輪行で奥多摩に行ってきました。
ただ奥多摩と言っても、行きたいのは柳沢峠を越えて塩山まで。
普通に奥多摩をスタートでもよいのですが、それだと味が無いので、
武蔵五日市から都民の森を越えて奥多摩湖に下り、そこから丹波を経て柳沢峠をヤルプランにしました。これなら結構登るはずです。
このプランは雨続きだった10月に乗れていない私を満足させるはずでした。
ただこのルートの破壊力を完全に見誤っていました。
紅葉狩りの目的もありましたので、途中途中写真を撮りながら進むのですが、
今回はこのルートを実行するために導入した装備があまりにも重くて終始それとの戦いになりました。
サドルバックです。
確かに背中はフリーになります。
が、高い位置に重量物があるため、バイクが振られ、意図しない方向に飛んでいこうとするのです。まるで新しいバイクに乗ったかのようです。愛機は、私のコントロール下になく、愛機に引きづられることになります。
終始なれることはありませんでした。ずっとどこに飛んでいくかわからない恐怖で、バイクをなだめる事しか考えていませんでした。
とはいえ奥多摩は色づいてきています。
所々、被写体を見つけては撮影(休憩)しながら登ります。
始発電車で来たためか、若干おなかが空いてきたような感がありますが、まだ8時過ぎですし、そのまま登ります。これが後で痛い目に見るのでした。
都民の森の登りに差し掛かると、バイクの重さなのか何なのか?前に進まなくなります。確かに重さもありますが、燃料が切れていたのです。
ちなみにこの場合の燃料はお酒ではなく普通に解釈頂きたく。
途中奥多摩の方々のClioとスライドし、手を振ってご挨拶を。
都民の森に入ると、ハイカーでごった返していました。
脚にきているような気もしますが、まだ1000mしか登っていませんし、そんなことは無いと思っていました。それは勘違いでした。
綺麗な紅葉で心が癒されていますが、この時シャリバテに陥っていたことに気づき始めていました。補食を取るも時すでに遅しでした。
奥多摩湖に降り、そのまま惰性で丹波村を目指しますが、平坦であるにもかかわらず、バイクが全然前に進みません。
この時9時30分過ぎでしたが、朝ごはんを取ってから5時間立っていました。
朝はパンにベーコンとチーズをのせて食べました。これはとても腹持ちが良く、最近よく使っていますが、流石に5時間は持ちませんでした。
8時には空腹を感じ始め、9時には残存日本兵状態へ。
朝早く出発するライドなら、食事はそれに応じて考えないといけないのだなと今更ながら思いました。食事の面で完全に失敗していました。昨日自転車始めた素人でもあるまいし。
惰性で丹波村に着くと、道の駅でカレーを飲みました。
劇的に改善してくれるはずでしたが、完全シャリバテに落ちた私の体は回復することはありませんでした。
青梅街道は、私が18、9の時登山の為通っていた松本まで、高速代が払えないのでよく使っていました。夜中走り甲府まで抜けて甲府から高速に入り、沢渡で朝まで寝てよく登った物です。
道は覚えていました。唯一変わっていたのは今のルートはおいらん淵を通らずトンネルでショートカットしていることくらいです。
山梨県下で最強の秘境ではないだろうか?落合村や一ノ瀬村を掠めるただ唯一の道。国道411。
その国道は、あれから数十年通っていなかった私に洗礼を浴びせてきます。
あの頃はジェミニイルムシャーR。180馬力のとんでもなく速い車でした。
今は瞬間最高出力1100w、スプリント時750w、1時間の定格最大出力2百数十wのエンジンをのせた愛機フランスのLOOK。
この日荷物を満載した我がLOOKは、重かった。
柳沢峠に登る道は苦痛しかありませんでした。いつになったらつくんだろう?
そればかり考えていました。
道路の隣に沢があるので、峠はまだまだ先である事はわかっていました。
仕舞いには左足が攣ってしまい、どうにもできずにバイクを降りました。
攣りが収まるまで左足をびっこ引きながら歩くんです。
もしかしたら柳沢峠はあと10km位あるかもしれない。
そう思うと、泣きたいというか、この後どうなるんだろう?という感覚しかありません。
このまま攣りが直らなかったらペダルも踏めない。
絶体絶命でした。
愛機を恨めしく見たのは、初めてロードバイクに乗った時以来です。
この後攣っては歩き、収まってはバイクに乗りを繰り返して。。。
実はすぐに来ました。。。。
無理すればそのまま乗車で来れたかもしれませんが、もう本当に使える筋肉がありません。泣きたかったくらいです。
恨めしい装備達。
でも、よく登りました。本当によく登りました。よく登れました。
この時には愛機LOOKによく耐えたと言って聞かせていました。
後はダウンヒルしかありません。
問題はそのダウンヒルで、サドルバックの影響でどこかに飛んでいこうとするバイクをいなしながらの怖いものでした。
塩山に無事降りて生きた心地がします。
この地区特融の光景ですね。食べごろは12月です。
まだまだだな。
帰りは特急で楽ちん。これがやりたくて思い装備を背負っていたわけですから。
この日のルートは90kmで2100m登っていました。そりゃ足もなくなりますわな。
こんなに追い込まれたライドは今までありません。山ヤ時代、師匠に従事していた頃の話です。初めての冬山で南アルプスを縦走していた時でした。完全バテし師匠から3時間遅れてどうにもならなかった時の、このまま体が動かなくなり夜を迎える(つまり疲労凍死する)かもしれないと思ったその次位の厳しいものです。
敗因はまず最初のシャリバテです。大丈夫です、それはアタッチできます。
柳沢峠、次は夏に行きたいですね。今回と同じルートですかね。
以下自分用のメモ
本格的なダウンヒルでわかったホイールと言うかタイヤの感想
C50と同じ感覚でライントレースしようと思うとオーバーステアになる
ステアリングはとてもニュートラル
やっぱり7barは高すぎる感がある。6.5を試したい
ブレーキはやっぱり効く
ちょっと握る分で十分強く握っても何も起こらない
ただハードブレーキはシューの柔らかさからか剛性がない
ハードなブレーキ&ステアは試せなかったがおそらく普通それほど良い