足掛け十年

赤ハッチとの付き合いも、早いもので今月で10年目を迎えました。
消して穏やかでは有りませんでしたが、ここまで無事に維持できているのも周囲の皆様の助けによるところが大きく、感謝感謝です。

十年前の私はまだ大学三年で、就活に専念する言ってバイトを辞めたけど案外あっさりと就職が決まってしまった為、時間を持て余し、暇な学生生活を送っていました。

赤ハッチを見つけたのはその頃で、実家のシビックフェリオ(EG)に乗って隣町まで買い物に行ってる時に通りかかった解体屋でした。

峠道に面したその解体屋の前はこれまでも通ってはいたけれど、普段はトラックばかりが並んでいるのに、その時は赤い乗用車が置いてあったから遠目にも目を惹かれたのかもしれません。

でも視界に入った瞬間から心拍数が上がったのは、その赤いクルマが、私が小学生の頃から『免許取ったら必ず乗る！』と決めていたけど、あまりのタマ数のなさに半ば諦めていたクルマだと本能的に気づいたからだと思います。

その時の事は今でも鮮明に覚えており、運転中だから冷静にしなきゃと思いつつも、赤ハッチの前を通った瞬間思わず『あったーーーーっ!!!!』と車内で独り叫んだほどでした。
その後、とりあえず当初の目的の店には着いたけど、放心状態のままで、結局何も買わずに店を出て、駐車場で気を落ち着かせてから来た道を引き返し、解体屋に突撃しました。







解体屋に並んでいた赤ハッチはしばらく放置されていたせいか、赤色が日焼けしてくすんでいるように見えましたが、立ち姿がシャンとしており、ぱっと見内装部品も欠けは無く、これなら普通に乗れそうだと判断して、その日は帰宅しました。
その日の晩、夕飯の時に父親に相談を
私『ジェミニのハッチバック見つけた。それもイルムシャー』
私『ぱっと見だけど程度は良かったから買いたいけど、色が赤で派手なんだよね』
父『どうせ買うつもりだろ？』
私『まぁね。』

そして週末改めて解体屋に訪問して人生初の愛車を中古レカロ2脚分の値段で購入(友人からはレカロを買ったらクルマが付いてきたと笑われました)。でもナンバー取得するお金が無かった為、バイトを再開し三ヶ月後の7月、無事ナンバー取得してから、現在まで続く赤ハッチ生活が始まったのでした。

この十年、特に大きな故障も無く、身の丈ペースで手を入れてきた結果、たぶん購入当時より調子は良くなっています。

最近では私自身の環境の変化や頼れる脚グルマができた事もあって赤ハッチは稼働率が低下気味だけど、これからも盆栽を育てるようにじっくりと付き合っていけたらと思っていますので、皆様、今後とも赤ハッチを宜しくお願い申し上げます。



嫁子サンとの会話

嫁子『この子赤サン好きやね』
私『さすが我が娘やね』
嫁子『いつまで赤サン乗れるかなぁ？』
私『分かんないけど、とりあえず「お父さん、赤いクルマ乗ってたよね？」って記憶に残るぐらいまでは乗りたいかな？』
嫁子『じゃあ小学生ぐらい？』
私『でもそれじゃあ、お腹の中の子が「私知らないよ!!」ってなるから不公平だよね。』
嫁子『言わないと思うよ(笑)』
私『まぁとりあえずお腹の子の記憶に残るぐらいまでかな？(笑)』