珍客

カジカガエルである。
マンションの共用部に。

褐色化したアマガエルにしては大きすぎるし、
目が飛び出ているし、体に丸みが足りない。
画像では上手く伝わらないが扁平なのである。
どう考えてもカジカガエルなのだが、
マンションでこいつを見るのはちょっと意外だった。

カジカガエルの棲息域は川辺、または川に隣接する森林。
考えてみればうちは広瀬川沿いではあるし、
マンションの隣には林がある。
川筋からは結構遠いのだけれど、
常夜灯に集まる虫を食べに来たものと思われる。

カジカガエルはアオガエル科にありながら
緑色にはならない変わり者である。
川辺で暮らすのに特化していて、
植物の葉にカムフラージュする必要が無いのだろう。
この個体は大きさから言って恐らくメスである。
オスは川辺の石に縄張りを持ち、
基本的にはそこを動かないことからも
こいつはメスだと考えられる。
よって美しい歌声は聞けそうになかった。
北海道には分布しないものの日本固有種である。
どちらかと言えば南方系の種で、
東北では個体数が多いとは言えない。
が、今年のように暑ければ
こいつにとっては東北でも快適に違いない。