くるま | 日記