今日も足助に行ってきました。
ただしガソリン入れる時なんかひっかかる思いが…
なんで今日? と思っていました
でも雪が見たいんだろうと自分で納得して出発。
R153に着くと誰もいない。いつもは単調な道だけど、今日はなぜかノリノリ。
久しぶりに一人で運転しているからだろうか。
切るハンドルすべてから息吹が感じられるほど運転が楽しい。
ハンドルの反力が心地よい、アクセルを開けると弾かれたボールのように加速する(まじで)
もうあまりに心地よすぎていつもの富永ダムに到着…
予想通り雪まるけになった富永ダムをひととおり満喫。
そしてここでなぜか帰らず別の方向へ…
その道の折り返し地点へ。ちょっとしたワインディングみたいなところなんです。
しかし帰りは上り→下りで、ちょっと上りがきつい事を忘れていた。
ここ最近習得したアクセル連打踏破法でなんとか山の頂上寸前まで辿り着いた。
しかしここでタイヤが滑る。バックすれば山の下までせねばならず、大変面倒。
なので持参したスコップで、タイヤの前方を掘る。地面が見えて大変良好。
タイヤの後方も少し掘る。そして少しバックして発進。
笑えるほど簡単にスタックから抜けた。
これがいけなかった。
いつもならゆっくり上る別のチャレンジ場所がある。
そこにチャレンジしたくなった。しかもその時はイケイケだったので勢いをつけて登ってしまった。
その坂はちょっと難しい構成で、まずゆるい坂がある。
その後内側にバンクした急カーブがあり、さらに長いきつい坂が待ち構えている。
といっても晴天なら何の問題もないような傾斜だが。
きつい坂は雪が積るとギリギリで、日曜に行ったときは前進後退をくり返してようやく登ることができた。
そのことを完全に無視していた。
勢いをつけて登る。ゆるい坂は楽勝でクリア。
しかしこのチャレンジ場所の問題は、実はカーブなのだ。
カーブの外側は割と平坦で、きつい坂を上るための再発進に使える。
しかし内側は内バンクがきつく、タイヤがすべり出すと頭をもっていかれてしまう。
このことも忘れていた。
勢いがついてるのでカーブもクリアする。
そしてきつい方の登り坂。きついので大体半分くらいでタイヤが滑り止まってしまう。
こういう時はゆっくりバックし、カーブの外側の平坦な場所を使って再発進するのがここのセオリー。
しかし焦ってバックしたせいでカーブの内側に来てしまった。
そのままアクセルを踏むと…
動けない! この時点では特に何も思っていなかった。
リバースに入れれば坂の力でもう少しバックできると考えていた。
しかしこの時、まさに画像のような状態になっていた。
内側のバンクで、ちょうどこのような状態になってしまっていた。
この状態、しかも積雪は30cmはあろうかという状態では、前進も後退も効率的に行えない。
さっきと同じ方法を使う。スコップで前と後ろを掘ろうとした。
しかし先程は自分が来たわだちを掘り返しただけに対し、
ここにはわだちが無いので大量の雪を掘らねばならなかった。
その上車の腹に入った雪が触媒あたりに干渉して、亀の子寸前になっていた。
ここでかなり状態がまずいことに気づく。
とにかく若さで雪を掘りまくる。とりあえずタイヤ前とタイヤ後を掘る。
アクセルを踏む。全く動かない。揺れも起きないほどスピンするばかり。
自分で車を揺らしながらアクセルを踏むも意味無し。
次に腹の下の雪もかき出す。といっても難しい。
ある程度かいた所でもう一度車を動かす。さっきと変らない。
そろそろ焦り始める。湯を持って来ていたので祈る思いでタイヤにかけて、
目詰まりが取れればいいなと思っていた。
それと同時に付近の雪を半ば暴れながら掘りまくる。
アクセル踏む。全く動かない。
こっ…これは…と思い、ふと携帯を見る。
…? 電源入ってない…
思い出した、そういえばさっき電池が1だったなと。
これはやばい。なにしろR153からは1.5kmほど離れている。道なりに歩くと約2kmはある。
その上それが晴天なら別に問題はないが、とにかく雪と霧がすごい。履いていたのは普通の靴なので、下手をするとたどり着くのは困難では? と思った。
そうでなくても深い雪の中を大した装備もなく2km歩くのは自殺行為に近い気がしたのでやめた。
今思えばたった2kmほどだが山がちなのでそう簡単にはいかなかっただろう。
そして次に考えたのが車に朝まで籠る作戦だが、これはいつ脱出できるかわからない。
雪が朝に素早く解ければ問題ないが、そうでなくまた雪が降ったらこれも自殺行為だ。
この時点でかなり心に寒気がした。体は動きまくっていたので温かいほどだったのだが…
どうするか考えた。とにかくR153まで出ればこの時間(深夜0時)でも交通量は2分に一台くらいはある。
しかしあの今まで登った道を歩いて下れるのか…? こんな状態で…?
そんなことを考えていたら余計寒気がしてきた。
正直泣きそうだったが、翌日も大学に行かねばならないとか考えつつ、最後にもうひと踏ん張りすることにした。
前輪をジャッキアップして、下の雪をかき出す。そうすれば、その場の前後運動ぐらいはできるのではないかと思った。
ジャッキで車体を上げる。が、下が雪でジャッキが安定しない。なんとか上げたものの低い。
スコップがタイヤの下に入らないほど。しかもこの場所はバンクが効いてて今にも向こう側の前輪が内側の溝に落ちそうだった。
そして一か八かの行為に出た。ジャッキアップしたままアクセルを踏んだ。
左前輪はまだ接地しているのか抵抗感があったが、右は完全に浮いていた。
この状態でジャッキが外れるほど加速ができれば、はずみで「谷」を脱出できるのではと考えた。
しかしうまくいかなかった。左前輪だけでは全くトラクションがなかった。
もうヤケになった。ジャッキツールを車の中に放り投げて、山を降りるためにコートを着た。
最後に、ヤケクソでアクセルをガンガン踏んだ。もちろんスピンしまくる。
アクセルから力を抜いた。
するとその瞬間、少しだけ前進した。
恐らく、摩擦熱で雪が解けて接地部分だけ雪がなくなったのだろう。
そして回転の止まり際でトラクションがかかり、前進したのだと思う。
これはっ! と思って、すぐにリバースに入れアクセルを踏む。
バックできた! 50cmほどバックしてすぐにまた前進する。
しかし今度は前進できない。が、バンクの内側に頭が向いた。
これはいけるかも知れないと思った。
バンクの内側にまず頭を向ける。
そして頭が下りに向いている間になんとかして態勢をととのえてそのまま坂を下るのだ。
ここからは力技である。とにかく頭をバンクの内側に向けるため、アクセルを開けてハンドルをゴチャゴチャ切る。すると前輪がスピンしながらバンクの内側に流されていく。
バンクと向き合ったところで、リバースに入れてまたゴチャゴチャ切る。
するとだんだん坂の下のほうに頭が向いてきた!
何度か切り返しするうちに、同じ場所でスピンするようになった。
こうなったら、また力技だ! 思いっきりアクセルを踏んで路面の雪を溶かす。
ハンドルも切って雪を飛び散らせる。
すると、トラクションがある! 車が動き出した!
手でドアをベッタンベッタン叩きながら坂を下りてきた。
とにかく怖かったのでコンビニに立ち寄った。
人を見て安心した…
店員の兄ちゃんに脱出劇をしゃべる。ほんとに助かった。
兄ちゃんいわく、今日の雪は滑りやすくてよくないとのこと。
とにかく、大げさですが命あってよかったです。
まーこんな危ないことはしません。