ライラックVエンジンの潤滑系がプアな事は前にちょっと触れましたが、どのように改善するか考え中です。
何がプアかと言いますと、クランクシャフトへオイルが上手く送られない状況になっているのですよ。
写真を見て下さい。
中央の鋳物製の物がクランクシャフト前側のベアリングホルダーです。
6206のシール付きベアリング(右上)が入ります。ベアリングが入る部分の上側中央に削られた凹みと穴が見えますが、オイルポンプで汲上げられたオイルが廻ってきます。
ホルダー左側タイミングギア下に見えるラバーが付いた板は、ベアリングの押さえとクランクにオイルを回すキモの部品のなります。タイミングギアの側面をラバーのリップがシールしてベアリング(シール面が有る側)とラバーシールの間にオイルを見たし、クランクシャフトの穴からオイルをクランクピンに回す仕組みになっています。
つまり、クランクにオイルを回すには、ラバーシールのリップがタイミングギアにちゃんと接していることが必要になります。新車のウチはシールにも弾性が有ったでしょうから、オイルは漏れずクランクに廻ったと考えますが、この年になるとラバーは、完全に硬化し弾性が無い状態になっています。(材質的にも当時は耐熱性の低いニトリル系のゴムを使っていたと考えられる)ですのでオイルは漏れる心配が大と言えます。
このシールをどうにかしないとエンジンは回せない事になると思います。
静かに回す分にはカムシャフトに廻ったオイルがクランクの方に落ちてくるので問題とならないかもしれませんが潤滑不足になる危険が大です。
59年製一体クランクの例を示していますが、60年以降の半割クランクエンジンも同じラバーシール方式を採用していますので同じ弱みを持っていると言えます。
プアなところは直さないとダメです。
シールの厚さは5mmくらいですので、この空間にフッ素ゴム系のシールを押し込む必要が有ると考えています。
あれこれ、生存空間を確保出来ないか考えているのですが、ベアリングまで見直す必要がありそうです。
(ホントに対策出来るのかなあ?大汗)
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Moto and Bicycles | クルマ
Posted at
2016/12/04 18:13:00