インディカー・シリーズ第3戦ロングビーチ 予選 - 市街地コース
順位 ドライバー (チーム) エンジン
01. ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング) ホンダ
02. ライアン・ハンター-レイ(アンドレッティ・オートスポーツ)シボレー
03. ウィル・パワー(チーム・ペンスキー)シボレー
04. 佐藤琢磨(A.J.フォイト・レーシング)ホンダ
05. マイク・コンウェイ(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)ホンダ
06. エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)シボレー
参戦26台
佐藤琢磨
「予選はとてもエキサイティングでした。私たちはフリー走行3回目ではマシンのバランスが思い通りにならずに苦しみましたが、予選に向けてはソフト・タイヤ使用に合わせてセッティングを調整し、それが大変うまくいきました。チームが本当にすばらしい仕事をしてくれています。ロングビーチでの予選4番手は自分にとってベストです。レースに向けては、明日の決勝前のフリー走行で最後の確認、そして調整を行いたいと考えています」
インディカー・シリーズ第3戦ロングビーチ 決勝 - 市街地コース
順位 ドライバー (チーム) エンジン
01. 佐藤琢磨(A.J.フォイト・レーシング)ホンダ
02. グラハム・レイホール((レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)) ホンダ
03. ジャスティン・ウィルソン(デイル・コイン・レーシング)ホンダ
04. ダリオ・フランキッティ(チップ・ガナッシ・レーシング) ホンダ
05. J.R.ヒルデブランド(パンサー・レーシング)シボレー
06. オリオール・セルビア(パンサー DRR)シボレー
参戦26台
佐藤琢磨
「言葉もありません。最高の気分です。信じられないですし、本当にうれしいです。今週は完ぺきなレース週末になっていました。チームが最高の仕事をしてくれました。ピットストップも作戦も完ぺきでした。ホンダ・エンジンもパワフルで、レース中の私は、マシンを限界で走らせることを楽しむことさえできていました。開幕2戦で課題となっていたピットストップも、今日は本当にすばらしかったです。クルー全員が完ぺきな仕事をしていました。自分も集中力を保ち、与えられた仕事をやり遂げようと考えながら走っていました。その結果、すべてがうまくいって、まるで簡単に勝てたように感じたほどでした。この勝利が、まだ震災の影響が残っている日本に、いいニュースとなってくれるといいですね。日本の朝に、こうしたニュースを届けられることをうれしく思います」
祝!!優勝!!
インディカーは4月21日、ロングビーチの市街地コースで行われた
トヨタ・グランプリ・オブ・ロングビーチの決勝で、A.J.フォイトレーシングのNo.14を
ドライブする佐藤琢磨が完璧なレース運びをして日本人初の
インディカーレースの勝利を収めたことを発表した。
インディカー最多勝の記録を持つ伝説的なドライバーであり、
チームの創設者であるA.J.フォイトはこの日、今週中に行われる予定の手術の為、
トラックで佐藤の勝利を祝うことはできなかった。
しかし彼はテキサス州にある自宅からテレビの生中継を通じ、
佐藤のレースぶりを最後まで見守っていた。
「A.J.に今すぐにでも電話をして、この勝利を報告したい」
とレースカーから降りたばかりの彼に向けられたマイクに向かって、佐藤は興奮気味に語った。
A.J.フォイト・レーシングチームにとって、この勝利は2002年のカンザス・スピードウェイ
での勝利から11年ぶりのもので、市街地コースでの勝利は1978年のA.J.フォイトの勝利にまで
さかのぼる。
チームディレクターのラリー・フォイトの無線が、
合計80ラップ中の数ラップを残した佐藤の耳に届いた。
「後方はクリアだ。プレッシャーはない。車を持って帰ってくることだけを考えろ」
しかしレース後、彼は自分自身が物凄いプレッシャーと戦っていたことを明らかにした。
「凄いプレッシャーだった(笑)。今までに今日の琢磨のような完璧なレースを見たことが無い。
チームも一丸となって全くミスの無い完璧なレースができた。
ABCは、10年以上も辛我慢強く我々のチームをサポートし続けてくれた。
その献身にやっと報いることができて本当に良かった」
とチームディレクターは語った。
表彰台の前にパーキングした佐藤の周りにチームのクルー達が集まり、
二まわりほど大きな体躯を持つクルー達が交代で佐藤を抱え上げて彼を祝福した。
彼にとって52度目のインディカーレースで、念願の勝利を手にした佐藤は、
満面の笑みと共に日本の国旗を誇らしげに頭上に掲げた。
《河村兵衛》氏