昔から金属物が好きです。車、オーディオ、カメラ、ライター、時計、斧、ストーブ、パター・・・・・。
男の嗜好品てアナログな金属物が多くないですか?
今回は時計の話。
僕はどうしてもデジタル数字で時間が表示されるデジタル時計が好きになれません。針式の時計もクォーツ時計の秒針がカクカクと動くのが生理的に嫌でいまだに機械式の時計ばかり手元に溜まっています。昔、広告マン時代にウォッチメーカーの担当をやっていて、耳年増になってしまったせいもありますが、他人の袖口からチラッと覗いている時計はやはり気になります。持ち物に薀蓄語れないようじゃ企画なんかできんよという人も多かったですし。
初対面の打ち合わせのときに、お互いのつけている時計の話題で救われたことも一度や二度ではありません。
さて最初は田舎暮らしでの時計選び。
実は田舎家では、すぐ近所に町の放送施設があって、朝6時、昼の11時半、夕方5時にチャイムが鳴らされます。朝のチャイムはたぶん農作業の音を出していいという合図じゃないかと思っています。チャイムが鳴ると草刈機やチェーンソーの音が聞こえてきますから。昼と夕方は作業終了の合図でしょう。
野良仕事に熱中していても飯の時間はこれで判るので時計はいらないといえばいらない。ポケットには携帯電話も持っていますし。
でも何か左手に時計がないと落ちつかないのですよ。アナログウォッチで野良仕事にタフに使える時計は当たり前過ぎますがステンレスオイスターケースのROLEXでベルトもステンレスのもの。これならスーツのときでも使えるし、実用的には一番だと思います。
ビジネスやパーティではROLEXだと当たり前すぎてネタにならないので、メインはROLEXでも相手によってはちょっとヒネリ技のものと使い分けています。でも金属ケース+アナログ文字盤は基本です。最近は中国製ムーブメントでケースやデザインが決して安っぽくない面白い物が結構見つかります。僕は昔からセントジョイナスという国内メーカーが安価なのにこだわりがあって好きなのですが、秒針が回転せずに15秒ごとに扇形に往復運動するタイプのものが気に入っています。実売価格1万円ですが今まで誰も値段を言い当てた方はいません。時計好きの友人ほど驚いてくれます。これお奨めです。
もう一つ、写真の時計ですが、僕の持っている随一のクォーツウォッチ。
これは、元々はシェルマンというアンティークウォッチ店がシチズンにオーダーしたこだわり時計のメカが使用されています。普通の時計に24時間時計、経過時間も計れるストップウォッチ、大小の月や閏年も自動修正される永久カレンダー、月齢表示をアナログ針式で実現しています。おまけに現在時間を鐘を鳴らして知らせてくれます。これだけ複雑な機能が文字盤に表現されるとそれだけで魅力的です。
こういう複雑機能の機械式時計も世の中にあるにはあるんですが数千万円するようです。とても買えませんし恐ろしくて身につけられません。ここに機械式複雑時計の自己矛盾がありまして、機能が多すぎていったん時計を止めてしまうと、時刻合せやらカレンダー合せやらとてつもないセッティングが必要になるのに、高価すぎて普段使いできない、使わなければ止まってしまう。これでは永久カレンダーなんか意味ないですね。
シェルマンのオーナーはこういう超高価な機械時計の魅力を身近に知っている人なので、クォーツで作れば普段使いの価格にできるし、電池駆動ならセッティングも電池交換の時だけで済むと考えてシチズンに企画を持ち込んだようです。シェルマンのウォッチはケースや針はアンティークショップのこだわりで凄まじく手の込んだ仕上げがされています。僕はこういう話が大好きなので、応援したいこともあって最初はシェルマンの時計を探すつもりでいました。ところが、深夜のTV通販番組で取り扱っているのを知って一度は買うのをやめました。いくらお気に入りで薀蓄も語れても、「TV通販で売ってるの見ましたよ。」というのが嫌だったのです。
シェルマンの時計もシチズンで作っているし、シチズンからも同じメカニズムのシリーズが出ていますが、シチズンはロゴが安っぽくていまいちです。僕は結構ロゴデザインは気にしています。
しばらくたって、このムーブメントを使ったウォッチが他のブランドでも販売されていることがわかりました。
その中でようやく探し出したのがアクアスキュータムの150周年限定バージョン。以前シチズンでアクアスキュータムブランドのウォッチを販売していましたから、その関係でオーダーされたものだと思います。とても魅力的なのですが、鐘の音を聞かせる都合で裏側には穴がありますし、ゴールドの時計には金属ベルトが似合わないので、汗かきな僕には冬限定なのがちょっと残念なところです。
Posted at 2010/01/18 02:10:00 | |
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