皆様、ご無沙汰しております。
nonby号との突然の別れから早一年近く経とうとしています。
去年の今頃は…と考えると未だに胸が痛む思いであります。
早く過去の事は良き思い出として残し、一刻も早く再びBMWに乗れるようにと生きております(≧▽≦)
さて、今回はnonby号が不在となった今、
我が家のメインカーであるPEUGEOT 1007 1.6の9年目車検がやって参りました。
PEUGEOT 1007は2002年パリ・モーターショーで発表されたコンセプトモデル「セサミ」が源流で、まず見た目で一目惚れし一度は乗ってみたいなぁと思っておりました矢先に、何らかのご縁で岐阜に居る頃セカンドカーとして1007 1.4を購入、北海道へ戻る為に売却してしまいましたが、再び北の大地で乗りたいと思い2013年に再度購入、これが今のメインカー1007 1.6となります。
1007は今までのPEUGEOTには無い革新的なデザイン(両面スライドドア・3ドアミニバンワンボックススタイル、サイドデザインはピニンファリーナが手掛けた)や内装のアクセントを気分次第で着せ替え出来るカメレオデザインなどかなり個性的なモデルとなりました。機関駆動系は当時の206を踏襲しておりますが、PEUGEOT初の5速セミAT(シングルクラッチ・ロボタイズドミッション)(プジョー名:2トロニック)が採用されているのも特徴です。
なんだかんだで沢山のPEUGEOT初のコンセプトが投入された車になりましたが、市場はこの車のニッチ性を受け入れにくかったのか、新しい技術(電動スライドドアや電動ミッションアクチュエーター)の投入で度重なる故障が相次いだ所為か、本国では2004年から2009年まで(日本では2006年から2008年)の一世代限りで生産が終了し、後にも先にも1007コンセプトの新型は登場しておりません。超短命モデルで絶対的に販売台数が少なく、街中で出会う確率も格段に低く、後にも先にもない一代限りの車ですので、デザインは発表から9年経ったとは思えないのが気に入っているところでもあります。
しかし、この1007が後継に残した部分が一つだけあります。
それはPEUGEOT初のモデル名が4桁数字という事です。
1007という4桁数字モデルは後発に2008,3008というモデルを生み出しました。
1007は3ドアミニバン・ワンボックススタイルですが、
2008と3008は5ドアSUVクロスカントリー・ライトクロカンスタイルとなり基本形状を踏襲しつつ、もう一回り大きな車体になりました。
今回は車検の代車として、
1007の系譜を受け継ぐ3008をお貸し頂いたので軽くインプレッションしたいと思います。
【エクステリア】★★★☆☆
好みが分かれそうですが…新しいスタイルのプジョーデザインですね。
従来の吊り目に大開口エアロバンパーの名残が若干感じられますが、
より洗練されてインテリっぽくなった感じでしょうか。
また、ライトクロカンを標榜するにあたり車高は通常モデルよりも高く、フロントとリアのアプローチ・ディバーチャアングルも大きめに取られており、さらにフロントとサイド、リアにガードが付くなどミニバン&ミニSUVの雰囲気を醸し出しています。BMWで言うとE84 X1を彷彿とさせます。
【インテリア】★★☆☆☆
ちょいと厳しめの判断ですが…どうしても308初代T7のデザインを踏襲している為、現行の308T9のデザインやインターフェイスと比べると古臭さが残ります。インテリアの品質的にも乗りだし200万円台の1007は納得出来る質感がありますが、3008は乗りだし350円台の車のインテリアと見ると若干安っぽさは否めません。特にセンターコンソールパネルはプラスチック感満載で傷が大変目立ちそうでした。あと、ATセレクターのジグザグゲートは慣れないと大変使いにくいです。1007やBMWのフライ・バイワイヤーのセレクターのほうが操作はし易いです。
【ドライビング】★★★★☆
プジョーの日本における市販車なのでミニSUVと言えどFFです( ー`дー´)キリッ
(三菱・RVRのOEMで日本未導入の4008はAWD)
3008はカタログスペック上では1007と同じ車高163.0cmですが(自分の1007は3-4cm車高落としている)、ドライビングポジションは明らかに高いのが分かります。そのため、車高の高い車に慣れていない私ではボンネット先端の見切りが分かり難く少々違和感を覚えましたが、この車両感覚は乗り換えればどの車も同じで慣れると思います。1007より一回り大きい車体ですが、後部の見切りは案外良く、BMWで言うPDC(音だけで画像では表示されない)の恩恵もあり、駐車場のパレットにはすんなり納められました。シートはプジョーらしくちょいとスポーティーな仕上げで、これは1007とあまり差が無いかなと思います。
で、肝心の走りは車重の割に良く走るなぁという印象。3008は1490kgのボディに156ps/24.5kg・mの心臓。エンジンは言わずと知れた1.6LターボでBMW&PSA共同開発(というか殆どBMW)のプジョーで言うPrince(EP6DT)エンジン、BMWではMINIに搭載されるN14エンジン。姉妹機として縦置きに対応したF20 1シリーズ用N13エンジンがあります。刻みよくシフトアップしていくアイシン製6速ATとのマッチングも良く、街中では何らストレス無く気持ちよく走らせる事が出来ます。F20 116iでも体感しましたが、このPrince(EP6DT)エンジンも本当に良く出来たエンジンで、どの回転域からもトルクフルなパワーを得ることが出来て、尚且つ本当に4気筒かと疑う程のスムースさや静粛性があります。高速域も試してみましたが、キックダウンで気持ちよくエンジンが回り、日本の制限速度+αくらいまでは十分なダッシュ力があります。ステアイングの操舵感は両車とも電動パワステですが1007より取り回しが重く、適度にクィック感もあります。ただ、路面からのインフォメーションは1007のほうがより明確に伝わってくると感じました。あと、高速域でのクルージングに関しては1007より車高も高くパノラマミックサンルーフ搭載で重心も高めということもあり、レーンチェンジで若干ローリングが気になりました。反面、1007はワンボックススタイルながら重心は低めでどっしりとした感触で、高速でのレーンチェンジもスパッと決まる印象です。
それに対して1007 1.6は1240kgのボディに122ps/17kg・m(DMEチューン後)でTU5JP4という20年モノの古参エンジンに、5速シングルクラッチ・ロボタイズド(電動アクチュエーター式)ミッションという組み合わせ。20年にも渡って造られたエンジンだけあって、基本ポテンシャルは高いと思います。現行の4気筒ターボと比べてしまうと非力ですし、アイドリング時の音はがさつな感じは否めませんが、それでも4気筒NAらしくバランサーシャフトのお陰もあり高回転域まで「ウィーン」と吹き上がる気持ちよさがあります。アクセルレスポンスも両車ともフライ・バイワイヤーですが3008より1007のほうがレスポンスは鋭いです。街中でのスタートダッシュは5速セミATのシフトアップスピードの遅さもあり若干力足らずで遅れる事もありますが、巡航速度で走ってしまえば殆ど非力感は感じる事なく走れます。1007のシングルクラッチ5速セミATは性能的にはBMWのSMG初代相当でしょうか。シフトアップの際には毎回アクセルを少し緩めて半クラを上手く使うコツが必要ですし、クリープ現象もありません。DCTやDSGのような電光石火の如きシフトチェンジも望めません。しかし、以外にシフトダウンは早く、ブリッピングしながら有効にエンジンブレーキを効かせて減速する事が可能です。3008の6速ATもシフトアップは良い印象でしたが、如何せん排気量が小さい為か6速ATのエンブレは殆ど効かなく、結局フットブレーキに頼る感じがしました。3008のブレーキフィーリングはスポンジーでふにゃふにゃ感が気になりました。
久々のブログで大変長文になってしまいましたが…。
ここまでお付き合い頂いた皆様有り難う御座います(・_・)(._.)
1007→3008と車両の性質は若干変わりましたが、
ちゃんと1007の系譜・発展系としてそのDNAは受け継がれていると思います。
結局、どちらの車が良いかという括りで判断はできませんが、
実用性無視で変わり者で扱い方も楽ではないが走らせて愉しい1007、
実用性重視で快適でイージードライブするなら3008ということでしょうか。