予告しました通り、Z-ONEの技術掲示板で火が付き、ザフトラ乗りの間で一種の大流行となった、金属製スタビリンクロッドについて
SDXの個人的見解を書いてみます。
このショックとスタビライザーを連結する細い金属棒がまるで
魔法のアイテムのように口コミ・ブログで広まったことについては、現在のネット社会ならではと言えるでしょう。
現存数が少ないザフトラワールドの中でこんなに流行した原因は、
1.ただでさえ情報が少なく、ましてやアフターパーツが少ない
2.自分でやれば3000円強で入手可能。取り付けも4000円くらいとリーズナブル。非常にお手軽である。
3.ちょうど年数的に足回りが交換またはメンテ時期に来ている
4.絶賛のコメントが並び、否定的な意見・感想が不思議と出ていなかった
5.
e-bayで個人輸入というアカデミックさをくすぐる要素(笑)があったこと
こんなところではないでしょうか。
特に安価であったこと、絶賛コメントの多さは
「どうせ足回りをやるならこれもやっといた方がいいだろう」という
「ついでにこれも」というノリで導入された方も多かったかと思います。かくいうSDXもそのクチで、
「FSDに金属スタビリンクで最強!!」だなんて無邪気に興奮していましたから。。。。
今回、959さん入庫を機にちょっとこの金属棒の品質とリスクについて、
その普及の片棒を担いでしまったかもしれないSDXが反省をこめてレポートいたします。気分を害される方もいらっしゃるかも知れませんが、何とぞご了承願います。
で、SDXを含めて
「走りがシャッキリした。付けて良かった」的な感想を持ったわけですが、e-bay経由製品はその造りは粗悪で、場合によっては
切断しないと外せない(SDXのはそうでした)、
極めてお粗末な商品であるという事実を書かねばなりません。
さて、その
e-bayの商品紹介を見ると、
アップデートという表記があります。つまり最新の状態に出来る。これが何を意味するかと言いますと、実はザフィーラBからは純正でスタビリンクは金属製になっています。確かに金属製にすれば新型と同じだ!!なんですが、クルマはそう単純なものではない、と昨日書きましたね(汗
このスタビリンク、我らがザフトラに於いても純正で金属にしたってそんなにコストも変わらないだろうし良さそうなものですが、
わざわざプラスチックにしてある、という視点が欠けていました。あえてそうしている、その意味があるということです。
金属とプラスチックではその固さやしなり方、力の逃がし方が全く異なります。
で、その役割はショックとスタビライザーをつないで、スタビライザー(突っ張り棒)の効き目を調節するというものです。(違ってたらご指摘ください)
ここを金属にする事によって大げさにいえばスタビライザーと連動しやすくする、効かせやすくする効果があるとされています。
得られた効果はSDXも感じたとおり、オンザレール感覚(コーナリングで車体がブレナイ感じ)でロールが抑制され、しっかりした感じがするのです。轍(わだち)などでもスタビがギンギンに効いてすぐにタイヤを戻してくれるのでステアリングが取られずスッキリした感じがするのも事実です。これはおそらくどなたでも感じられるメリットかと思います。リフレッシュ感という点で絶賛なのもうなずけます。
しかし、あるメリットを得た分、実は緊急回避や高速からの急ブレーキなど前輪に荷重が集中したときにかえって「曲がらない・スティックする」というデメリットが出る可能性がある、と指摘されました。
当然と言えば当然なのですが、設計値より強い力が入力されるわけです。バランスが崩れて正常に足が動かない可能性も大いに考えられます。
イザ、と云う時に舵が効かない、家族が乗っていたら・・・・そう考えるとお手軽チューンでもバランスはちょっとばかり崩れているかもしれないと気に留めておく必要があります。
さらに、
ことe-bayで扱っているモノに関しては品質が粗悪で、シール部からすぐにグリスが漏れ、ジョイントが渋く、ボルトナットが錆び、ねじ山が舐め、わずか一年であの状態になってしまうという現実があります。異音をはじめ、交換が短期間で必要な場合、決してコストパフォーマンスに優れているとは言えないかも知れません。
SDXの場合、ヤフオク業者での取り付け方にも問題があったと思われ
ナットが外れず切断!!という最悪の事態に。。。
※マイレ製品ではそのようなことはない、という報告を頂いています。
もちろん、日本はともかく、実は超ベストセラーなザフィーラです。このようなパーツが開発された背景にはそこに硬度を持たせたい、シャープなハンドリングが欲しい、というニーズがあったからだろうと想像するわけですが、それは例えばビルシュタインのBTSキットやKWの車高調整キットなどある程度ハードな足回りとタイヤ・ホイール、さらに全体のバランスを調整してやっと機能する類のパーツであると考えるべきなのかもしれません。もちろん、そのデメリットも受け入れての話です。
で、
e-bayの商品はマイレのコピー商品だと捉えるのが妥当です。
プラスチック製のスタビリンクは
「力を逃がす」という役割を担っていたと考えるのが妥当でしょう。もちろん強化ナイロンゆえのヘタリ易さというデメリットも甘受しなくてはなりませんが、金属製は少なくともノーマル足には
デメリットも多少はある、ということは分かってもらえたのでは、と思います。
最近自分のダメダメっぷりを書いているSDXですが、金属棒をポンと付けるだけで良い事づくめなんて
「そんな美味い話はない」ということ、
光があれば影があり、それを見て見ぬふりしても必ずかえってくることを声を大にして言いたいでございます。ええ、痛い目にあっております。SDXです(汗
そして最後に「こいつぁいいぜ!!」なんて書いてしまったことを深くお詫びする次第であります。
※既に付けられている方、買っちゃった方、SDXの個人的見解(ちょっと大げさ)ですので必ずしも害が出るとはいえません。それくらいで目くじら立てることなく、大丈夫かもしれませんので、あわてず騒がず、冷静に対処願います。
自己責任ってやつでございます。
次回、純正とは何かを考えてみる 予定です。
※20:50 加筆訂正。一部表現に不適切な部分やご指摘を頂きましたので訂正しました。
ブログ一覧 |
トラヴィックの話 | 日記
Posted at
2011/02/24 15:22:22