4月の後半頃から,久しぶりにスナップ撮影でもしてみようと思い立ち,手持ちのデジカメを色々持ち出してみましたので,その一時まとめ的な記事を書いてみます。
スナップカメラ/お散歩カメラなどとも言われますが,やっぱり携帯性が重要です。
理想は…
・ 一眼レフはスナップには大き過ぎるけれど,画質は妥協したくない。
・ iPhoneやAndroidのようなスマホ系でも撮れる画ならカメラを持ち歩く意味がない。
・ なるべく速写性が欲しい。 テンポ良く撮れないと意味が無い。
・ やっぱり,ファインダーは欲しい。
と言うわけで,今回は COOLPIX E5400 / E8800 / Pixstar GC-X3 / LUMIX DMC-FT20 と例外で,Nikon D2X も参加させてみました。
上の機種で理想条件を満たした物はありませんが,とりあえず使ってみる事に。
古い機種ばかりですが,最近のCOOLPIXは動作の遅さが耐えられないので使う気がしないだけです。 LUMIX FT20は防水・防塵なので,記録用途で持っています。
Victor X3 は,3.3Mと言うスペックですが,今回は比較用に入れてみました。
又,掲載画像は全てNikon Capture NX-D等により編集しています。 (ほぼjpeg現像)
まずはNikon D2Xです。 こちらは全てRAW現像しています。
毎年行っている根来寺での桜を作例に上げてみました。
使用レンズは,Ai85mmf/1.4ですのでスナップカメラとは言いがたいですし,何よりもD2Xをポケットに入れて持ち歩くには最低でもフォトベストを着用しないといけません。
もう少し,D2Xの分を貼ってみます。
こんどは,D2XにAi50mmf1.8のパンケーキレンズのみ装着で撮ってみた作例です。
最も軽快になる仕様ですが,やはり少し遠出した時のスナップ用でしょう。
普段から持ち歩くには大き過ぎます。
ただ,画はこれを基準にしますので,ここから極端に離れる画しか撮れないカメラなら持ち歩く意味がありません。
(作例中の,レンゲと猫以外は全て和歌山県の日の岬で撮影したものです。)
この時,Nikon1 J1 も同時に持っていたので,そちらを参考に貼ってみます。
Nikon1 J1は,CustomPictureControlにてオリジナルカーブを入れています。
又,基本RAW現像としています。
装着レンズは,1Nikkor 10-30 f/3.5-5.6 VR か 30-110mm f/3.8-5.6 VRです。
いわゆるミラーレスタイプ(ニコンではレンズ交換式アドバンストカメラ)ですし,他所に比べると望遠レンズでも小柄で軽量なのが特徴です。
又,広角から手ぶれ補正(VR)が付いていますので,コンデジ感覚で気軽に撮っても案外ブレずに撮れます。
Nikon1 J1は,D2Xのサブか同等位のつもりで持っているのですが,スナップに持ち歩くとなると,やっぱりレンズがちょっと邪魔なんですね。
10-30mmのPD-ZOOMを買えば少し全長が短くなりますし,Nikon1 J1は速写性もレスポンスも良いのでメリットは多いです。
ただ,スナップ用かと言うと,ちょっと違う気がするのですよね。
次に,ビクター Pixstar GC-X3 です。 2000年10月発売の,Victorでは多分3台目(GC-S1が1号機で,GC-X1が2号機)になるデジカメです。
又,GC-X3以降はビクターからデジタルカメラは発売されていません。(2015年6月3日現在)
※ GC-PX1がありましたが,[HDハイブリッドカメラ]としていた為デジタルカメラに分類されません。
初代,2代目と散々言われたビクターのデジカメですが,最後のGC-X3は随分良くなっていたようです。
GC-X1からレンズをかなり頑張ってきたようで,マクロ域では背景ボケも解像度も一眼レフ並に出る事があります。 (非球面レンズ採用)
階調表現が上手なのが一番の特徴かもしれません。
ただ逆光に滅法弱く,少しでも逆光になるとコントラスト低下が激しいです。
書き込みレスポンスは記録媒体がスマートメディアと言う事もあって遅いです。 メニュー表示はサクサク動くのですが,再生は激遅で,削除工程やサムネイル表示は使いたくないレベルです。
シャッターボタンが重めなので,望遠域での手ブレが多くなりがちなのと,操作性や電池持ちが実用的ではないのが残念。
中身はほとんどJVC製チップを使用していたり,連写でのハイダイナミックレンジ合成や 画素ずらし や 連写合成NR と言った,現在最新の機種で謳われている機能はほぼGC-X1で実現していました。
ただ,この機能を使うにはカメラを固定する必要が有った為,実用性に疑問符が付いたのは確かです。
言わば,現在のデジタルカメラの源流とも言える機種なのですが,知っている人はかなり少数派と思われます。
GC-X3ではハイビジョンテレビに繋げるHD画像出力機能が追加されています。
ボディは冷間鍛造アルミニウムであったりと,ビクターとしてはかなり気合の入った機種でした。
次に,LUMIX DMC-FT20 です。
こちらは以前にも当ブログで紹介していますが,ただ作業記録用に購入したカメラです。 COOLPIX AW100 と迷ったのですが,画質的にこちらにした経緯があります。
換算25mmからの4倍ズームで,光学手ぶれ補正付き。
一応,1.5m耐衝撃と水深5mの防水機能を備えています。
レンズはLUMIX DC VARIOで,上位機種であるDMC-FT4のLEICAブランドではありません。
この機種の良い所は,ヒストグラムを表示しながら撮影できる点と,レスポンスの良さや,液晶画面の見やすさです。
全体の操作性も良いですし,手ぶれ補正も良く効きますし,AFもストレス無く合致しますので,スナップ撮影には丁度良いです。
携帯性も,本体が小さく軽いのでポケットに入っていても気になりません。
耐衝撃や防水も一応あるので,場面も選ばずに撮れる点もスナップにはいいですね。
画質は悪くはない印象ですが,等倍で観るとさすがに解像度は低いです。
16MもあるCCD機なのに,レンズが反射型なので仕方ないと言えば仕方ないですが,このクラスでは結構頑張っていると思います。
ただ,これ一台でスナップを撮り歩けと言われると物足りないです。
全体で無難な画ですが,iPhone5sのカメラが優秀なので比べるとどうなのかと言う事になるのです。
続いて,COOLPIX E8800 です。
ニコンとしてもかなり気合の入った機種で,これ以降のCOOLPIXはシリーズ別になるので言わばCOOLPIX Eの最後の機種です。
EDレンズ使用の10倍ズーム・VR付きで,バリアングル液晶にEVFまで付いています。
当時としてはD100を越える8Mピクセル機で,液晶・EVFの表示タイムラグを極限まで縮めた事が特徴でした。
このE8800は,本当にニコンの本気を思わせる画作りで,解像度・階調・コントラストどれを取っても素晴らしい出来です。
特に,夜景の長時間露光での描写は本当に素晴らしいです。
当ブログの背景やヘッダーや愛車紹介で使っている画像の一部も,このE8800で撮った物を使用しています。
10倍ズームとは到底思えない解像度と描写は,さすがNikkorと思わせます。
兄弟機の,E8400 はこの画質で24mmスタートとなっています。
グリップの赤ラインは伊達ではありません。
ただ,一眼レフ並の大きさと重さ。 そして,VRも有るので電池消費が少々気になるのと,RAW撮影時の記録時間の長さが難点。
jpegでの圧縮モードにExtraモードが付いているのですが,こちらもRAW程でないにしろ記録に数秒かかるので,レスポンス良く撮影とはいかないのが残念。
AFもゆっくり合わすタイプですし,起動にも数秒かかる始末。
イベントに持っていくのは勿論,持ち歩いてイザ撮ろうと思ってもなかなか撮れないカメラである事は確かです。
吐き出す画は凄く良いだけに残念でならないのですが,デカイ・重いに次いで上記点が加わるととてもスナップカメラとは言えません。
じっくり撮るには良いカメラですし,夜景撮るには持っておきたい一台です。
最後に,COOLPIX E5400 です。
当時,E8400が欲しかったのですがあまりの人気に高価であった為,こちらにしました。 兄弟機はCOOLPIX E5700です。
レンズは,換算28-116mm F2.8-F4.6 (8群9枚:非球面2枚、ED1枚) となかなかのスペック。 当時は広角スタートのコンデジが少なかったので,貴重な機種でした。
撮像素子は,1/1.8型CCD 5.26メガピクセルと,当時ではハイスペックなモデルです。
このE5400,一度インターバル撮影で一日動かしていたところレンズエラーが出てしまい,レンズユニットと基板を新品交換してからあまり使っていませんでした。
(修理受付期限ギリギリだったと思います)
と言うのも,どうも画が好きでは無かったのです。 風景を撮ると,いわゆる眠い画になったり,緑被りが多かったり,色が不自然だったりと言うのが理由です。
Kodak純正プリントに出してみた事もあるのですが,印象は変わらずでした。
ところが,これはニコンのデジタルカメラに共通するところでもあり,D2Xも例外ではありませんでした。 D100などは最も酷い分類だったと思います。
しかし,最近はD2Xを使う事が多くなり,なんとかして使える画にならないものかと現像のやり方を変えてみたり,設定を変えてみたり,撮り方を変えてみたりしていたところ,どうも今までカメラの使い方や撮り方を間違っていた気がしてきました。
そこで,D2Xはどうすれば撮れるのか?を題材に,色々試してみた結果が今回の作例に出ています。
当時から評判の悪かったD100ですが,しっかりと使ってあげれば今の機種に引けを取らない実力です。 高感度はD2X以上に良いですし,画が明るいです。
よく,ニコン機でコントラストがただ浅くて眠い画になっている作例を見かけますが,人によっては全く逆の作例も有ったりします。
逆に,濃いだけの作例も見かけます。 そう言った面では,キヤノン機は安定しているようにも思いますね。
でも,ニコン機で良く言われる”奇跡の一枚”は,意図して撮れるようです。
奇跡の一枚になってしまっているのは,偶然その時に全ての条件が合っているだけだと思います。
ニコンは,画作りを撮影者に任せる傾向が強いメーカーで,例えば富士フイルムの色が好きな方にはその色に。 Kodakの色が好きな方にはその色に。
コニカ色が好きだった人にはそのように。 オリジナルを作りたい場合はご自由に。
と言った,設定ができるようになっているようです。
そして,しっかりと光を読んで露出を決めて,構図を決めてあげれば思った画が撮れると言う仕組みなんですね。
ある意味,フイルム時代よりも楽になっているようですが,ある意味難解なんです。
しかし,これが分かってしまえばほぼ思い通りの撮れますし,カメラに振り回される事もほぼ解消します。
多分,昔から自分で現像していた方や,写真に学の有る方なら分かって当然の事なのかもしれません。 ニコンはフォトグラファーや,報道のプロ相手に意見を聞いて開発しているので,こちらも知識がないと使いこなせないと言う事ですね。
実際,上手な方はD100でも,D40でも使いこなして,それとは思えないような写真を撮っておられます。
しかし,上級機になる程仕事で使う人の要求は高まりますので,使いこなしは更に難しくなると言う事みたいです。
D2Xも,当時は散々に言われましたし,作例も良い画がありませんでした。
しかしD3Xが出た頃まで使い続けていた人達にはやっとその実力が理解され始めたようです。
今ではD100でないと撮れない画が有る。と言う意見まで出ていますし,実際D100での作例が当時で考えられない程良いものばかりなっています。
レンズも,使えないと思っていた玉が,使い方を変えるだけで大化けすると言う事も多々あります。
個人的には,コンデジの方が使いこなしが難しいようにも思いました。
レンズの制約がありますし,設定にもある程度の制約が出てきます。 常にRAWで撮れないので,ポジフイルムのような緊張感もあります。
D200も,当時は暗い画と思っていましたが,最近上がっている写真を見ると全くそんな事を感じさせません。
要は,当時から同じ機種を根気よく使い続けている人はそれしかないので,何とか使いこなそうと必死なるので自然と上手くなる傾向があるようです。
もしくは,新機種に乗り換えたり,他社に行って戻ってきた方が,新たな使い方の発見をしている場合も考えられます。
とりあえず,ニコンの作例レベルは絶対に撮れると言う事です。
何を撮っても良く撮れる機種は,結局そのカメラに意図的な強い癖を持たせているからそうなっているだけで,イザ違う仕上げにしようとすると難儀するものです。
その点,ニコン機の出す画は色々な方向に振れるので厄介なんですね。
いくらでも方向性変わるので,自分の色や構図や意図が無いと何が良いのか分からなくなるのです。
E5400の話に戻ります。
この機種も,E8800と同じく動作は決して早くはありませんし,RAWでの記録は数秒待たされるので,お世辞にも軽快とは言えません。
メニュー画面のレスポンスは軽快で全く不満はないですし,光学ファインダーも付いていますので,液晶が見えにくい際にもしっかり撮影できます。
レンズの解像度はパッと見では分かりにくいですが,EDレンズ採用と言う事もあってか非常に高いです。
ただ最近のシャキシャキとした画ではないので,一見はボケて見えます。
解像度とシャープは違うと言う事があまり世間に浸透していないのも困ったものですが。
全て標準で撮影すると,眠い画になりがちですが,階調補正を強めに設定すると一気に締まった色になります。
又,このままではちょっと色が濃いので,彩度調整をマイナスにしてあげると風景には丁度良いコントラストとなります。
あとは,露出補正で明るさを決めてあげるとjpeg出しでも十分使えます。
リアラのような階調が良い場合は,階調補正をマイナスにすると良いです。
この,階調補正と彩度調整を上手く使った上で,露出を決めて上げると違う機種を使っているかのように思う画が撮れます。
ホワイトバランスは少し青い目に出る傾向があるので,この辺りも微調整してあげると一眼レフ並の写真が撮れます。
お勧めは,18%グレーボードの小さいのを持ち歩く事です。
あとは,ニコン Capture NX-D(無料)等でjpeg現像に慣れれば少しの補正で現行機種並の写真に仕上げる事が可能です。
肝心な時だけ,RAWで撮っておくと後で安心ですね。
コンデジでRAW記録できる点も強みです。
まとめますと,今回の中でスナップカメラはE5400に軍配があがりました。
グリップが出ているので,ズボンのポケットにはちょっと抵抗がありますが,上着等にポケットを確保するか,ウエストポーチに入れておけば良いでしょう。
フリーアングル液晶ですので,ポケットにいれても液晶画面を気にする事もありません。
又,ボディはマグネシウム合金製なので堅牢です。
現行ならば,P7000シリーズになるのでしょうが,Pシリーズは一眼レフと同じメニューなった為か,レスポンスが信じられない程悪いです。
記録時間も,ワザと?と思う程に遅いのでわざわざ新しい機種を買う気がしません。 しかも,RAWの形式が変更されて(NRW)いて,ニコンの一眼レフと互換性が無いです。
P7000系は出る度に触って検討しましたが,今時あれは耐えられません。
Nikon1 J1がストレス無く軽快に動くのに,同価格帯であれは手抜きかワザととしか思えないです。
P7800はサイズに対して画がかなり良くなっているだけに非常に残念ですね。
この日の画像は,E5400で撮影した和歌山の風景です。