以前フロントバンパーに食らった大きい
飛び石傷、ようやく直りました。
この大きさならいっそのことエアブラシを使ってみようと色気を出したのが運の尽き、相当苦戦しました(泣)
使い慣れていた筈のエアブラシだけに、まさに大誤算。
ここではその苦労話を…
■パールの色が合わない
EDのときの感覚でパールを希釈率を2.25倍にして吹いたところ、なんじゃこりゃ!な黄色味がかったクリーム色風味の色合いに(-_-;)
上が試し吹きしたときの写真で、わかりにくいですが、元の塗装より明らかに黄色いです。
さらにわかりにくいですが、向かって右側が2.25倍、左側が2倍だったりします。
結果的に希釈率を下げていくと黄色味が減っていき、1.5倍が最適解になりました。
ちなみに、いっそのこと…と思って原液でも吹いてみましたが、濃すぎてまともに吹けなかったため、この辺のさじ加減が難しいところです。
希釈率を下げたら解決したと言うことは、シンナー成分が悪さをしていたんでしょうか…。
希釈率というのは一律の設定ではなく、色によっても変わってくるようです。
■クリアが黄ばむ
ようやくパールが落ち着いたと思ったら、今度はクリアです。
パール吹いた直後はなかなかの発色だったのに、クリアを塗ったら黄色く濁ったような発色に(泣)
原因を追求したところ、塗料のガス抜きに行き当たりました。
クリアに関してはスプレーから抜き出したんですが、この場合は塗料にスプレー内のガスが混入するため(最悪爆発します)、ガス抜きをしてから使うのがセオリー。今回は使った塗料を保管するわけではなく使い切りだったため、それを省いてガス抜きしないで即使ったのが良くなかったようです(-_-;)
ガスで塗膜が酸化したのか、或いはガスの混入で塗料が実際より多く見えたため、うすめ液を本来より入れすぎてしまって希釈率が上がってしまったのか…。
基本をおろそかにしてはいかんということです…。
一応写真も撮っていたので載せますが、ぼけた失敗作ですみません(汗)
■塗料が滲む
パールもクリアも大丈夫だし、今度こそ!と思ったのに、これでもまだ濁ったような変な色合いです(泣)
これは相当に悩みましたが、犯人はクリアの吹きつけタイミングでした。
久々にクリアのスプレーを買ってきたところ、パッケージが若干変わっていて、カラーの塗装後2~5分後以内に吹き付けと書いてあったんです。
今までは下地のカラーを塗ってから一日置いてクリアを吹き付けていましたが、スプレーやエアブラシならタッチペンより乾燥時間は短く済むわけで、半乾きで塗った方が定着も良くなるんだと思ってこの方式に切り替えたのが運の尽き。
思えば、エアブラシだとスプレーと違って希釈しているわけで、お互いにシンナー成分が混ざっている状態です。そのシンナーが乾燥して抜けきらないうちに吹き付けるとシンナー同士が仲良しになって結合してしまい、塗料を溶かすわけです。
つまり、短い間隔でクリアを吹き付けることで下地のパールが盛大に溶けてしまい、それがクリアの中に滲んで濁ったような色合いになってしまったと。
夜、ライトで照らすとクッキリ塗装範囲が濁って見えて、ああなるほどと思いました。本来下に沈むべきマイカが表層まで出てきてしまい、一部のマイカだけが過剰に反射しており、まばらで不自然な並びです。
これに関しては自覚症状もあって、すぐに(と言っても30分近く間隔開いてましたが)クリアを吹いたときは吹くと同時に塗りたてのパールがいい感じに馴染んでぼけていき、はっきりと傷口の輪郭が目立たなくなりました。
こりゃいいやと思っていたんですが、まさか塗料が溶けて濁ってしまったとはつゆ知らず(-_-;)
もっとも、一日インターバルを置いて、一応捨て吹きもしてから塗っても若干溶けた様子はあったので、全く溶けないのは無理のようです。
傷口の輪郭がぼけずに残ってしまったのも残念ですが、色が合わなくなっては元も子もありません。
スプレーをそのまま吹く場合、希釈するなどあり得ない要素。条件が違うのにスプレー塗装用の説明書きに従っても結果が異なるのは当然のことでした。
ちなみに、この滲みによる発色の違いが気になり、塗料の調色スティックに塗料を試し吹きして検証してみました。
まずは論より証拠…と写真を載せてみましたが、う~ん、微妙な色合いの差なので、見る環境に左右されます。自分の環境でも、デジカメや自宅PC、スマホではわかるものの、会社の安物LCDでは何が違うの??状態(汗)
調色スティックだけだと差がわかりにくいので、リアバンパーの上に載せて新車塗装のパールとの比較です。
どちらの調色スティックも新車塗装と全然色が合っていませんが、ステンレスの調色スティックにそのまま塗っている関係上、実際の補修以上に色が乖離しています(汗)
それはさておき、問題は二つの調色スティックの色の差。
左がすぐにクリアを吹いた滲みバージョン、右が一日置いて吹いた滲み無しバージョンです。この二つだけを単純に比較すると差がわかりにくいんですが、ここで下にいる新車塗装と比較すると見えてきます。
左の滲みバージョンは右に比べて白っぽいものの、新車塗装と比べて明らかに黄色味を帯びているのがおわかりでしょうか?
もう一方の滲み無しバージョンだと、青みがかったグレー風味です。
写真では判別できませんが、滲みバージョンは色味にムラがあり、さらにライトを当ててマイカに反射させると差が顕著。
双方を比べたら滲みバージョンの方がマイカの反射自体は強く、但しまばら且つ不自然な並びで光ります。逆に滲まないバージョンは透き通った感じでマイカが全体的に反射して、綺麗に自然に見えます。滲みによってマイカが流れてしまっていますね。
この二つは色味が違うと言うより、滲んで塗料が濁ってしまったことで色が違って見えるという感じです。
とまあ、こんな感じで悪戦苦闘していました。
今までのやり方を踏襲したら色が違うためにノウハウ(希釈率の最適解)が通用せず、一方で新しいやり方でクリアをすぐに吹いたら滲み現象という新たな問題が発生してみたり、やることなすこと裏目に出た感じです。
何度やり直したことか、数えたくないほどです(汗)
で、ここまでやって仕上がった結果は
整備手帳(
追加写真編もあります)に載せました。
せっかくなので、そこで使った一番良く見える二枚も貼り付けしておきます。手鏡で光を反射させて直射日光が当たった状態を擬似的に再現した物です。
どこから見てもこのくらい目立たなければいいんですが、決してそうではなく、これだけ苦労してもこの程度か…と溜息です。
やっぱり餅は餅屋ですね。