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イイね!
2016年12月21日

カーボンフレームの値段の違い

作り方が良くわからないので皆さん

・高いのはブランド料が乗ってるから!
・化粧カーボンを省いて軽量化!
・高弾性カーボンで高剛性!

あえてトゲのある言い方をしましょうか

【モノ作り舐めんな!!!ι(`ロ´)ノ】


もうね、業界全体が踊らされてる

自転車関連のサイトやらブログでまともな事を書いているのは本当に一握り
その一握りでも勉強で例えれば例えれば小学校低学年が精々ですよ・・・


まあ、嘆いてもしょうがないので(^_^;)


まず、

・材質:3K綾織
・フレームセット重量:1400g
・値段:20万円

と仮定します、ミドルクラスのカーボンフレームですね


これをベースに同等剛性で重量を300g削ってみましょう

そこで最低限変えなければいけないのは

①メインの材質を変更
②繊維量を減らした分を材質でカバー


まず①

3K綾織のプリプレグは1㎡当り200g、板厚は0.2mmです

つまり、板厚が0.2mm刻みでしか変化させられません
例えば強度的には0.7mmあればいい部分も0.8mmでしか作れない事になります

板厚変化を最適化これを1K平織りに変更します
1㎡当り120g、板厚は0.15mmになります

これでマイナス300g出来たとしましょうか

材料使用量は3Kの時に1400÷200=7㎡から1100÷120=9.2㎡にアップします
そして1㎡当りの値段は1Kの方が1.5倍高いです
ここまでの材料費だけで約2倍です

さらに板厚が薄くなった分、貼り付けるピースが増えます
さらに薄い材料を使えるようになったことでより緻密に積層設計が出来るようになります

ピースの数が2倍になったとすると、貼り付け工数が2倍、準備作業にかかる工数もマシンレートも2倍です

てなわけで仕上げ以外の部分の値段が全て2倍になりました
完成品としてのコストは1.5~1.8倍位になるかな~と思います


次に②

板厚を減らすと形状剛性が下がります
1400gから1100gなので板厚は0.8掛けになります
剛性は板厚の3乗で効くので0.8の3乗=0.5

あれ、剛性が半分に(汗)

あくまで平板での計算であってパイプなのでここまでの影響はでませんが
剛性を合わせるにはハイグレードな炭素繊維を使ったプリプレグを使用しないといけません

こういったプリプレグはさらに値段が倍に・・・
剛性をキープするために材料の2割を変更、材料費が1.2倍になりました

ハイグレードなプリプレグは貼り付け性が悪くなるので貼り付け工数が上がります
材質と同じ割合で貼り付け工数が1.2倍に

さらにこうした特殊なプリプレグは東側へ輸出制限が掛かっています
中国の安い労働力が使えなくなり台湾生産にせざるを得なくなり、工数が1.5倍に・・・

①②合わせて考えると

材料費が2×1.2=2.4倍
積層工数が2×1.5=3倍
仕上げ工数が1.5倍

20万のフレームだと原価で10万として4万が材料費、積層工数が3万、仕上げ工数1.5万、副資材0.5万、マシンレート1万位と見積もれば

材料費:4×2.4=9.6万円
積層工数:3×3=9万円
仕上げ工数:1.5×1.5=2.25万円

原価は22.35万円

つまり市販時のフレーム価格は45万円位になります




他にも
③樹脂の量を減らして質量剛性比を上げる
④さらに薄い素材を使う
⑤樹脂を特殊な物にする
⑥形状を最適化するために積層性を犠牲にする

性能を突き詰めればコストはどんどん上がります

金属や樹脂と違い、材料を"設計"出来るのがCFRPの強みです
形だけで判断出来る金属フレームと違い、高価なカーボンフレームには見えないコストが掛かっています



最後に自分が一番言いたいこと

自転車に化粧カーボンなんて存在しません!!!

化粧カーボン=カーボン知らない人の戯れ言と思ってくださいね

※ちなみに、車のエアロパーツなら大抵は化粧カーボンです




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Posted at 2016/12/22 01:05:52

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この記事へのコメント

2016年12月22日 2:35
こんばんは。

釣具製造メーカー勤務の自分には、
言いたい事が良くわかります。

お詳しいですね。
コメントへの返答
2016年12月22日 22:42
まあ、本業ですからね(自転車じゃないですが)

今回計算した原価1/2なんてのもかなり甘い計算ですしね
"技術料"とか"管理工数"とかをすっ飛ばして原価で語るなって~話です
2016年12月22日 7:46
本題とは外れますが、今のロードバイク業界はどこかの団体のおかげでカーボンを生かせてないのではないかなと思ったりします。
制限のある中で最大の性能を、というのは製品開発の基本ですがそろそろ素材以外のブレイクスルーがあっても良いのではないかな〜と。
まあ、F1と一緒で性能を上げすぎることによる弊害ってのもあるんでしょうけど。

素人の妄想でした(^^;;
コメントへの返答
2016年12月22日 22:54
カーボンって意味では自転車は素材を突き詰めてる方向じゃ無いです
どちらかというと人の腕に頼って工芸品作ってる方が近いですね

やれることはいっぱいありますが、それでフレーム単価200万とかになったら・・・
2016年12月22日 9:43
自転車がウェットカーボンなんて使ってたら重いわナマクラだわで使い物にならないですからね とはいえDE ROSAはシール貼ってお値段三倍とかやってますけどね
コメントへの返答
2016年12月22日 23:19
そのシール貼って3倍が別に普通じゃないか?と思うんです
販価は原価の3倍なんて当たり前のような・・・

シールというか塗装ですが、塗装原価がカーボンの成形原価を上回っていても不思議じゃないんです
特に中国や台湾で作った樹脂ダクダクでボイドだらけのカーボンは仕上げがかなりの手間なんですよ

加えて、自転車はほぼ99%がプリプレグを使ったカーボンですが、この素材は確実な製品保証をするのにはかなりの費用が掛かります
元になった無地の中華カーボンフレームの値段がそもそもおかしいんです(いくら中国製でも)

モノを売る側から考えたらシールを貼るってのは上記の2つの意味があります


まあ、デローザが実際何をやっているのかは知りませんし、今のデローザのビジネスモデルは 自分もどうかと思いますけどね(笑)
本当に外注に全部丸投げの可能性も否定できません (^_^;)
2016年12月22日 23:42
詳しい説明ありがとう御座います!<(_ _)>

其れでも、自分の頭では1/10位しか理解できて
ないかと思いますが・・・^_^;

物造りって、奥が深いですよね~!(^^ゞ
コメントへの返答
2016年12月23日 0:08
ほんとはこれが第1章なんですけどね
実はだいぶ乱暴な計算です

本来なら他にも色んな要素が絡み合ってます

フレームの性能を決める要素が素材強度・素材剛性・フレーム形状の3つと仮定すると

金属フレームの変数は素材強度と形状の2つ
で素材剛性は各金属毎にほぼ不変なんですが
カーボンの場合は素材剛性も変数です

さらに素材剛性の変え方も、素材そのもの/貼り方/成形方法等々・・・

性能を決める要素に変数が多すぎるんです

パッと見ただけじゃ何もわからない、なのにメーカーは見えない部分で"凄いんだぜ"アピールをしてくる訳です

例えばリア11速だから凄いんじゃなくて11速になってより細かくギア比を刻めるから凄いんであって11速という手段が凄いんじゃないですよね?
自転車におけるカーボンの売り文句はそんなイメージです、手段は書いてあっても目的が書いてないです
2017年2月22日 23:57
うちの会社は、カーボン調のバッタモノを作る会社♪
コメントへの返答
2017年2月23日 0:37
うちは密かに色々作ってます(笑)
自転車業界は楽しそうで羨ましいです

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「インプレッサにクラッチ滑りの兆候が出たのでしばらく不動車…」
何シテル?   01/28 21:38
車よりも釣りと自転車がメイン、でも最近は車熱が再燃気味です 車選びの基準は4WD、ハッチバック、ターボで有ること、自転車は変なスペックで組みがち
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