先日、CX-5をレンタカーとして貸し出しているところはないかなとネットを検索していたところ、近所のマツダディーラーで「1日乗り放題」なるキャンペーンをやっていることを知りました。通常、ディーラーでの試乗というと、横にセールスマンを乗せて営業所の近所をぐるりと一回りする程度ですが、このキャンペーンは、丸1日(営業時間内)自由に試乗車を乗り回していいですヨ、というものでした。これなら、じっくりとそのクルマを味わうことができます。
またラッキーなことに、私がさがしていたCX-5のディーゼルモデルの用意もあるとのこと。早速、ネットから申し込みをしたのは言うまでもありません。
貸し出し当日は、少しでも長時間試してみたいという気持ちから、お店の開店直後、午前10時ちょうどにマツダディーラーを訪れました。そこで私を待っていたのは、鮮やかなソウルレッドのCX-5でした。できれば4WDモデルがよかったのですが、当日の試乗車は残念なことに2WD。まあ今回は、マツダのクリーンディーゼル初体験ということで、その話題のエンジンフィーリングを体感することと、CX-5というクルマのパッケージングを確認することが主目的でしたから、駆動方式の違いは大きな問題ではありませんでした。
担当の営業マンから簡単な手続きと説明を受け、早速試乗開始です。キーを渡されクルマに乗り込み、スイッチ類の操作方法などをざっとレクチャーしていただいた後に、いざエンジンスタートです。
その瞬間、「アレっ??」と思いました。これは決して大げさではなく本当の話なのですが、エンジンをかけた時、そしてアイドリングしている時、あまりにも静かで振動が少なかったため、ディーゼルモデルを借りたつもりが何かの手違いでガソリンモデルが来てしまったと思ったのです。
「なんだよ~、ガソリンモデルなんて試乗する意味ないジャン~」と思いながら、軽くアクセルをブリッピング。するとわずかに、「カララン」という聞き覚えのある乾いたサウンド。そしてタコメーターに目をやると5000rpm少し上から始まるレッドゾーン。ようやく、間違いなくこれはディーゼルのCX-5なのだということを認識することができました。
さて、まずは最も気になっていたマツダのクリーンディーゼルエンジンのチェックからです。スペックは175ps/420Nmと、ディーゼルエンジンの本場ヨーロッパ勢のものと比べても見劣りすることはありません。また、音、振動ともよく抑えられているのは前述のとおりです。
アクセルを踏み込んで発進させてみると、アイドリング+α程度の領域ではそれほどの力強さは感じられません。昔のディーゼル車のように、タイヤが転がり始めた直後から後ろをぐいと押し出されるような力強さは感じられませんでした。しかしその分、街中で常用する中回転域での湧き出るようなトルクは評判どおり。さらに、拭け上がりも軽快で、レッドゾーンの始まる5000rpm近くまで頭打ち感なくきっちり回しきることができるようになっています。
ということから、街中でその走りに不満を感じることは全くありません。合流などで「ちょっと加速したいな」というような場面でも、アクセルにほんの少し力を込めてやればグッと前に出てくれます。
アイドリングではやたらに静かな印象でしたが、走行中は「コロコロ」という角のない乾いた音が聞こえてきます。ただ、それは決して不快なものではなく、むしろ私にとっては「心地よいサウンド」と思えるようなものでした(もちろんこのあたりは好みにもよると思いますが)。
インテリアですが、値段を考えればなかなか頑張っていると思います。少なくとも、私の乗っているデリカよりよっぽど質感は高いです。エアコン吹き出し口やインパネセンター部のスイッチ類の配置と造形、またオレンジ色の透過照明などはちょっとBMWっぽくも思えましたが、ある種のスポーティさを感じさせます。
革巻きのステアリングホイールはちょうど親指のかかるあたりが太く作られていて、握り心地も抜群です。
また、現行のモデルではシフトレバーにブーツが被せられたタイプになっており、運転席まわりはさらに高級な雰囲気になっています。
と、ここまではCX-5に対して好印象を抱いた点なのですが、逆に気になった部分もあります。それは荷室の容量が狭いということです。
もちろんSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)を標榜するCX-5にとって、若々しいスポーティさを表現するには、リア周りは軽快なショートデッキのほうがふさわしいということは理解できます。しかしそれによって、荷室の容量が大幅にそがれていることもまた事実です。
私はどちらかというとSUVよりも昔ながらのRV(レクレーショナル・ビークル)のようなコンセプトのクルマが好きなので、この部分は気になってしまいました。
横から見ると荷室の小ささが良く分かると思います。スポーティではありますが、私の好みではもうちょっと荷室が広いといいのにな、と思います。
余談ですが、運転席に座って前を見ていると「ずいぶん幅の広いクルマだなぁ」と、比較的大きいサイズのクルマを運転している感覚でした。ところが、バックしようと思って後ろを振り返ったら、クルマの後端(ハッチゲート)がやたらと近くにあるように感じました。「大きいサイズのクルマ」という最初の印象があったせいで、クルマの幅と長さの比率に違和感を覚えたのだと思います。
趣味であるスノースクートは、これを室内に載せることはあきらめなければならないでしょう。
また、車中泊を想定してリアシートを倒してそこに横になってみましたが、身長177cmの私では足を伸ばして寝ることはできませんでした。少し足を曲げるか、斜めになるかしないと、頭か足が当たってしまいます。
帰りにマツダの営業の方と少しお話をさせていただき、クルマはとても良いが、少し室内が狭いと感想を伝えてきました。すると、「実は、未確認の情報なのですが・・・」という前置きで、現在、海外専売モデルとなっているCX-9が、モデルチェンジを機に日本国内でも発売されるというウワサがあることを教えてくれました。CX-9は全長5m、幅1.9mと、日本国内では不便を感じるほどの大きさですが、逆にCX-5で感じた不満は解消されそうです。
これが本当ならかなり気になるモデルになりそうな予感…。
Posted at 2014/06/30 10:32:38 | |
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試乗 | 日記