最近は寝ても覚めても「自動車造り」の事が頭から離れなくて、ちょっとマズイなぁと思っております。
面白いアイデアをひねり出すには、心にアソビがあって、ふと本筋から離れた時に湧いてくる事が多いので、「寝ても覚めても」モードは創造性の点では本当は良くないです。
そんな事情もあって、最近は休日に本屋で半日立ち読みする事もないし、ひとりでボケっと映画館に立ち寄ることもなく、過密スケジュールの綱渡りです。
これではイカン!と無理やりに休日を作って、子供たちと防波堤釣りに行って(釣果は謎の小魚3匹、投入した餌2.5kg)、家に帰ってからリラックスした気分のままMotorFanを手に取ってみました。
今号の特集はコンパクトSUV。
僕のライフスタイルではあまり食指の伸びないジャンルのクルマですが、大好評のトヨタC-HRの開発プロジェクトリーダーの古場さんは、レース仲間で、フヂエンの自動車開発に関しても時々アドバイスを頂いたりしているので、じっくりと読んでみました。
C-HRは他車と比較してぶっちぎりにデザイン攻めてますよね。僕はこのデザイン好きです。
かつてのトヨタデザインは保守的で面白味のないのが多かったのですが、いつのまにか一番攻めてるメーカーになってる。
僕の持論ですが、スポーツカーの性能の80%はデザインだと考えています。
パフォーマンスの低いスポーツカーは存在価値ないとして、どのスポーツカーも非日常的なパフォーマンスを味わうことができるレベルに達しているという前提の場合、顧客にそれを選んでいただけるかどうかはデザインが80%、そう思っています。
SUVの場合、そこまでデザインのウェイトは高くないとは思いますが、このC-HRの攻めてるデザインは明らかに大きなセールスポイントになっていると思いますし、実際に好評を得ています。
あと、「名車再考」のコーナーは僕の中で「いつか手に入れてみたいクルマ3台」のウチの1台、セリカ1600GT。
このクルマには思い出があって、曖昧な記憶をつなぎ合わせているので正確ではありませんが、
僕が小学校の低学年の頃の夏休み(1982年頃かな)、母方の祖父母の家(島根県隠岐の島)に遊びに行っていた時の事、3歳年上の兄とケンカして泣かされてスネていた僕を近所のお兄さんがこのセリカ1600GTで島内ドライブに連れ出してくれたんです。
当時の隠岐の島は、普通乗用車はレアで軽トラとか軽自動車ばかりだったので、セリカはやたら目立っていたような。
そのセリカに乗っていたお兄さんは誰だったのか、今では誰に聞いても「誰やろなぁ」ですが、記憶の中ではやせ形でリーゼント、くわえ煙草、当時のTHE不良な感じでした。
でもめっちゃカッコよくて、「ぼ、僕もこんな風にクルマ運転できるようになりたい!!」と充少年は思ったのでした。
そんな思い出のあるセリカ、いつかは手に入れて自分で修理しながら乗ってみたいと思っています。
まぁしばらくはそんな高尚な趣味は持つ時間なさそうなので、しばらく先の話になりそうです。
さて本題。
SSK4は先月で開発スタートから1年経ちました。
当初の開発スケジュールでは1台目のプロトタイプがテストランを始めた頃のハズですが、まだいくつかのモックアップと、モーター試験用のバイクが2台、ボツになった図面とアイデアスケッチ多数。(汗)
そんな状況下でヘラヘラしていられる僕ではなくて(笑)、「このままでは無限に時間が掛かってしまう!」と焦る訳です。それで「寝ても覚めても」という状態に陥っているワケでございます。
監督総指揮の林さんは、一概に僕をはじめとするフヂエンだけに起因するものでは無い、と仰ってくださっているのですが、僕らが林さんの持つイメージにドンピシャの提案を出来ていないから、という部分は少なからず有ると自責の念は感じております。
という訳で、今回の記事では、苦悶する僕の様子を描き出して頂いております。
しばらくの「寝ても覚めても」モードの結果として、いくつかのアイデアも生まれつつありますし、これらを具体的にカタチに出来るよう、プロジェクトチームの皆さまの知恵とチカラをお借りして着実に前に進めます!!
ご期待ください。
藤井 充