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2011年02月24日 イイね!

『退職給付信託』は抜本的解決手段なのか

◆わが国企業会計では、2000年4月以降に始まる会計年度から国際会計基準並みの、新しい退職給付会計が導入された。会計基準の変更に際し、具体的には 2000年9月中間期末にかけて新たに認識すべき積立不足の圧縮を図る目的で、長年保有してきた持合い株式を活用して「退職給付信託」を設定する事例が相次いだ。
◆本稿では、まず退職給付会計の導入で顕在化する積立不足と、その対策としての退職給付信託との関係を整理する。
◆次に退職給付信託の設定でも解決しない問題点や新たな懸念を事例研究も交えて指摘する。
◆最後に資産運用に携る者の立場で退職給付信託を評価する。

◆わが国では、国際会計基準並みの年金財政のディスクロージャーが 2000年4月1日以後に始まる事業年度から導入された。
◆従前のわが国の企業会計では、厚生年金基金や適格退職年金などの「企業年金」制度に係る費用は、毎年の掛金を費用処理し、資産は社外に積立ててきた。また「退職一時金」に関しては、将来の支払い額を毎期見積るものの、実務上は税法の損金算入限度額である「自己都合による退職金要支給額」の
40%だけを費用化し、その累計額を「退職給与引当金」として貸借対照表に記載して社内に留保してきた。
◆新しい会計基準では、従前の「企業年金」も「退職一時金」も勤務に伴って発生し、退職を起点に企業の責任において給付が行われる点で、同一概念の「退職給付債務」として統合して取扱い、その計測は予測給付債務(PBO)をベースに発生給付方式で見積ることになる。
◆この変更により「会計基準変更時差異」としてわが国企業が新たに認識すべき積立て不足額は、主要上場企業 230 社だけでも「9兆7,800億円」にものぼるとの調査結果が示されている。
◆新しい会計基準では、このように巨額の会計基準変更時差異を認識し、これを15年以内で定額償却するよう求めている。
◆一般に巨額の負債(積立不足)を計上すれば資金調達に影響が出る。そこで 2000 年度中に企業がとった一般的な行動は、顕在化する積立不足を圧縮するために、保有する資産を①退職給付会計に注入し、それでも不足する分は②毎期の利益から償却することであった。
◆ここでいう①の方法として、9月末までの特例期間中に持合いにより保有してきた上場株式で「退職給付信託」を設定して、その拠出時価と会計基準変更時差異を相殺処理する事例が多く見られた。
◆なお企業の取り得る「退職給付債務」全体への対応策は以下の5つである。
◆移行初年度の短期多額の償却には1)または2)の方法が有効で、保有持合株式の含み益の厚い企業では信託拠出を活用して1年で一括償却するケースも多い。
◆1)保有資産(不動産・株式)を売却して得た現金を退職給付会計に直接拠出。
◆2)保有上場株式・債券で「退職給付信託」を設定。
◆3)今後の利益から退職給付会計に移転。(株主資産の移転)
◆4)退職給付水準の切り下げ。
◆5)確定拠出年金プランの導入。(確定給付からの移行を含む)
◆ところで、本稿では新たに認識すべき積立不足(会計基準変更時差異)の対応に「退職給付信託」を設定して、移行初年度は、これを償却できても、次年度以降の退職給付債務が拡大しない保障にはならず、今回限りの短期多額の償却が次年度以降の年金費用の増大を抑制する仕組みになっていないことを指摘する。
◆年金費用は 1 年間の従業員の勤務に対応して発生する①勤務費用とその累計額が時間(期間)の経過に伴い②利息費用を発生させ、従業員ひとり当たりでは累進的に増大していく性格を持つ。
◆ここで②利息費用と年金資産の③期待運用利回りとは相殺項目であるが、これは年金給付会計に通常の「資産」が手当てされていてのことである。
◆新会計基準の導入により、持合株式を「退職給付信託」にしただけでは、信託財産から合理的に見
積ることの出来る期待運用利回りは、株式の「配当利回り」だけとなり、長期的には割引率と同じ水準に見積られる利息費用にはとどかない。
◆また期末評価日における株価によっては再度積立不足が生じる恐れがある。これらは、数理計算上の差異(注 6)に含めて、過去勤務債務(注 7)と併せて、あらためて④未認識の債務として償却が必要になる。
◆具体的には以下の 2 つのケースを想定することができよう。
◆まず「運悪く」株価の下落などで退職給付信託に充てた信託財産が値下がりした場合である。
◆次は、より「確信犯」的である。信託拠出したポートフォリオが子会社や取引先など持合株式数銘柄の場合では、充分に分散投資をしているとはいえない。つまり信託財産から合理的に見積もられる期待運用利回りは「配当利回り」だけである。これでは利息費用をカバーできない。
◆これらは数理計算上の差異の発生に繋がり、結局従業員の平均残存勤務年数で償却せねばなら
ない。こうなると退職給付信託によってもたらされる新たな年金費用の発生で、増加するフローの「年金費用」に関しては問題解決をより困難にする方向に作用してしまう。
Posted at 2011/02/25 00:02:42 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他 | 日記
2011年02月24日 イイね!

「経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン」について 平成21年2月9日(中小企業庁)

「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」の固定合意を活用する際に必要となる非上場株式等の評価方法についての考え方を示した「経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン」をとりまとめましたので、公表いたします。

1.
昨年5月に事業承継円滑化に向けた総合的支援が盛り込まれた「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律(経営承継法)」が成立しました。経営承継法では、事業承継時に制約となり得る「遺留分」の問題を解決するため、非上場中小企業の後継者が贈与により取得した自社株式等について、「遺留分を算定する際の価額を合意の時における価額に固定する内容の合意(固定合意)」を行うことを可能としています。


2.
ただし、この固定合意を利用するに当たっては、後日の紛争を防止するため、固定する自社株式等の価額が「合意の時における相当な価額」であることについて、弁護士(弁護士法人)、税理士(税理士法人)、公認会計士(監査法人)といった専門家の証明が必要になります。しかし、これまで、遺産分割や遺留分減殺請求等に係る民法上の非上場株式等の評価方法について確立したものはありませんでした。


3.
そこで、中小企業庁では、「合意の時における相当な価額」を証明する際の非上場株式等の評価方法についてのガイドラインを取りまとめるため、「非上場株式の評価の在り方に関する委員会」を平成20年5月に設置して、平成21年1月まで検討を進めてまいりました。

※非上場株式の評価の在り方に関する委員会
委員長:岡村  正 日本商工会議所会頭
委 員:池田 隼啓 日本税理士会連合会 会長
    品川 芳宣 早稲田大学大学院会計研究科 教授
    増田 宏一 日本公認会計士協会 会長
    宮﨑  誠 日本弁護士連合会 会長
なお、専門的検討は、委員会の下に設置した専門委員会において実施(委員は、「ガイドライン」の66ページに記載)。

4.
今回、委員会での検討結果を踏まえ、中小企業庁として「経営承継法における非上場株式等評価ガイドライン」をとりまとめましたので公表いたします。
なお、このガイドラインは、法的な拘束力はありせんが、経営承継法における固定合意を利用される際の非上場株式の評価方法のメルクマールとなることを期待しています。
Posted at 2011/02/24 23:50:10 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他 | 日記

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