• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2016年06月30日

第14章 シャシー調整②


ブレードアジャスター(Blade Adjusters)
コックピットで調整できるアンチロールバーの多くは、ラウンドバーに沿って動く移動アジャスターの代わりに、ブレードアジャスター(Blade adjuster)を使っている。ブレードアジャスターはブレードを回すことで機能する、それによってクロスセクションが変わり、偏差(ねじり)への抵抗力が変わる。ブレード(ときには複数)は、アンチロールバーの通常のレバーアームとして機能する。バーそのものは、通常のバーと同じ方法でシャシーに装着され、クルマのロールにねじれることで抵抗力を発揮する。
ブレードがフラットのときは、A図(図14-11)でレバーアームは、サスペンションの動きに弱い抵抗力を持つ、ブレードを回して調整したときは、B図(図14-11)となる。抵抗力は、このニつの間で調整できる。これは巧妙なシステムで、驚きに満ちている。


バーはあなたが操作できるもっとも簡単な方法で、クルマのどちらの両端のロールへの抵抗力を調整でき、それゆえに空力が効かない状況でのシャシーのハンドリングの調整にもっとも多く使われるデバイスとなっている。

ロールセンター
サスペンション機構のロールセンターは、クルマのロールの終端近くに位置してある。それはサスペンションのジオメトリーによって決まる - アッパーアームとロアアームの長さ、シャシー上のピックアップポイントの位置、車体幅 - 全てがタイヤ接地面とシャシーをつなぐジオメトリーに関連している。ドライバーのあなたの目的は、その泥沼の細かい部分に、はまり込むべきではない。あなたにとっては、ロールセンターの高さがサスペンション機構のロールへの抵抗力にも影響が及ぶことを知ることで十分である。クルマのフロントとリアの両方が、それぞれ異なるロールセンターを持って、サスペンションの動きに合わせて動く。今、あなたが知る必要があることは、ロールセンターを高くすると、ロールへのサスペンションの抵抗力が増え、ロールセンターを低くすると、ロールへの抵抗力が小さくなるということである。ロールセンターに影響するもっとも単純な方法は、地上高によるものである。地上高を低くすれば、ロールセンターも低くなる。地上高を高くすれば、ロールセンターも高くなる。
実践では、もしアンチロールバーでの調整を使い切ってしまい、バネを交換する時間がないときに、地上高を調整することは(それでロールセンターも)クルマの両端のロールへの抵抗力を変化させる助けになるだろう。クルマの一端の地上高を低くすれば、アンチロールバーを柔らかく、またはバネレートを柔らかくしたのと同じになる。地上高を上げることも、アンチロールバーを硬くし、バネレートを高くすることと同等である。

コーナリング時のショックアブソーバー
クルマのコーナリングバランスは、ショックの設定の変更で調整できるが、ショックは荷重移動のほとんどに影響することに気をつけること、それは片寄るような荷重に対応してサスペンションが動くときである。ショックの動きに抵抗への抵抗は、クルマがコーナリング姿勢でロールしているほとんどの時間に渡る車のバランスに影響する。そしてコーナリングの荷重が安定すると、バーとロールセンターが大きな比重でバランスに影響する。
例えば、フロントのショックがリアよりもデコボコに対してかなり固い場合、リアと比較してフロント外側のタイヤには、過剰なストレスがかかり、コーナーへのターンインでアンダーステアを作り出すこともある。サスペンションの初期の縮みが起こると(空力は無視すると仮定して)、バー、バネとロールセンターは、クルマの安定するバランスを作り出す。
ショックは、ハンドリングを調整することが可能なツールだと考えるのがベストである、それでクルマの特性が変わるのは、あなたが荷重変化を起こしたときである。ショックはコーナリングでは特に重要で、コーナーアプローチ速度からクリッピングポイントでの速度までの間に大きな違いが生じる。
もし遅いコーナーなら、減速とターンから加速までの変化は、時間の短縮という形で起こるだろう。減速は小さくなるが、荷重移動を通じて負荷は変化し続け、リアからフロントへ、内側から外側へ移動する;そして加速が始まると、クルマのコーナー脱出によるが、荷重はフロントからリアへ移動するが、横方向の荷重移動は減少する。
どんな状況でも安定的である -つまり長いブレーキングゾーンや長く舐めるようなコーナー、ようは加速が制限されて高いギアで抜けるコーナーであって、コースが非常にスムーズな場所 ^ ショックの重要性は下がる、なぜなら本質的な機能性は、荷重変化が起こったときだけで終わっているからである。

路面のデコボコ(Bump)
サスペンションは、路面のイレギュラーにも応答する - 主にデコボコ(bump)である。非常に滑らかなサーキットでは、固いデコボコとリバウンドのセッティングは忘れても良い、しかし固いセッティングは動くことに対し大きな抵抗力を持っているので、サスペンションの動きが遅くなることに注意を払うこと。
この処置の駄目な点は、サスペンションがデコボコ(または連なったデコボコ)を吸収するために素早く動かなければならないのに、路面に対してタイヤ接地面を十分な早さで対応させられない可能性がある。タイヤは半分の時間は空中にあるので、グリップ力には寄与していない。例外はデコボコなサーキットに向けたショックのセッティングで、サスペンションがタイヤを路面に押し続けるために、十分な早さで動くたまに柔らかく設定されなければならない。

ジャッキ効果

右に左にコーナーがあるロードレースでは、ほとんどの場合どちら向きのコーナーにも同じ能力だと期待している。ほとんどの時間、クルマが左右対称であることを望んでいる、それはつまりクルマのアライメントやセットアップは、左側も右側も同じであることである。ただそのことは、オーバルトラックレースのように左ターンしかないようなレースカーには必要ない。この本は、まずロードレースについての本であるから、我々はベストを知ることにこだわり、プロのためのオーバールトラックのセットアップから離れよう。
我々は、明確なメリットを見つけた人への楔を持った実験を離れよう。しかし、コイルとショックユニットの独立したサスペンションを持つレースカーでは、荷重を受けるバネ長を調整することで、ロードレースのドライバーでも知るべきであるようないくつかの効果を与える。まず第一に、どのようにコイルとショックユニットが動作しているかを注目しよう。図14-12は、典型的なバネ/ショックユニットである。上部の穴Aは、シャシーにボルトづけされて、下部の穴Bはサスペンションに取り付けられる。ときには、それはホイールの動きをショックの穴に伝えるプルロッドによってサスペンションに取り付けられる。またショックの自由端がサスペンションアームにつながれていることもある。それらは全て、それぞれのクルマの設計による。鍵は、サスペンションがデコボコに突っ込んだとき、バネとショックユニットは縮むことである。サスペンションが落ちるときには、ショック/バネユニットは伸びる。


バネレートとホイールレート(アーム比)
バネが縮むときにホイールの動きと同じレートとなることは非常にまれである。もしそうであったなら、ホイールの動きに対する抵抗力はとても簡単に計算できただろう。またもしそこに1対1の関係があったなら、ホイールの1インチの動きに対応してバネが1インチ縮むだろう。だから、もし200ポンド/インチのバネが装着されれば、ホイールの1インチの動きは200ポンドの力に対する抵抗力であるといえる:ゆえにホイールレートは200ポンド/インチとなる。
現実では常に、物事はもっと複雑である。ほとんどの場合ホイールは、バネが動く以上に動く - ときにはそれは2,3倍になる。ここでひとつの事例を見てみよう、それはホイールが、200ポンド/インチのバネの2倍動く。もしデコボコでホイールが1インチ動き、バネが1/2インチだけ動くなら、つまり1/2インチのバネの縮みは100ポンドとなるので、あなたはホイールレートが100ポンド/インチだと結論づけるかもしれない。しかし、それは間違っている。
確かにバネが100ポンドの力の動きに抵抗力を発生したことは正しいが、それはホイールのてこの作用によるものである。ホイールがバネの2倍動くことは、てこを使って力を増加させることと同様である。
図14-13で我々の意味するところを見てほしい。単純なてこでは、ホイール側のアームは、バネの支点からの長さの倍である。よってバネの1/2インチの動きは、ホイールの1インチの動きとなる。動きの比率は2対1である。てこの長いアームにかかる50ポンドの力は、短いアーム端にかかる100ポンドの力に等しい。これがレバーの働きである。あなたが長いアームをもっと動かすためには、何倍もの力がいる。これに関する相似は、ボトルオープナーがある。
その場合、バネは1/2インチ縮み、100ポンドの抵抗力があっても、ホイールでは1/2インチ動くのにたった50ポンドの力ですむ。だから、200ポンド/インチのバネのホイールレートは、50ポンド/インチである。


ホイールレートは、コーナリングバランスのときに現実の問題になる。多くの人が、彼らのクルマのバネレートと他車のバネレートを比較して、とても混乱する、そのときに他車のサスペンションの設計が、自分のとは違う比率である可能性を考えていないからである。さらにバネレートが違っていても、ホイールレートは同じかもしれない。
500ポンド/インチのバネは、硬く思えるだろう、しかし特定のサスペンション機構では、現実的には柔らかいホイールレートの結果かもしれない。だからこのふたつのレートを区別することが重要である。
ホイールレートは、次の公式で計算できる:ホイールレート=バネレート/(ホイールアーム長/バネの偏差)^2

コーナーウェイト
さぁ、今一度仮定のレースカーをみてみよう。ピットレーンでは車重1000ポンドのクルマは、フロントタイヤに400ポンド、リアタイヤに600ポンドかかっている。もっと詳細に、タイヤそれぞれにかかっている荷重をみてみると。ビューティフルに両対称なレースカーは、荷重を等しく分けている。つまりフロントタイヤはそれぞれ200ポンドがかかっており、リアタイヤにはそれぞれ300ポンドがかかっている。さてあなたは、クルマを動かした瞬間から、それが違ってくることを知っている。加速して、曲がって、減速する全ての瞬間で、慣性が重心CGを通じて荷重を動かすように作用する。荷重の理想的な配分は、静止状態でタイヤにかかるとして表現される。バネの固定点を調整することで、このビューティフルで両対称な荷重を変化させられる。
この実験を簡単にするため、このクルマの動きの比率は1対1だとする。つまりホイールが1インチ動けば、バネ/ショック機構は1インチ縮む。図14-14で、外側のそれぞれのショック/バネ機構は、サスペンションを通じてホイールとつながっていて、内側の端はシャシーにつながっている。あなたがアジャスター(バネの固定点)を動かして、ショック/バネ機構を長くも短くもできる。まずフロントから始めよう、調整可能なバネの固定点を、左右双方とも1/4インチ上げても何も起こらない:動きの比率が1対1だから、クルマのフロントは1/4インチ上がる。フロントの荷重は何も変わらず - 400ポンドの荷重がフロントにかかり、単にフロントが持ち上がっただけである。もしあなたがリアの双方のバネの固定点に同じことをすれば、リアの地上高が上がる。とても単純だ。


もし同時にクルマの片方を選べば、つまり左フロントと左リアの固定点を1/4インチ上げたなら、その結果はクルマが水平ではなくなったというだけである(図14-15) クルマの左側は、右側よりも1/4インチ地上高が高くなる。
もしバネをペアで調整したならば、唯一変わることは、あなたが変えた端(横端)の地上高が変わるということである。


静止状態の総荷重
コーナーウェイトの他の金科玉条として、4つの結論がある: 1)フロントタイヤの静止状態の総荷重は、バネに関わらず同じままである 2)リアタイヤの静止状態の総荷重は、バネに関わらず同じままである 3)静止状態の左側の総荷重は、バネに関わらず同じままである 4)静止状態の右側の総荷重は、バネに関わらず同じままである - 気づいているだろうが - バネの変化には関係がない。
クルマを前後方向にちょっと動かすと、クルマの荷重バランスを変えるためにバネの固定を調整する部分はない。

ひとつのバネ固定を変える
さぁ左フロントのバネの固定を上げて、ショック/バネ機構を伸ばしたときに、コーナーウェイトにどんな影響が出るかを見てみてよう。バネの固定を調整すると、フロントとリアのアンチロールバーを外す必要がある、それはクルマがロールしていないのにバネの荷重に影響することを避けるためである。左フロントを持ち上げようとすることで、全てのホイールに変化が及ぶ。最初に起こることは、右リアのバネが地面に対して掘り下げられないように抵抗するだろうし、そうすることで、その角と反対斜めの荷重は、バネに余分な力がかかる。もし左フロントと右リアに、調整する以前以上の荷重がかかるなら、左リアと右フロントの荷重は小さくなる。
この調整の結果、左フロントに25ポンドの荷重が増えたとする(図14-16) 左フロントの荷重と右フロントの荷重を足すと、400ポンドだから、右フロントの静止荷重は400-225=175ポンドである。左のリアの静止荷重も同様で、リアタイヤにかかる総荷重は600ポンドだから、左リアの荷重は600-325=275ポンドである。そしてクルマは、交差荷重となった
尋ねる意味のある疑問は、なぜ実際にバネの固定を調整するために、フロントとリアタイヤの両方のバネをまわすのか?そうする理由は、タイヤのグリップを一時的に増加させたいためであり、荷重=グリップであるからだ。ある者はこのような交差荷重にするだろうが、それは多少先走るが、ロードレーシングの中で議論する価値がある。特にブレーキングが重要な状況では、フロントタイヤがブレーキングでそれぞれ最大の役割を果たすように、同じグリップを持たせるため、片方が他方より先に重大なロックアップをしないことを望んでいる。
ロードレーシングでは、ほとんど場合、バネをだますことでクルマが持っている交差荷重の問題を修正する。また別の理由は、あなたのショップのガレージでの床のシンメントリーな交差荷重が、クルマをサーキットに持ち込んで(コースを1,2回走った)ときに変化してしまったことである。コーナーウェイトをチェックして、驚いたことに、右フロントに静止荷重よりも25ポンド重く、左フロントよりも重くなっている。ストックスパナを出して(バネ固定の調整に使われる用途の特別なレンチ)、クルマの周りの荷重をジャッキでくるくる回し、左フロントがブレーキペダルを踏み込むたびにロックしてしまわないように試みる。


起きている事実と、これについての多数のメカニックとの議論は、つまり、それぞれの角の地上高は要求どおりであるので、地上高に影響しないように静止荷重を変更するために4つのバネの固定を調整しなければならないということである。他方で、あなたが若干の交差荷重-10ポンドかそこらに-対応していたならば、メカニックはアジャスターを一回まわす、その地上高の微小な変化は残りの3つには影響しない。

斜めのジャッキ荷重
装着されたバネの高さを短くするなどして、固定部を回すことで、アジャスターをバネ方向に動かすと、そこの角と反対ななめの静止荷重は増加する。そして逆方向の静止荷重は減少するだろう。
地上高を変化させることなく行なうために、荷重を増やしたい対角線を上げたり短くして、同時に反対ななめも同じだけ下げたり長くする。
これはフロントとリアが同じバネレートとレバー比である単純なレースカーだから、そのような上げ下げのチューニングは同じ大きさになる。さてあなたのクルマは、地上高はOKだが、コーナーウェイトの測定は、図14-17のようである。右フロントは、左フロントよりも50ポンド荷重が多くかかっている。だから右フロントと左リアを下げる(長くする)こともありえる。


単にそれだけを行なうことで、多少の荷重移動がおこるが、結局地上高を低くするという結果になる - 忘れてならないのは、別の対角線のバネは地上高を維持するために適正な長さで望む小さな荷重となることである。それらに大きな荷重をかける、つまり対角線のバネの長さ調整を行なうことで、そのバネは縮んでシャシーは地上に近くなる。調整を完了するためには、左フロントと右リアのバネの固定を回して上げて(短くして)、大きな荷重に応じた地上高を設定しなければならない。
現実のレースカーでは、フロントとリアのバネレートとレバー比が異なり、もうすこし複雑なので、参考文献にあげている原書で良く説明されている。ここでは原理を説明したが、具体的にはクルマによって変わる。
特定のあなたのクルマへの最適なアプローチは、クルマをはかりに載せて試してみることだ、それでサーキットでは10~50ポンドの調整が必要だとわかるだろう。クルマの地上高を変えるのは、バネの固定を動かすだけで、気軽に考えればよいだろう。

空力

ここまで、我々はあなたが可能なクルマの動き方を変える多くの単純な調整について説明してきた;そして、多くのカテゴリーのクルマ、特にエントリーレベルでは、だますためでもなく、セットアップを複雑にする空力デバイスは使われない。しかしあなたが成長すれば、空力のダウンフォースの荷重によってタイヤのグリップを稼ぐレースカーに到達するだろう。レースカーの開発者たちが、長い間に空力ダウンフォースのメリットを発見したことは素晴らしいことである、しかし1960年代後半からは、レースカーの参加クラスのルールがダウンフォースを発生させるデバイスの利用を認めたときに限り、エントラント(参加者)は使える。
理屈は簡単である。ウィングは軽く、クルマの総重量に影響を与えないが、ウィングはタイヤにかかる荷重を発生させるので、グリップは増加する。
それの面白いところは、空力デバイスによって作り出されるダウンフォースとドラッグ(抵抗)は、速度の二乗に比例して増加することである。言い換えれば、時速40マイルで50ポンドのダウンフォースを発生させるクルマは、時速80マイルでは、100ポンドではなく200ポンドのダウンフォースを発生させるだろう(ダウンフォース=速度^2/32) そして時速120マイルでは、ダウンフォースは450ポンドになるだろう。端的に言うと、空力のダウンフォースは、特に高速度域で相当なグリップの源となる。
フォーミュラ・アトランティックやF1、インディーカーやその他のいくつかのクラスでは、空力のダウンフォースの効果は、ここまで述べてきた伝統的な他のシャシー調整の効果を霞ませてしまう。クルマのコーナーバランスも、時速80マイルやそれ以上なら、ほとんどフロントエンドとリアエンドのダウンフォースの空力バランスで決まる。我々が前述で述べたシャシー調整の全ては、タイヤにもっと空力による荷重を発生させる名目で、しばしば犠牲となる。このようなクラスでのエンジニアの仕事の大きなものは、フロントとリアタイヤにかかる総合的なダウンフォースの比率を最適化するためのボデーとウィングの形状の設計である。もし設計が悪ければ、ウィングやサスペンションの調整は助けにはならないだろう。年月が経って、多くの革新的なデザインが失敗した、それらはフロントやリアから遠すぎるようなデザインによるダウンフォースは、悪いことに予測不可能で前後に移動した。

アタックの角度
いくらか複雑でないことには、アンダーボディー以外のダウンフォースの発生がある。それは、フロントやリアに装着された個別に調整可能なウィングでダウンフォースを発生させる。F/F2000やバーバー・ダッジのようなクラスでは、フロントとリアに簡単に調整できるウィングを外側に装着してあり、それでダウンフォースとドラッグ(抵抗)の発生の強さを調整できるようになっている。ウィングのアタックの角度を増やすことで(つまり空気の流れに対する角度)でダウンフォースとドラッグを増加させる。
フロントウィングのアタック角度を増やすと、フロントのグリップが増加し、アンダーステアが弱くなり、オーバーステアの傾向が増す。リアウィングのアタック角度を増やすと、リアのグリップが増加し、オーバーステア傾向が弱くなり、アンダーステア傾向が増す。

ストール(失速)
アタック角度は無制限に増やすことは出来ない。ウィングのダウンフォースは、ウィングの上面と下面を流れる空気圧の差によって生じる。アタック角度がある角度になると、ウィングの空気の流れは乱流となり、ウィングは失速する。このポイントでウィングはダウンフォースを失って、かなりのドラッグ(抵抗)を発生する。
さらにダウンフォースは、フロントとリアタイヤの増加に比例させるように一致させなければならない。リアに対して強すぎるフロントは、高速度でオーバーステアを作り出す。反対にフロントに対し強すぎるリアは、高速度でアンダーステアを作り出す。
またどれほどのダウンフォースの総量とドラッグなどのデメリットにも考慮して、特定のサーキットでラップタイムを縮めるための最適さを考える必要がある。高速度域においてウィングは最も効果的であるが、空力ドラッグが使える加速力に占める比率は大きくなり、最後には全てのパワーを使い果たす。そうなれば、クルマはそれ以上速く走れない。
長い高速の直線と低速のコーナーが大半を占めるサーキットでは、ウィングは比較的効果がなく、ドラッグが小さくダウンフォースも小さいセットアップが要求される。また多くの高速コーナーと短い直線を持つサーキットでは、バランスの取れたダウンフォースが、コーナリングの速度の役に立つに違いない、ただ長すぎる場合には不利になる。ストリートサーキットは、典型的な短い直線と高速と低速コーナーの複合で、通常は最大のダウンフォースで走る場である、その理由は短い直線でのドラッグによるロスが大きくなく、その一方、中速コーナーで、ほどよいグリップが利用できるからである。
覚えておく価値のあるポイントは、ウィングのアタック角度は、クルマのピッチングによって変わる。メカニカルなシャシー設定に効果的なようにクルマの端の高さを変えることは、クルマの空力バランスにもまた影響を及ぼす。クルマのノーズを低くすることで、両方のウィングのアタック角が増える、逆にあげれば反対の効果になる。

ウィングとターンインのレスポンス
高速コーナーへのハンドルを切ったことのレスポンスは、ウィングで簡単に仕立て上げることができる。ウィングのないクルマならば、フロントとリアの荷重と、クルマのコーナリングバランスをつかみ、コーナーの中間でバランスを安定させるのにちょっと時間がかかるだろう。直線の終わりでタイヤに空力の荷重を使えば、ターンイン地点でのクルマのバランスと、コーナーに向けてクルマがロールする地点までは、ウィングのフロントとリアのバランスで大きく決まる。空力でアンダーステアのクルマ(後ろに比べてフロントウィングが小さすぎるなど)は、ショックとバネ、ロールバーのロールへの抵抗がバランスの変化を起こすまでは、アンダーステアだろう。


クルマの挙動を説明する

あなたは、だんだんと空力がハンドリングに影響するクルマでは特に、ハンドリングの分析にはもっと具体的なことが必要だと気づいてきただろう。あなたがテストセッションでクルマのハンドリングを尋ねられたときに、"OK"は、おそらくプロのチーフクルーが求めている答えではない。ハンドリングの特性を、一言で「アンダーステア」のように表現するのは無意味である;問題を解決するためには、クルーはどこでどのようにアンダーステアが発生しているかを知る必要がある。

テストドライビング
テストを行なうときには、多少異なる考え方をしないといけない。それについて考えよう - どんなレースドライバーも本質的に競争的である、それは他人に対してだけでなく自分自身に対してもである。特に目的なく、単独で20ラップを与えれば、ドライバーは速くもっと速く挑戦し、今以上を求めて競争するだろう。しかしテストでは、結果的にどこを変更するかという視点では、結論をゆがめてしまうことは明白である。
あなたは速く走らなければならない - そうでなければレースカーの意味がない、驚異的なラップレコードの0.5秒落ちで、コンスタントであることがパーフェクト。5周以上のラップタイムを10分の1~2秒の範囲で落ち着かせるのが望みである。それからあなたのチームは、変更をしてみて何が有効か、何が無効かを判断できる見込みが持てるようになる。
あなた自身を信じること。クルマの挙動を見きわめることは、ときにはものすごく微妙な感覚に基づいている。テストと開発に良いドライバーは、鋭い感覚を学ばなければならない。もしあなたがクルマの振る舞いが奇妙であったり、意味をなさない何かがあると感じたときは、あなたの感じたものに、あなたの理論を当てはめてはならない。クルーに伝えるのは、どう感じたか、どこで感じたかを自己判断なしで伝えるのである。あなたが何かおかしいと疑いを持っているときには、特にそれが正しい。もしクルマが悪くなったように感じたなら、あなたの感覚を信じよう。良い判断を捨てることで、すぐに大きなトラブルに直面することがある。

---------------------------------------------------------------------------------
[テスト中は]あなたは95%~100%でドライブしなければならない、なぜならクルマはそのように扱われていることと、それこそあなたが求めているデーター - そういう状況でクルマがどのように振舞うかということだから ; だからそれがあなたがしなければならないドライブとなる。だからあなたが走ったことがなく、これから多くを習熟しなければならないサーキットでテストは行なわない、理由はドライバー自身が一日がかりでコースを学ぶだろうし、それではデーターがひずんでしまうからだ。
私が思うに、あなたがしなければならない他のことは、自分自身をコントロールすること、そしてコントールの邪魔になること以外のすべてを評価し、テストの最後にはそのコントロールを取り戻して、どれほど正確でいられたかということを理解することである。それによって、あなたには最初と最後に見なければいけないものがわかるし、また途中で全てを比較できるだろう。
---------------------------------------------------------------------------------

---------------------------------------------------------------------------------
あなたの本能は正しい。開放されたいと感じているときは、開放するときである、たとえそれがまだであっても。自分自身を信用するべきである、なぜならそれがあなたであるからである。あなたの本能は正しい本能である。あなたのチーフが"それを我々が1956年、または1992年にやったやりかただ"と言っても、馬鹿にされているわけではない。それがあなたである。" - ドルセー・シュローダー
---------------------------------------------------------------------------------

良き人たちと働く
レースカーのテストと開発を価値あるものにするには、あなたもまた良きチーフやレースエンジニアの近くで働くべきである。レーシングのメカニックサイドの多くの人々は、ドライバーたちがシャシーの働きについて彼らが正しいと譲らないことに混乱する。ここで学んだように、レースカーとは妥協の固まりである。ひとつの変更が、複合的な影響を及ぼす;他方ではクルマの全てが良くなるようなひとつの変更を成し遂げるのもクルーが行なっているレースである。
もしあなたがひとつの原則にだけに乗っかり、そこにセットアップの考え方を押し込めるなら、多くの物事が詰まっているボートに乗りそこなうだろう。大変に役に立つ人は、クルマの機構について従来の知識と理論を知り、そこに経験とオープンさを加えるような人物である。
誰もが認めているように、レースカーには数多くの調整と性能の向上がある - 我々はその表面をすこしだけ削ったに過ぎない。あなたの主な関心は、レースカーをドライブすることで、それを設計したり、作ったり、順序づけたりすることでないと考えている。一般的なアンダーステアには、いくつかの複雑な問題を単純にすることで別の自由を得ている、しかし世の中には技術的な複雑さを正確さに述べている本が数多くある。それについてのベストな書籍は、巻末に載せてあるが、もっとも著名なレースカーについてのキャロル・スミスのシリーズと、ヴァンフォルケンバーグのレースカーのエンジニアリングとメカニクスである。
我々が述べた調整に関する分野について、エンジニアとして見方を学ぶのは良いアイディアである。レースカーの全てのクラスには、他車を圧倒するような独自の調整があり、それはドライバーにとってもクルーにとっても、テストを始める前に物事の見方を合わせておくことは価値があるだろう。

---------------------------------------------------------------------------------
エンジニアが違えば、アプローチ方法は異なる。私は、正しさや間違いが必要だとは思わない。それはドライビングと同様である。ドライバー達は、それぞれ異なるアプローチ方法を持っていて、それはエンジニアも同様である。私は、セッションの間にコースに飛び出していって、クルマを見て、彼ら自身で調整可能なセットアップについて判断するエンジニアを知っている。他のタイプの人は、コンピューターが教えてくれる情報に厳格に基づく人もいる。
秘けつは、あなたとエンジニアの化学反応である、あなたは自分を担当してくれる人と共に働くことを確実にすること、そうすればあなたのアプローチは近くなり、お互いを補完しあえるだろう。
あなたは理解し合える関係を作って、お互いを信頼していなければならない。もしエンジニアがあなたの伝えることを信じず、あなたもエンジニアが良い仕事をしたと信じなければ、それは悪い状況である。あなたは正しい人物を見つけなければならない。エンジニアもドライバーと同じである。ある者は良いし、ある者はそこそこでもない。" - ブライアン・ヘルタ
---------------------------------------------------------------------------------

最後のつまみ
まだ残っている現実がある、特にあなたのレーシングキャリアの初めでは、あなたは、わずかな空間から1,2%のラップタイムを稼ぎ出すコンポーネントの一部である。必要なことは、機敏で、自身のパフォーマンスを追い込み、あなたがクルマのハンドリングになることである。クルマには問題があるかも知れないし、繰り返すこともあり、問題はあなたかも知れない。スピードを覗き込むことに慣れろ。アマチュアのアスリートとしては、完璧からほど遠いことは普通である。それでもときには経験豊かなドライバーを追いつくいいアイディアがあって、テスト日にあなたクラスでの仕事を成し遂げることがある。それが、クルマであってもあなた自身でも、セッティングの目的となるひとつのやり方である。

ブログ一覧 | ドラテク | 日記
Posted at 2016/06/30 11:51:34

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

関連記事

恥ずかしい車高
HiroseRSさん

■ イギリス大バーゲンセール
Ritz-Cさん

BL5レガシィ スプリング変更
K氏の部屋さん

アホみたいなばね購入
theWeaverさん

2016 勝手に 「道場破り」  ...
田中 ミノルさん

YZサーキットでバネレートUPの効 ...
Wannabe-STIGさん

この記事へのコメント

コメントはありません。
現在価格を調べてみる

おすすめアイテム

 
 

プロフィール

「10/29 鈴鹿クラブマン …晴れますように! &PS4[プロジェクトカーズ2]」
何シテル?   10/14 17:21
40才を過ぎてからの車道楽www (^o^) ・・・いつの間にかシニア割引に。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2017/10 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031    

リンク・クリップ

鈴鹿へ。。。(v'ー^)v☆ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2017/09/23 08:51:30
モテギってどこだ 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2017/07/25 19:48:53
AMGサーキットDay in 富士 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2017/07/05 09:10:17

ファン

88 人のファンがいます

愛車一覧

アルファロメオ 4C アルファロメオ 4C
2015年4月 ローンチエディション納車 2013年3月のジュネーブモーターショーで見た ...
ルノー メガーヌ ルノー・スポール 2号さん (ルノー メガーヌ ルノー・スポール)
『ニュルブルクリンク北コースにおける量産FF車最速』のキャッチコピーの車。 サーキットで ...
その他 その他 その他 その他
鈴鹿クラブマンレース 初心者向けFEクラス車両  Honda製 1.3L SOHC 4気 ...
ロータス エキシージ ロータス エキシージ
稀代の車、ロータスエキシージSで車道楽を楽しんでいます。 ロータスに乗ることは、最小限の ...
ヘルプ利用規約サイトマップ
©2017 Carview Corporation All Rights Reserved.