RF Punch800a4その後
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
3時間以内 |
1
昨年末より仕掛り、安易に済ますつもりが、そうもイカン。(毎度同じ)
ラフにバイアス調整を行ったことで、出力段のパワーMosFETを飛ばして(燃やし)てしまい、こうなったら守備徹底スイッチが入ってしまい、パワーMosとついでに電源部のMosFET、整流ダイオードもSBDに交換してしまった。
その後も、入力系のゲインボリューム、LPF,HPF回路をバイパス、この機種の特徴でもあるPunchイコライザ回路オペアンプも入力バッファー除いて全部外した。
余計な回路はアッシのシステムには不要なのじゃ。
回路構成を基板のパターンとテスターで追っていたが、海外のサイトで偶然にも類似機種の回路図を見つけ、中身を見たところ、電源部を除き、パーツ構成、NPN.PNP、レジスタ、キャパシタのナンバーまで、ほぼ同じでないか!?
こうなると、一気に小出力のチップトランジスタの交換を試したり、回路の簡略化、チップ抵抗の交換等々、やる気が沸いてきた。
回路図が有ると無いとでは大違い!
米国製ながら、意外にも真面目に作ってるアンプ。
特にゲイン周りなど、安易に入力直後にボリュームが入っているわけではなく、オペアンプの増幅率を変更する考えた方法を取っている。
現在のRockFordのAB級に関しては、この当時の設計思想はそのまま使われているないかと思える。
いずれにしても、コレの使用目的は、現用のPhonon340改、夏用代替アンプに登用できるか否か。
まだ続く。てかもうちょい楽しめそう。
2
チップNPN,PNPの増幅率(hfe)を揃え、欲を出しオリジナルとは異なる国産銘柄のチップNPN,PNPも試してみようと企む。
ホーム用の自作機では、小出力トランジスタの変更は色々試すので、問題なく動くだろう。と思う。たぶん動く(爆)
カー用アンプで流石にこんなことまでやったことなかったが、NPN,PNPチップは小さい。マジで小さい。多少米粒よりは大きいが、こんなもの脚3か所に真面にテスターリードを当ててられないので、先ずベーク版に銅箔テープを貼って、hfe簡易計測治具をこさえた。
チップトランジスタ全てペア―やコンプリをそろえられるか?揃えるには数が必要で、すでに400個くらい、ちまちま計測してる。ざっくりランク揃えて手に入れても、きっちりはなかなか揃わん。
誤差1%・・・最終的に5%の誤差。その混ぜこぜ、要所要所という妥協案に行きつくと思うが、無選別で組んでも調整回路を設ければどうにかなる。と、理屈でわかていても、やりだしたら、細かく揃えたくなるのが人情。
最初からやらない、見なかったほうが良かったんのかもしれん。
青いのは、秋月で売ってる、半導体アナライザ。
3
改造数理後、途中でのテスト風景。
半導体は一部銘柄を変え増幅率のマッチング、コンプリメンタリーをそろえた上で組んだら、初期値よりDCオフセットは少なく、無調整で全チャネル5mA以下に収まった。
抵抗も標準の厚膜の汎用品から、薄膜チップ抵抗の高精度温度計数の品に交換している最中だが、全面交換となると、時間もかかる。
途中でのミスや動作不良が発生しないよう、またミスっても不良個所が限定しやすいように、要所要所で度々通電テストを行いつつ、改造範囲を拡大中。
このアンプ、AB級とはいえ、ほぼB級でバイアス電流も低く、無音時の電流は1Aと少々とごく低い。
転ばぬ先の杖ではないが、調整中は、3Ω20Wのセメント抵抗を3パラで1Ωとして、+B電源に突っ込んで様子を見る。
この抵抗は、リミッターのような働きで、突入電流から避けられる。この状態で5A程度の安定化電源でも起動できる。
大掛かりにパーツを交換した直後はこのような状態で起動電流の推移を確認し、スピーカー端子のDC漏れチェック、バイアス調整でも、熱暴走してパワー段が焼き切れる事もある。
4
交換したパーツのリストメモ
出力段パワーMosFETIRF540/9540
ドライバー段
MMBT5088
→ 2SC3324 ペア―
Hfe計測 1%未満マッチング
MMBT3904/3906
→ 2SC3324/A1312
※ C2240/A970のチップ版ローノイズ品
ドライバー
MPSA06/56 同一品に交換。
MMBT3904/3906
→ 2SC3325/A1313
hfe計測 コンプリペア―
電源部 パワーMosFET
MTP75N05HD
→IRFB4410
整流ダイオード
MUR1620CT/1620CTR
→ FCH20A15/FRH20A15(A&R)
電圧増幅段用、安定化電源レギュレター
lm317/337 同一品
※ ついでに交換。電圧調整用ポテンションメーター取付。
317/337の下流にTPS7A4700 /3301 プリ段、ドライバー段独立4系統
コンデンサ
電源部
1次 PW 25V 1800uF x 8
PML-CAP 25V 2.2uF X2 裏打ち
2次 電流増幅 ±37.4V
KMH 50V 4700uF x 6
PW 50V 1000uF x 6
ERO KT1813 100V 3.3uF X2 裏打ち
パスコン、位相補正 セキサラ
→ ECHU
0.1uF 0.01uF 100pF 120pF 270pF等
※ セキセラも熱劣化あるのだろう。効果大。
抵抗
プリ段 及び ドライバー段チップ抵抗全て交換 ≒50本/ch 全量で200本
Yageo RT0603
薄膜チップ抵抗 1608サイズ
15ppm 0.1%
or 25ppm 0.5%
http://www.mouser.jp/ProductDetail/Yageo/RT0603BRB071K5L/?qs=sGAEpiMZZMu61qfTUdNhGxEjuuBLd0B44B5WfMI9Mbg%3d
ソース抵抗
0.1ohm MPC74
Zobel 10ohm
Dale NS2B
チップ抵抗の交換が全量完了。1608サイズを大量に交換するのは超大変。
ただ、音への影響はかなり大きい、過去の厚膜チップ抵抗は芳しくないが、薄膜チップ抵抗音質は・・・
プラシボMaxだがやった甲斐があり。
他にも変えてるが、もうワケワカメ。
ようやく次のステップへ
5
最終的にこんな状態に。
プリ段とドライバー段の電源を分離させ、超ローノイズ±安定化電源を個別に組んで各チャネルにワイアリング。
各ケーブルの先端にはファインメットビーズを入れている。
ファインメットビーズについて。
ファインメットビーズは音を良くする魔法のビーㇲではない。要するにフェライトビーズよりもかなり大きなインダクタンスを持つコアー材という事である。どれくらい大きなインダクタンスを持つかというと、ケーブルを1回通すと65μH、1タ―ンさせると130μH前後にもなる。
小さいからといって、これをところ構わず使うとどうなるか、電源回路でもスイッチング箇所では電圧低下、音声ラインに使うと相当な容量のコイルを噛ませるのと同じことになり、トランジェントは悪化するし音声信号をハイ落ちさせる事になる。
デジタル回路も同じくデータの転送にハイカットフィルタをかけるようなもので弊害が出る。
あくまで直流電源の平滑用として、電源ノイズを平滑化する目的での使用に限定すべきだと考える。
6
これは負電源側のTPS7A3301超ローノイズ電源。負側である。
正電源はTPS7A4700
以前からDACの電源部にこのあたりの電源を個別に使ってきており、パワーアンプのプリ段、ドライバー段をおもいっきり安定化させたらどうなるか?の実験。
確かに違いはある。静粛になる。
電源交換直後にBTLでテストしたら、イマイチだった。
その後各所に異常が無いか、再度バイアスを調整し直して、4chモードで個々のステレオグループで試聴。
これなら良い。
ただ、残念な事にBTLモードはややノイジーだ。ピアノ曲などのパルシブなソースで、立ち上がりに騒がしい感じが残る。
ちょと考え方変えて、もうちょい調整するか。
7
結局のところ、短所を克服するよりも長所を生かす方向に方向転換。
毎度不要となり、バイパスさせてきたアンプ内蔵のアクティブフィルターだが、今回はここを改造して試してみようと考えた。
流石にパンチフィルターなるローブースト回路は不要なので、該当箇所のオペアンプとCR類は外し、バイパスさせた。
内蔵チャンデバに関しては、回路図もあることだし、実際に私のクルマで使っている帯域に合わせ、クロスオーバー周波数をデフォルトではサブウーハを前提とした50-200Hzから、3Wayのローとミッドの帯域で300Hz±1オクターブの150~600HzにCR類を変更した。
オペアンプは各チャネルの入口の入力バッファー兼フィルター用にはADA4610-2、ハイパス、ローパスアクティブフィルター用には元のTL072を新品に交換して使った。双方J-FET入力のオペアンプである。バッファー他全部アクティブフィルタ使うとなると、オペアンプは計12個にもなり、省電力タイプに限定しないと使えない。全てADA4610-2に変えたいところだが、手元に4個しかなく、他はTL072で試す事にした。TL072は安価で1個50円くらいで手に入る。
音はややマイルドな感は否めないが、とことん悪いわけでもないので、クロスとレベルバランスを取った後から交換しても良い。
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