四日市公害写真展を観て。

四日市公害写真展。




四日市市に昭和38年に生まれ22歳まで過ごした者として物凄き感慨のある展示でした。
世界に奇跡と呼ばれた日本の高度成長を支えた工業発展の陰に四日市は計り知れない代償と犠牲を払いました。

写真を撮らせて頂いた場所ごとに撮影の許可を確認しています。
写真展の内部は撮影禁止なのは言うまでもありませんが心の震える写真ばかりでした。
市民活動家であり多くの写真を残された澤井余志郎氏の存在も初めて知りました。
喘息で苦しむ患者さんの写真を唯一撮ったと言われる写真が一枚だけありました。
工場の煙突から溢れ出る黒煙やその足元では生活する人々の営みを撮り続けた氏でしたが患者さんにカメラを向ける事はしなかったと言います。
私と同世代の解説員の方と子供の頃の体験や色々とお話ししました。
小学校入学時に四クラスあったのが卒業時にはニクラスに減っていました。
近所の同級生のお母さんが喘息で亡くなったとか覚えています。


















そして日本の公害被害の歴史に刻れる四日市公害訴訟の判決が下りて四十五年の今、この四日市は公害を克服した都市として世界に知られています。
今の時代に煙突から亜硫酸ガスはおろか有害物質を垂れ流している工場なんて一つもありません。
工場夜景好きな方々も観に来て下さい。
あ、あの名所にはこんな歴史が…と思うはずです。

珍しくテキストが多くなりましたのでこの辺りにしておきます。


長々とお付き合いすみません。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。