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2011年07月03日
シフトレバーのシーケンシャル・モード
昔のATのシフトレバーは、ゲートがPからいちばん手前までストレートになっていて、Dレンジから手前に来ると3-2-Lなどとなっているものが一般的でした。
最近ではDレンジから横に動かすとマニュアルモードになって、手前に引いたり奥側に押したりしてギアや変速比を変更するものが多くなっています。
ここで重要なのは、『横に動かす』方向と、『手前と奥』のどちらがシフトアップ/ダウンなのか、ということです。

シフトアップ/ダウンの方向
最初に『手前と奥』のシーケンシャル・パターンについて。
これはアテンザのシフトゲート。

アテンザのATシフトゲートは、メルセデスが特許を持っていたジグザグ状の『スタッガードゲート式』で、ボタンを押さずレバーだけ動かすタイプです。
これにメルセデスが『ティップシフト』、BMWが『ステップトロニック』と呼ぶ+/-(擬似シーケンシャル)のゲートが付いています。

マツダのシーケンシャルパターンは、手前に引いてシフトアップ(+)、奥側に押してシフトダウン(-)になっています。
このパターンは少数派で、たいていのメーカーのシーケンシャルは引いてシフトダウン、押してシフトアップになっています。

レクサスISのシフトゲート。

これは普通のATのレンジ切り替えが、手前にくるほどローギアになっていることの名残りでしょう。
たとえばギャランフォルティスは引いてシフトダウン、押してシフトアップですが、同じ車体のランエボとラリーアートは逆で、引くとシフトアップになります。これはよりスポーツ性が高い車になると、競技用の車両と同じパターンにしているということです。

これはアルファロメオ・ミトのシフトレバー


上を拡大したもの


加速時は体が後ろに押しつけられるので、この体勢でシフトアップするにはレバーを手前に引く方が理にかなっています。
同じように、減速時は体が前に出る方向に重力がかかるので、この体勢でシフトダウンするにはレバーを前方に押す方が理にかなっています。

引いてシフトアップのシーケンシャルパターンを採用しているのはBMW、マツダ、一部の三菱車、アルファロメオのツインクラッチ搭載車あたりで、あまり数はありません。
BMWは昔は引いてシフトダウンだったようです。ポルシェは方向が何回も変更されたという話を聞いたような気がします。
トヨタはMR-Sがこのパターンを採用していましたが、トヨタのほとんどの車種は押して+になっています。TRDから+と-の向きを逆にするパーツが出ているので、少々出費はありますが多くのトヨタの車は簡単に変更できます。

一部の自動車評論家が、異なるメーカーの車に乗るたびに戸惑うから向きを統一しろという(マツダに批判的な)内容の記事を書いていることがありますが、毎日違う車に乗る特殊な職業の人に合わせる必要性など微塵もありません。
本当は、慣れている方に変更できればいいんでしょうけどね。

ブレーキングしながらシフトレバーを前方にカチカチ押して、4速から1速まで落としていくと、スピードはあまり出ていなくても「なんちゃってWRC」気分でなんか楽しいです。
これが「引いてシフトダウン」のパターンだと、違和感があってそういう気分にはなりません。

これはトミ・マキネンのドライブの様子。やっぱ引いてシフトアップが普通ですよね。




シフトパターン:Dレンジからマニュアルモードへ
次にDレンジからマニュアルモードへの切り替えです。
国産車では運転席側にレバーを動かしてマニュアルモードに切り替えるものが多いと思います。外国車は助手席側にレバーを動かして切り替えるものが多いようですが、操作性は助手席側に押すよりも、運転席側に引くほうが自然な感じがします。

旧型アテンザ。ゲートのパターンは現行と同じですがティップシフトは助手席側に付いていて現行アテンザと逆です。ゴルフ5/6などいくつかの外車も同じパターン。


MC後も同じ。


左ハンドルの旧アテンザ。パターン自体は左ハンドル用になっており、ティップシフトは助手席側に付いています。


現行アテンザの左ハンドル。ティップシフトがドライバー側に移動しています。右・左ハンドルともそれぞれの専用品です。


マツダは国内用・左ハンドル用で作り分けていますが、外国車で右・左ハンドル共に同じゲートを使っているものもあります。
外車はウインカーとワイパーも日本向け用には作っていないのがほとんどだと思いますが、ウインカーとワイパーは国際基準でウインカーが左、ワイパーが右(右ハンドルのイギリス車でも)となっているので、これは仕方ないかもしれません。
シフトゲートについては国際基準でどうなっているのか知りませんが、シフトゲートが右・左ハンドル共用というのはちょっと『手抜き』という感じがします。

ゴルフ6.日本でいちばん売れる外車は助手席側にレバーを倒してマニュアルモード。シーケンシャルは引いてシフトダウン。


左ハンドル用も同じ。


これはBMW3シリーズの右ハンドル。マニュアルモードの切り替えは助手席側に倒すように見えます。シーケンシャルは引いてシフトアップ。


BMW3シリーズ左ハンドル。こちらは運転席側に引くように見えます。左ハンドルと右ハンドルで同じものを使用?


シトロエンDS3のゲート式シフト。右ハンドルは左ハンドル用のゲートを流用していると思われます。シーケンシャルは引いてシフトダウン。


C4セダクションも同じ。


C4エクスクルーシブの左ハンドル。パドルシフトを採用しているのでティップシフト無し。


C4エクスクルーシブの右ハンドル。左ハンドル用と同じものを使用。これはちょっと”手抜き”だなあ...デザイン的にかなり違和感が。


FIAT500 ツインエア。ティップシフトは左側?。いやこれは真ん中というべきか...引くとシフトアップです。

フィアットのサイトを見たら、こんなことが書いてありました。
シーケンシャルシフト式の採用で、シフトレバーを手前(“+”側)へ引くとシフトアップし、前方(“ー”側)へ押すとシフトダウンできます。特筆すべきは、今回から操作方法を一新。モータースポーツ用のマシンと同じく、走行中の体感Gに合わせたとも言えるシフトアップ/ダウン方法の採用で、より直観的な操作ができるようになりました。


AUDI A7。左ハンドルも右ハンドルも助手席側に倒すように見えます。シーケンシャルは引いてシフトダウン。


AUDI A7の左ハンドル。


C4 MT。MTはシフトパターンも一緒(のはず)なので左/右ハンドルでの違いはない(はず)。

MTのH型ゲートの場合、加速/減速方向とシフトパターンは一致しないので、個人的には加速/減速方向と操作の方向が常に一致しているATのシーケンシャルのほうが好きです。ダイレクト感がMT並みなら言うことなし。
シーケンシャルのドグミッションを搭載した市販車があっても面白いと思いますが、やっぱり一般的じゃないかな。。。

ランエボのSST。シフトレバーのロックはシフトノブの下にあるリングを引き上げる方式でゲートはストレート。シーケンシャルは引いてシフトアップ。


メルセデスCクラス。横方向に動かすとシフトアップ/ダウンという変則的な方式。まあベンツのやることに間違いはないとは思うのですが、戸惑いそう。


マニュアル並みのダイレクト感を得られるツインクラッチで、スタッガードゲート式で、引いてシフトアップのシーケンシャルで、マニュアルモードは運転席側にレバーを倒す...という車種は、僕が知っている範囲では一台もありません。
次期アテンザのSKYACTIVがいちばん近いのかなと思います。

シフトレバーのパターンを車を選ぶ基準にするということはあまり考えられませんが、僕は『引いてシフトアップ』のほうが好きですし、左ハンドル用のゲートをそのまま右ハンドル用に流用し、『手抜き』をしているにもかかわらず価格の高い外国車には少々幻滅を感じます。
あくまで好みの話ですけどね。

(この記事は以前書いたものに加筆したものです)
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Posted at 2011/07/03 06:41:32
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