先日、韓国の原発で電源喪失事故がありました。
これは周知の通りだと思います。
http://www.47news.jp/CN/201203/CN2012031301000512.html?__from=mixi
さて、これまでのことを少し振り返ってみようと思います。
原発事故は過去様々なものがありました。
大きなところだけで言うと、
スリーマイル、チェルノブイリ、そして福島。
小さな事故はどの国でも星の数ほど起こっています。
この小さな事故、この繰り返しが大事故になります。
このブログでも何度か書いているように、この小さな事故に対して非常に近い環境にいたおかげで、
安全神話というものに懐疑的な視点を持つことができました。
ちょっと脱線すると、一番記憶に残っているのは、もう10年くらい前でしょうか。
浜岡原子力発電所で、タービン建屋で蒸気漏れ事故が発生しました。
(記憶あいまいです。ウィキで見たら、配管破断と書いてあるのみでした)
自分はその事故の詳細を知ることは出来なかったのですが、「何か」が起こったことは分かりました。
当時もう車持っていた年齢だったと思うんですが、友達とかに携帯で「何かが起こっている可能性があるから、浜岡付近に近づくな」と連絡をしましたが、誰一人信じなかったですね。
あとは、シュラウド配管破断事故とかもあって、これって結構重大なんですけど、あんまり大きく報道しないし、事故が発生してから1日とか経ってからの報道なんですよね。
(これは相当前で、確かギロチン破断みたいなのじゃなかったかなと記憶していますが、あいまいです)
その時「ああ、この国は原子力災害で国民を平気で殺す国だな」と思いました。
当時は高校生くらいだったかな。
中学3年の時に、阪神淡路大震災が起こって、壊れた高速道路とかビルとか見たときに「こんなん原発耐えられんだろ」っていう危機感を持ちました。
その時に、憧れで「かっこいい」という核エネルギー反応はただの脅威にかわりました。
前述したとおり、マスコミの報道を待っていたら、自分自身外部被曝、吸入摂取による内部被曝で取り返しがつかなくなる可能性があると当時考えたので、
生き残るためにはどうするか、ということを考えるようにしました。
まず第一は、驚異は何か→放射線、放射性物質による健康被害(急性障害)
それは何によって作られるか→原子力発電所。
それが起こりうる要因は何か→東海地震
避けるためにはどうしたら良いか→東海地震の場合は東海地震のメカニズムを理解して事前避難する。
万一逃げればい場合はどうするか→到達する放射能雲の濃度、時間を割り出し、地表沈降率を計算して放射能雲通過後に自分が活動できる限界時間を計算し、効率良い避難ができるようにしておく。
↑で、行き着いた結果がバイク(オフロード)になったとw
なぜオフロードかというと、道は寸断しているし、液状化もしているだろう、土砂崩れもある。
橋とかが落ちている可能性もある。
だとしたら、最適な乗り物は、オフロードバイク以外に見当たらない。
ジムニーでもいいが、避難者でごった返した道を抜けるのは困難。
今回のことでいち早く放射能雲の予測進路を割り出せたのも、「メディアは全滅」という前提に立っていたからです。
当時福島のアメダスは全滅していてダメでした。
そこで最初に使ったのは、新聞欄の気圧配置図だけでした。
もともと東海地震が来たら、そういった新聞で風向割り出すしかないと思っていたので、
そういう前提がよかったかとも思います。
ちなみに原子力発電所の事故には2通り考えていました。
一時冷却系統配管破断による冷却水喪失事故
(建屋についてはその頑丈さを知っていたので、配管破断による事故シナリオ)
津波による冷却能力喪失事故
(津波で運ばれる土砂及びテトラなどの防波設備が取水口を埋めるなどして取水不能になる)
外部電源喪失事故
(正直、外部電源切れても予備電源あるから、このパターンは可能性低いと思っていました・・・まさか、こんなお粗末な管理だと思っていなかったです。だから上記2種類だろうと思っていたのです)
で、主題になるのですが、
過去起きた事故は、前述したとおり大きなものだとスリーマイルとかですよね。
これは1979年3月28日午前4時に始まり、注水系トラブルでメルトダウンしました。
それからしばらくして1986年4月26日午前1時30分頃、チェルノブイリ事故が発生しました。
ロシアはスルーマイルの事例を嘲笑いました。
アメリカに核をもつ技術はない、と。我々のものはRBMK型(BWRに属する)だから大丈夫、とタカをくくりました。
そして事故に至りました。
最新鋭の発電所で実験したのは、全電源が落ちた場合、タービンの惰性でどれくらい電力を確保できるか、という実験をおこないました。(これはその後様々な発電所で生かされています)
この時日本でも原子力発電所の安全性に対する議論が起こりました。
しかし、日本の反応は
「私たちの発電形式はBWRであり、ロシアとは違いこういう事故は起こり得ないです、大丈夫です」とタカをくくりました。
そして、彼らにとって想定外の事故が発生しました。
その後、韓国は
「日本には原子力発電所を持つ技術はない」と発言しました。
そして先月、電源喪失事故が起こりました。
これらにおいて言えることは、どれも「私たちは大丈夫」という傲慢さが共通していると思います。
発電形式などどうでもいいのです。
そういった傲慢さの影に、事故を引き起こす要因があるのではないかと思うのです。
国内では愚かなことに「ここは福島とは違うから大丈夫」といった考えで再稼働させたりとかする動きがあります。
何を学んだのか。情けない限りです。何も学んでいません。
福島は、震源から200キロ近く離れていたので、最大ガル数も350程度で収まりましたが、
直下は桁違いです。
距離による地震波の減衰が稼げない以上、福島と違う、などとはとても言えるものではありません。
例えば、宮城岩手内陸地震、これの加速度は、重力加速度の980ガルをはるかに上回る4200ガル(震源地直上)でした。逆断層型の地震で、新幹線が初めて脱線した地震でもあります。
重力加速度とは、簡単に言うと落ちる時の加速度です。980ガルが地球の引力による加速度です。
私たちが学ぶべきことは、俗説や文明の利器がいざというときには全く役に立たなくなる、身を守るのは自分自身であるということです。行政やマスコミ、ネット等をあてにしてはいけない、ということです。