日産自動車の危機

全く個人的な意見ですし、素人の判断ですが、こんな見方も出来るという一つの話だと思ってもらえるとうれしいです。

パッと見で言えば、今国内販売に置いて日産を見ても魅力ある状況とは言えません。売れている車は少なく、特に高級車部門は凄惨たる状況です。この前、個人タクシーに乗ったらたまたまクラウンで、運転手さんに「今はトヨタの割合が多いですか？」と聞いたらその個人タクシー組合では８割がトヨタ車で営業しているようです。セドグロ時代の方が、まだ日産の割合は多かったんだとか。

それでも、何となく個々の車種の出来を見れば「何とかなるんじゃない？」と思える感じもしなくはありません。車の実力はそこそこあるように見えます。

が、表面的な問題よりも実際問題はルノーに買われた「ルノー日産アライアンス」に問題があります。

というのも、現在日産はルノーの事実上の傘下なわけですが、その内訳はルノーが日産自動車の株を約４３％保有し事実上の支配権を握り、代わりに日産自動車は１５％のルノー株を保有、ただし子会社の為に議決権はない事になっています。

で、面白いのはアライアンス全体の利益はほぼ日産が稼いでいて、ルノー単体の利益は日産株の配当金を除くとほとんどない事。そして、時価総額に置いては日産自動車の株価総額に対してルノーの時価総額は４割程度。

つまり、ルノーの現状は日産におんぶにだっこという状態です。

表面的にルノーを見た場合、今ルノーの技術コンシャスな車は殆ど無くて、しかも無駄にサムスン何かに手を出してしくじっている状態。そもそも、現在のルノーのラインナップでグローバル展開した上でまともに売れている車なんて皆無です。そりゃメガーヌスポールなんかカッコいいですが、申し訳ないですがニッチとしては中途半端だしメジャーにもなれない、ようするに５ターボ時代の立ち位置と変わらないボリューム加減なわけで、どうにもならん状態に変わりはありません。

厳しい見方かもしれませんが、それこそＢＭＷが自慢のＦＲや直６を打ち捨てたり、メルセデスのなりふり構わない商品展開であったり、政治力バリバリのＶＷグループであったり、そこにアジアの三河商人が必死で頑張る業界なわけで、申し訳ないけど乗り心地がちょいと良い程度で他に花が無いし安くも無いブランドは苦戦する他ないのです。

だけれども、何でか生き残っているのはＥＮＡ出身のエリートなどの一部天才が先を読んで「やっすい日産」を買い叩いたからです。もちろん、フランス政府も味方につけて。

フランスって国は非常に不思議な国で核兵器を持っている以外は大した軍事力もないし、工業国でもないのに、どうしたことか一流国としてのさばっています。理由は白欧社会で歴史も長く、政治力に長け、文化度が一部非常に高いことに要因があると思います。

まぁその国が見つけた美味しい蜜が暗黒時代の日産だったのです。すげぇ奴らは買い物が上手い。

そして、実はゴーンは脅す切る以外、特段の仕事をしないまま、ブルった日産が頑張り現在に至ります。半端な開発資金でなんとかしなきゃならない（ルノーがくだらなく吸い取る）日産はどうにもこうにも作るものが陳腐化してしまいます。一時期より元気のない販売現場を見れば一目瞭然です。ホイールキャップの色を買えただけで限定車だ、なんて言い切るんですからそりゃーもうどうにもならん。

さて、日産はこのまま食われるのか？

反撃するとすれば、例えば日本政府自体がバックに裏で付いて、低金利融資でも何でもいいので５０００億とか１兆円用紙した上で、ルノーにＴＯＢを仕掛けるだとか、えげつない手段でも何でもいいから、とにかくフランス政府よりもデカいバックを味方にして戦うしかありません。

このままだとルノーというかフランス政府に食われて終わっちゃうので、何とかならんかなぁと思うのですが・・・

実は日産、車が売れない以上に危ないのです。